国立新美術館
東京メトロ千代田線の乃木坂駅で下車しました。6番口を出ると国立新美術館の構内に導かれます。ロゴが「薪」の字に見えましたが「新」をデフォルメしたものでした。板張りのエントランスの先に西入口が見えます。他の美術館のように自前のコレクションを持たず、展示会や教育普及プログラムを開催したり、美術に関する情報や資料を公開する施設です。1階から3階まで国内最大級の展示スペース(10箇所の展示場、計1万4000平米)があるそうです。ちなみに午前10時から午後6時まで開館(毎週火曜日は休館)しています。
平成18年に完成した斬新な建物は黒川紀章氏の設計によるものです。けれんみのない外部庭園を散策しながら建物の外観を鑑賞しました。正門方向から見ると良く分かりますが大きな波をイメージしたという曲線的なガラス製の外壁は周囲の環境に溶け込むガラス細工のようです。日射熱と紫外線を遮断する省エネ設計になっているそうです。
館内を1階から順に見て回りました。3月2日まで日本画家の加山又造展(入場料5250円)が開催されています。この日(2月16日)が最終日の新槐樹社展・立軌展・全日本アートサロン絵画大賞展も盛況でした。エスカレータで2階へ上がると日本書作院展とあきつ会書道展がありました。前者の会場に入ると漢詩を独特の書体で表現した書が3つの会場にまたがって多数展示されています。この分野に疎(うと)い私にはいずれもよく似た書に見えました。
次いで3階にも足を伸ばしました。日本中国水墨画合同展は水墨画を通して国際交流を目的とする日本中国水墨交流協会が開催する展示会(入場料500円)です。水墨画と言っても私が想像したものとは大分異なっていました。日本画のように色付けされたものや、まるで版画かと思うほど写実的なものが多いことに驚かされました。
私と同行者が気に入った作品を数点紹介します。
「露吟香」(曽勤作) 「芽ばえ」(田中玉弘作)
「融雪の川」(馬氏作) 「樹大招風」(顧哲剛作)
「八鮮」(王小愛作) 「カラス」(小学生 木村紗英子作)
昼にはまだ時間がありましたが同じ3階のレストラン「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」へ向かいました。ミシュランの三ツ星を長年獲得しているリオン市近郊のフランス料理店が日本を代表するシェフの平松宏之氏と協力して出店したブラッスリー(フランス風居酒屋)です。巨大な逆円錐形の最上部にあり、空中に浮かんでいるようにも見えます。順番を待つ長い列ができていました。残念ですがまたの機会にしましょう。
国立新美術館は六本木ヒルズの森美術館と東京ミッドタウンのサントリー美術館とともに六本木アート・トライアングルを構成しています。当ブログでは個別に紹介していますが、六本木・赤坂のこのトライアングルを巡るアート散歩も面白いでしょう。
<同行者のコメント> 水墨画の「八鮮」がユーモラスでよかったです。レストランで女性客が並んでいるのを見た旦那さまはそそくさと歩きはじめました。ランチはいつになるのでしょうか? 今日も心配です。
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