丹後半島のドライブ旅と城崎温泉(前編)
京都市西京区の沓掛ICから京都縦貫自動車道に入って早朝のドライブを楽しみました。亀岡ICから先は対面通行になります。山間部になる八木東ICまでの区間は霧が多いことで知られますが、この朝も幸先よく濃い霧が立ち込めていました。ここ南丹市八木町は「男前とうふ」で全国的に有名です。京丹波町に入ると縦貫自動車道は一旦途切れますので丹波ICで国道9号に入り、蒲生(こもの)の交差点で国道27号にそれました。信号機がほとんどない由良川沿いの快適なドライブコースです。
綾部安国寺ICから丹波綾部道路に入りました。こちらも対面通行ですが、走行する車が少ないのでトンネルを抜けるたびに切り変わるスライド写真のような紅葉を見ながら20分ほど走ると宮津天橋立ICです。この先も高速道路の工事が行われています。府道9号と同2号で天橋立に向かう途中、急に強い雨が降り始めました。
宮津市の阿蘇海と宮津湾を隔てて伸びる砂洲が日本三景の一つ「天橋立」です。初めて訪れる同行者を案内して天橋立ビューランドの飛龍観で定番の股覗きをするつもりでしたが、小降りになったとはいえ視界が悪そうなので知恩寺(日本三文殊の一つ)に参拝したあとは砂州を歩くことにしました。知恩寺の多宝塔は国指定の重要文化財です。
小雨が降っているにもかかわらず砂州を往復する駅伝が行われています。
有名な廻旋橋(小天橋)、与謝野夫妻の歌碑、岩見重太郎の仇討ち碑、橋立明神、昭和天皇御手植の松など名前が付けられた松をみながら砂州の中ほどまで歩きました。天橋立には約7000本の黒松が植えられているのだそうです。
廻旋橋近くの対橋楼に立ち寄り湯の案内がありました。天橋立では平成11年に温泉が掘削され、駅横に外湯・智恵の湯が最近出来たようです。雨が一時止んだ駐車場から虹が見えました。[衛星写真]
岩滝町から国道178号を海岸線に沿って北上すると外海に近い伊根町(宮津市)に入りました。町役場を過ぎた伊根港にある舟屋(ふなや)を訪れるのが今回の旅の目的です。舟屋は1階に舟を格納するスペースがある家のことです。
そして伊根港は高倉健さんが主演した映画「夜叉」(訂正; 正しくはNHKの朝の連ドラ「ええにょうぼ」)の舞台です。一度訪れてみたいと思っていました。亀島と呼ばれる岬と青島に囲まれた漁港です。舟屋の里公園から港を取り巻くように建ち並んだ舟屋群と美しい景色が眺められました。
ついで伊根町本庄浜にある宇良神社(浦嶋神社)にも立ち寄りました。浦島伝説ゆかりの神社として知られます。私の好きな松本清張の推理小説「Dの複合」を思い出しました。丹後半島の伝説を取材する作家が旅先で巻き込まれた不可解な事件を調べるうちに古代史と伝説に託された意外な過去に行き着くことになります。松本清張ならではの古代史を織り込んだ巧みなストーリー展開を覚えています。ユニークなタイトルの意味は読み進むうちに知ることになりました。35年ほど前のことです。
国道178号で海岸からそそり立った崖道と経ヶ岬隋道を抜けると丹後半島の北端にある経ヶ岬に到着です。レストハウス横から脇道で灯台近くの駐車場に入れます。
経ヶ岬灯台は映画「喜びも悲しみも幾年月」の舞台となった場所で、犬吠埼灯台や室戸岬灯台とともに日本三大灯台と呼ばれます。駐車場から急な階段を上ったり下りたりすると白亜の灯台があり、その先に日本海がパノラマのように広がっていました。
犬ヶ岬にも立ち寄って丹後松島の景色を楽しみました。
雨と強風の中ですが快適なドライブが続きます。丹後半島を一周した久美浜湾で国道を離れて府道11号に入りました。久美浜町の町並みを抜けている時に急に白いものが降ってきました。良く見ると大豆ほどの雹(ひょう)がボンネットで踊っていました。
久美浜から先はドライブに変化を求めて三原峠(京都府と兵庫県の境界)と飯谷峠(県道9号)を越えることにしました。九十九折が続く紅葉に包まれた山道のドライブは楽しいものです。雨のせいか擦れ違う車はほとんどありません。(続く)
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コメント
assamさん
コメントをありがとうございました。そう言えば舟屋の里公園などにNHKの朝の連ドラ「ええにょうぼ」の案内看板を見かけました。「夜叉」の方は舟屋に引っ張られた私の思い込みだったようです。
投稿: onsen-man | 2010年9月 7日 (火) 08時14分
伊根町はNHKの連ドラの舞台になりましたが、夜叉の舞台は福井県美浜町の日向と言うところです。海からの風景がとても似ています。
当時の太鼓橋はもう架け替えられましたし、湖岸に道路ができたり様変わりしてしまいました。
なつかしくて、もう一度見たい映画です。
投稿: assam | 2010年9月 7日 (火) 04時11分