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2008年9月12日 (金)

奥の細道擬紀行(その8) 山寺から天童温泉へ

県道5号(山形南陽線)と国道458号を北上、週末に「いもに会」が開催される山形市を抜けて天童市に入り、県道24号(天童寒河江線)と19号(山形山寺線)で「山寺」、正式名称は宝珠山阿所川院立石寺(りっしゃくじ)、へ向かいました。途中で芭蕉も歩いた山寺街道と合流すると県道19号は山形市に入りました。この山寺は芭蕉が代表句「閑さや 岩にしみ入 蝉の声」を詠んだ場所です。石段を登った本堂(根本中堂)の正面左手に芭蕉の像と句碑がありました。

 

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山上の奥の院までは長い階段が続きました。「岩にしみ入(いる)」は凝灰岩の表面に出来た多数の風化穴による音響効果を表したものだそうです。

 

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雨が近いせいか蒸し暑くて汗が流れます。ご利益を期待しながら有名な「おびんずるさま」の頭を摩(さす)りました。

 

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奥の院(如法堂)まで1015段あり所要時間はおよそ1時間です。奥の院の左隣の大仏殿には金色に輝く阿弥陀如来像が安置されています。山上には5つの寺が建っています。三重小搭に立ち寄ったあと、納経堂と開山堂(岩の先端に建つ)の間を抜け五大閣で風に吹かれながら景観を楽しみました。五大閣は正徳4年(1714年)に再建された舞台造りのお堂です。その先は修行地として立ち入りが出来ません。

 

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眼下に見える県道62号(仙台山寺線)を東進して宮城県との県境にある二口峠(ふたくちとうげ)を二口林道で越えると2年前に訪れた秋保(あきう)大滝と秋保温泉に至ります。その時は大滝の先が通行止めでした。

 

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山形県側も山寺の先は一般車両の通行が出来ないようですが、もし可能ならば標高900mの二口峠を越えてみたいものです。通常は南の国道286号や山形自動車道、あるいは北の国道48号(関山街道、作並街道)の幹線道路を通行します。作並街道では渋滞の最後尾を確認しようと愚かにも作並温泉の西まで走ったことがありました。

   

山寺での汗を流すために日帰り温泉「天童最上川温泉ゆぴあ」に立ち寄ることにしました。県道24号で天童市に戻り、県道20号(山形羽入線)が県道23号(天童大江線)と交差する少し手前、最上川河畔に近い藤内新田にありました。第三セクターによる経営ですから入浴料も300円と格安です。泉質はナトリウム・塩化物温泉(食塩泉)で切り傷、火傷、慢性皮膚病、筋肉痛などに効能があるそうです。この日の男湯は「あさぎり」でした。大きな露天風呂は目隠しがありますから最上川は良く見えませんが開放感は十分です。内湯も大きな窓で開放感を演出しています。シャンプーやボティソープが備え付けられているのは有り難いです。外に出ると雲がかかった葉山(はやま、1462m)は辛うじて見えましたが古くから山岳修験の山として知られる出羽三山(月山、羽黒山、湯殿山)のひとつである月山(がっさん、1984m)は残念ながら雲の中でした。

 

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露天風呂に入っている時に雨粒が落ちてきましたので、尾花沢辺りまで行く予定を変更して天童市内に泊まることに決めました。会津市の飯盛山と山形市の山寺で時間を多めに要したことと、雨になりそうですから、止むを得ない決断です。晴れ男の神通力も今日はここまでのようです。

 

夕食は山形名物板蕎麦の老舗「水車生そば」に出掛けました。私は「元祖 いたそば」、同行者は「天ざるそば」を注文しました。「いたそば」は2人前以上のボリュームに驚かされました。店内は天童市らしく障子のさんにも将棋の駒がはめ込まれています。(続く)

 

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