« 江戸太神楽 | トップページ | 芝から芝浦へ »

2007年9月13日 (木)

雑記をもうひとつ: 嘘は罪

ふと古い歌が思い浮かびました。Billy Mayhewが作詞・作曲した戦前のジャズの名曲Its a Sin To Tell a Lie”です。この歌を知ったのは何時のことかはっきり覚えていませんが、同じ団塊世代の歌手、弘田三枝子のレコードで聴いた記憶がありますから、高校生の頃だったのでしょう。後に、テネシー・ワルツで知られるPatti Pageの歌を聴きました。

Be sure it’s true when you say I love you. 愛していると言う時は本当か確かめて

Its a sin to tell a lie.                  嘘をつくのは罪だから

Millions of heart have been broken,       どれだけ多くの心が傷つくことか

just because those words were spoken.   その言葉が話されただけでね

I love you, yes I do, I love you”         愛してる、そう、愛してる

If you break my heart, Ill die.           もし私を悲しませたら死んでしまうわ

So be sure its true when you say I love you.  だから本当か確かめてね

Its a sin to tell a lie.                  嘘をつくのは罪だから

私の拙訳で恐縮ですが、高校生だった私にはsinと言う言葉が理解できませんでした。赤尾のマメ単で覚えた似た意味を持つ英単語”crimeとの違いです。高校生にも容易に理解できる平易な英文のなかに一語だけ難解な言葉が入っていたことが印象に残っています。今になって分かりました。言葉は「言霊(ことだま)」であり、言葉は生きているのです。

この歌から連想して、高校1年の英語でケネディ大統領の就任演説を学んだことを思い出しました。中学で習わなかった言葉が続くため辞書と首っ引きで読んだのです。そして暗殺された直後にその演説の触(さわ)りにメロディを付けた「自由の賛歌」(Let us begin)が発表されたことも覚えています。演説のフレーズ毎にコーラスが輪唱のように続く嗜好が新鮮でした。

Together let us explore the stars.        ともに星を探検しよう

Together let us conquer the deserts,      ともに砂漠を征服しよう

Eradicate disease,                  病気を撲滅し、

Tap the ocean depths,               深海を開発し、

Together let us explore the stars.        ともに星を探検しよう

  

この歌には含まれていませんが一番有名なフレーズは、

And so, my fellow Americans: ask not what your country can do for you

Ask what you can do for your country.

「ですから、わが同胞のアメリカ人の皆さん、あなたの国が何をしてくれるかを尋ねるのではなく、あなたが国のために何ができるかを尋ねてください」

Jfk_2 この演説草稿はケネディ自身が書いたわけではありませんが、ケネディの演説は今でも聴く人の心に響きます。写真(いずれも1990年頃に撮影)はワシントンにあるケネディの墓とケネディが暗殺されたダラスの教科書倉庫です。7階建てビルの6階右端からオズワルドによってライフルで狙撃されたとされます。長年立ち入りが禁止されていましたが、20年ほど前からこの事件に関する博物館(The Sixth Floor)として一般に公開されています。 

英語で印象に残る言葉がもうひとつあります。「傲慢な」と言う意味のarrogantです。「尊大な」あるいは「おうへいな」の日本語にも対応します。アメリカで仕事をしていた時に、アメリカ人幹部社員の一人が競合する他社を表現する言葉として用いたのです。意味は知っていましたが、アメリカ人の口からこの言葉が出たことが意外だったのです。

6th_floor_4 多かれ少なかれアメリカのビジネスマンはみな尊大だと思っていましたし、その有能な社員がいい意味で尊大、つまり挑戦的(aggressive)であるところを買っていたのです。アメリカにおいても顧客や世間から傲慢と見られることはやはり致命的なことでした。

 

最近の日本ではアメリカ的な考えが良いとする風潮がありますが、尊大さはいつか付けが回って来ることを最近のいくつかの事例が示しているようです。アメリカに限らず、傲慢さから発せられる言葉は害毒を撒き散らします。「どこがいけないのか?」と開き直るなどは、それ以前の問題で、大変に見苦しいことだと思います。

言葉は生きていることと、自らが発した言葉は自らに戻ってくることを、あらためて自戒しました。

|

« 江戸太神楽 | トップページ | 芝から芝浦へ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/146335/16432777

この記事へのトラックバック一覧です: 雑記をもうひとつ: 嘘は罪:

« 江戸太神楽 | トップページ | 芝から芝浦へ »