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2006年10月 8日 (日)

ダ・ヴィンチ・コードとイエスキリスト

時機をすこし逸していますが「ダ・ヴィンチ・コード」を読みました。米国で20033月(日本語版は20045月)に発売された新人作家の小説が全世界で注目されたことは記憶に新しいところです。今年5月には映画化もされました。原作を忠実になぞろうとして消化不良になり、こちらの評判は今ひとつのようです。当ブログで紹介しましたように、今夏、ルーブル美術館を訪れた記憶がこの小説を読む気にさせました。
 
Leonardo_da_vinci2_2かなり長い小説ではありますが、読み始めるとストーリーに引き込まれて、一気に読み切ってしまいました。「ダ・ヴィンチ・コード」はわずか1日の出来事をリアルタイムで描写するように詳述し、ラストシーンを含めても数日と短い期間とは思えない内容の濃密さです。さらに、複数の登場人物の行動を同時進行的に記述する手法(映画やドラマで時々採用される)を多用しているため、時には思考が追いつかず読者を混乱させます。
 
パリのルーブル美術館を舞台として物語が始まり、ベルサイユ宮殿の近郊、さらにはロンドンとスコットランドへと舞台が変わる展開のめまぐるしさ。それぞれの場所での暗号解きとそれに纏わるイエスキリストや古代史の話が日本人には難解ではあるものの、それ以上に読者を引き付ける魅力が文脈にありました。
 

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そして主人公は最後に意外な場所に辿り着くのです。キリスト教徒ではない我々には宗教的な記述が難解かつ詳細すぎる印象はありますが、全体を通したストーリー展開がしっかりしており、何よりも読後に心地よい余韻が残る秀作でした。
 
私の好きな映画にも、イエスキリストそのものを描いたものが多数あります。キング・オブ・キングス、偉大な生涯の物語、ベン・ハーなど1960年代のものから、2004年のパッションまで。古い映画はおおむね新約聖書に忠実にキリストを描いていますが、最近のパッションやダ・ヴィンチ・コードは新しい解釈によるため、各国で論議を呼んでいます。
 
これはイエスキリストに直接関係ありませんが、中世イタリアの修道院を舞台にした連続殺人事件を描いた「薔薇の名前」(1986年、ショーン・コネリー主演)は、異端を厳しく取り締まるローマ教会の立場が、ダ・ヴィンチ・コードと共通します。
 
キリスト教徒ではない我々には理解しにくいことが多いのですが、権威としての宗教が内在する問題は仏教にも共通する点があるように思われます。とは言っても、宗派を問わず神社仏閣に参拝することが趣味である私には無縁のことですが。

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