日光(後編)‐世界遺産の社寺
日の出とともに朝風呂です。すでにかなりの先客が!
瑠璃(るり)の湯と露天風呂「緞子(どんす)の湯」へ入る。まだ明け切っていない空を見ながら熱い湯に浸かれば目が覚めて気分も爽快になります。
旅館の人によれば朝の最低気温は4度とのこと。朝食にはまだ時間があるので、早朝の湯元温泉を散策することにしました。
近くの温泉神社から左手に向うと湯ノ平湿原です。ここは奥日光湯元温泉の源泉がある場所。各旅館の名前が書かれた源泉が点在しています。湯守釜屋の名前を一番左端に見つけました。立ち上る蒸気とともに鼻を衝く硫黄の匂いが辺りに広がります。
湿原内の木道を歩くと日光温泉寺に至りました。温泉がある珍しい寺として知られているようです。参道に並ぶ石灯籠の反対側は紅葉して黄金色に色づいた松の木々が美しい。
ゆっくり朝食をとったあとは、中禅寺湖まで戻り、湖畔の紅葉をひととき楽しみました。ボート乗り場や中禅寺金谷ホテルの周辺がとくに艶やかです。まだ車の少ない華厳の滝駐車場を通り過ぎ、昨日とは様変わり、誰もいないのかと思うほど空いている第一いろは坂を下りはじめました。
途中、剣が峰下の観瀑台から「般若滝」と「方等滝」を望むことができました。しかしスペースが狭いため長く駐車することはできません。
日光の市街地に入り駐車場から世界遺産のエリアを歩き始めます。まず輪王寺の三仏堂に参拝して東照宮の表参道に入る。東照宮は徳川家康を祭神として祀った神社です。
一ノ鳥居をくぐり五重の塔、陽明門、奥社御宝塔、そして拝殿・石の間と巡りました。
修学旅行の小学生グループと一緒になり、その元気さに圧倒され、あちこちで揉みくちゃです。
関心がなさそうな同行者たちをあとに二荒山(ふたらさん)神社へと上新道を歩きました。二荒山神社は下野(しもつけ)国の一宮で、縁結びでも知られます。幸運にも白無垢を着た花嫁さんが記念写真を撮るシーンに遭遇、旅の記念にシャッターを押しました。
ちょうどお昼になったので日光金谷ホテルで百年ライスカレーなるものを食べてみました。私が注文したビーフカレーは独特の甘みがあり好みは分かれそう。同行者のチキンカレーはさっぱり目の味が良い。
食事の後は一人で急な坂道を下りる。この旅行の目的である「神橋(しんきょう)」を渡るためだ。全面修復が終わり11月末まで一般に開放されている好機でした。
この橋は国の重要文化財で、さらに輪王寺、東照宮、二荒山神社とともに世界遺産にも指定されています。真紅に塗られた真新しい神橋と下を流れる大谷(だいや)川の清流にしばし見入ってしまいました。
渋滞に巻き込まれないように帰路につくことにしました。これが最後だと同行者たちを説き伏せて「霧降の滝」へと道をそれました。わずか3kmの距離です。駐車場からは遊歩道で350m、展望台から2段に流れ落ちる美しい霧降の滝を十分に堪能することができました。
昼過ぎから雨粒が落ち始めていましたが、幸運にも晴れ間が覗いてくれました。滝壺へ行くのは次回の楽しみにしましょう。その後は天気が回復、順調なドライブで明るいうちに帰宅しました。
<同行者のコメント> 今回は一泊したため旅館の温泉をたっぷりと楽しむことができて満足です。でもあいかわらずの滝巡りになってしまい、オチビちゃんには超過密スケジュールでしたよ。
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