富士山登山: 強風でカメラが・・・
夜中の12時になるのを待って出発の準備を始めました。手洗いのあとに歯磨きをしようとすると「飲み水ではありませんから口に入れない方が良いですよ」と親切にアドバイスしてくださる方があって歯磨きを諦めました。後で考えるとペットボトルの水で口を漱(すす)げば良かったのかもしれません。防寒着に着替えた頃に電灯が点灯しました。昨日悩まされた微熱と身体のだるさはほとんど感じません。バッファリンの効果があったようです。帰宅後に調べるとバッファリンは軽度の高山病にも効果があるようです。
午前1時半です。御来光にはまだたっぷり余裕はありますが昨年以上の渋滞を考えて外に出ると富士吉田市の夜景が見えます。しかし強い風に吹き飛ばされた霧雨が顔を打つのが感じられました。本八合目江戸屋の前を抜けて九合目に向います。
昨年は懐中電灯を持参しましたが手が塞(ふさ)がって不便をしましたので今年はヘッドライトを持参しました。LEDを使う最新型で単三乾電池3本で約40時間使用できる点と光のビームが絞られているのが特徴です。
登山者の列に従ってゾロゾロと歩きます。8合5勺を過ぎるとほどなく九合目の鳥居が見えました。この頃から霧雨が降ってきたため写真に白いスポットが出てしまいました。
その先の岩場は登山レーンと追い越しレーンの2列に交通整理されていました。体調の回復した私は迷わず追い越しレーンを快調に進みました。そのお陰で大渋滞にも係わらず2時間半で山頂に到着しました。
御来光までまだ1時間近くありますが頂上の山小屋街はすでに大変な混雑です。山小屋に入る人と御来光を見るスポットへ向う人達が交錯してまるで繁華街を歩くようです。山小屋街抜けると須走り口頂上を通過しました。遮るものがない山頂を強烈な風が吹き抜けています。一歩一歩踏みしめながら朝日岳へ向いました。
東の空が薄明るくなってきました。今年も御来光を拝(おが)むことができそうです。昨年の場所より数メートル下がった場所を選びました。少しでも風の弱いスポットを期待して移動したのですが無駄な努力でした。三脚をセットして撮影の準備は完了しましたが強風に晒(さら)されていると急いで登ったことで温まった身体が急激に冷えて行くのが感じられます。そして指先が悴(かじか)んできました。
登頂した時に外した軍手をはめ直していると強風に煽(あお)られた三脚がカメラ(FinePix F30)と一緒に転倒してしまったのです。鈍(にぶ)い音がしたようです。慌(あわ)てて三脚を起こしました。大きな損傷はなくディスプレイも表示されていますが、念のため動作を確認をすると何か変なのです。ディスプレイには「ズームアラーム」と赤字で表示されています。ズームボタンを押してもまったく反応しません。良く確認すると2段に伸びたレンズ筒が変な角度に折れ曲がっていました。
どうも1段目と2段目の軸がずれてしまったようです。御来光まで30分に迫っています。指先で軽く押してもビクともしません。撮影を諦めたくはありませんので意を決っして念力を送りながら力を入れると僅か動いたように感じました。もう一度やってみると確かに動きます。何度も繰り返しているとレンズ筒が自動的に本体内に収納されました。ズームボタンを押すと正常に動作します。もちろんアラーム表示も消えていました。
二度と飛ばされないようにカメラのストラップを握って御来光を待ちました。寒さが身に沁みます。もう一枚重ね着したいところですが・・・。地平線から太陽の上端が姿を現すと「出た~!」との声が聞こえ、私は待ってましたと何度もシャッターを押しました。
太陽がすっかり姿を現しましたので撮影は一段落です。周囲を見回すといつの間にか大変な人だかりが出来ていました。
御来光を無事に撮影できた安堵の気持ちに包まれて下山道へと向かう途中に火口を覗くと残雪は昨年よりも多いようです。
朝日岳から下りると混雑する山小屋の店先に大きな雪の塊を見つけました。
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