年末歳時記 「今年の大賞」
流行語大賞、仮装大賞、レコード大賞など多くの大賞が毎年発表されますが本稿のテーマは経済産業省や日本機械工業連合会会などが共催するロボット大賞です。
東京・青山で開催された「今年のロボット」大賞2007展示会を見に出かけました。優れたロボットを表彰する昨年から始まった催し物です。今年の大賞は食品・医薬品を高速にハンドリングする産業用ロボットが選ばれました。展示会場で見たその迅速かつ正確な動きに圧倒されます。
その他に手術用ロボット、無軌道自律走行ロボット、消防ロボットも優秀賞を受賞しています。
私が興味を持った受賞ロボットを幾つか紹介します。まず音楽プレーヤーロボット「miuro、ミューロ」はiPodなどの携帯音楽プレーヤーを再生しながら、音楽に合わせてダンスをするユニークな形のロボットです。
教育用レゴ「マインドストームNXT」は組み立て玩具のレゴと32ビットMPU(コンピュータ)を組み込んだインテリジェントブロック、そして光・超音波・サウンド・タッチセンサーや回転センサー内蔵のインタラクティブサーボモーターで構成されます。8歳以上が対象とのことですが大人も好きな形のロボットを自作して楽しめそうです。
小型ヒューマノイド(人型)ロボット「HOAP」は身長60cm、片手で抱え上げられる小型軽量ロボットです。鉄腕アトムが現実になったようです。 関節に使われた最大40個のアクチュエーターが1msec周期で制御でき、2足歩行はもちろん、手でボールを掴み、サッカーのようにボールをキックすることもできる優れものです。運動を学習することができるそうです。CCDセンサー・マイク・スピーカ・LEDが装備され豊かな表現力を持っていると説明されていました。研究開発者向けの製品で愛玩用のロボットではないようです。
ここでロボットの歴史を振り返ってみましょう。 ロボットはチェコスロバキア(当時)の小説家チャレル・アベックが1920年に発表した小説ではじめて登場した「人の代わりをして働く自動機械」のことです。日本では誰でも知っている手塚治虫氏の「鉄腕アトム」や横山光輝氏の「鉄人28号」が50年以上前に連載漫画として登場しました。1969年に登場した「ドラえもん」は現在も人気のテレビアニメです。
これらはいずれも空想世界での存在でしたが、1980年代に入ると自動車産業などの生産ラインで溶接・組み立て・搬送作業に導入されました。会場の説明によると日本では現在40万台近くが稼動しており世界で群を抜いていますが1995年以降は景気の停滞でわずかですが減少傾向にあります。これに対して2位の北米と3位のドイツは15万台弱と急速に追い上げていますから日本も頑張って欲しいものです。
サービスや愛玩用ロボットも日本がリードしています。ホンダの「アシモ」は二足歩行ができる人型(ヒューマノイド)ロボットのパイオニアですし、ソニーの「アイボ」も愛玩用ロボットとして販売されて人気を博しました。欧米のキリスト教世界では人型ロボットに抵抗感があるのに対して、日本ではアトムに親近感を持つ人が多いことがその背景であると言われています。最近は自作ロボットのコンテスト(NHKが開催する高専と大学、アジア・世界大会など)が人気を集めており、高専のロボコン全国大会が今年もNHK総合テレビで年末に放送されました。
最新のロボットを楽しんだあとは神宮外苑絵画館前の銀杏並木を歩きました。紅葉には時期外れですが昼の休憩時間に散歩を楽しんだりベンチで休憩する人がいました。
昨年はちょうど良い時期に撮影ができました。(下の写真)
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