仏の顔は何度?
昔、お釈迦様が生まれた釈迦国の隣にコーサラと言う強大な国がありました。お釈迦様を尊敬するこの国の王からの申し出に対して釈迦国の王は非礼(その詳細は省略)をもって対応したため、後年その非礼を知った王子が王となった時に釈迦国を滅ぼそうと出兵しました。これを聞いたお釈迦様は街道の枯れ木の下で座禅をしてコーサラ国王の兵を待ちます。その姿を見た王は「なぜ茂った木の下ではなく枯れ木なのですか?」と問うと、お釈迦様は「枯れ木でも親族の陰は涼しいのです」と答えて自分も釈迦国の出身であることを暗に伝えたのです。王は撤兵します。しかし怒りが収まらない王は再度出兵するとお釈迦様はまったく同じ行動を取ります。これが三度続きました。そしてお釈迦様はそれが釈迦国の因縁(運命)であると悟った(諦めた)ことで、四度目にはお釈迦様の姿がなく、コーサラの王は釈迦国を滅ぼしました。
この出来事から生まれたのが「仏の顔も三度」です。どんなにおとなしい、情け深い人も、たびたび無法なことをされれば、ついに怒る、の意味(岩波国語辞典)に使われます。いかに慈悲深い仏様と言えどもその顔を三度も撫(な)でられれば腹を立てるの意味とする辞書もあります。ちなみに「仏の顔も三度まで」の表現は正しくないとされますが、言葉の由来を考えると、あながち間違いとは言えないと思います。しかしお釈迦様は、三度で諦めたのであって、決して怒ったわけではありません。
この3週間は政権交代のニュース報道で持ち切りです。総理大臣が猫の目のように3度も交代したことが要因のひとつであったと報道されています。この諺通りにおとなしい国民がついに怒ったのでしょう。あるいは因縁としてこれまでの政権政党を諦めた(見放した)のかも知れません。
わが家にも「仏の顔も三度」がありました。昨日(9月18日)、三洋電機がドラム式洗濯乾燥機の再リコールを発表したのです。三度の無償点検・修理(リコール)後も発火事故が続き、4回目(実質的には5回目)のリコールに。その対象である9機種の約28万台のうち、4機種の約16万6千台は、部品交換などでは対応できないため、同等の新製品と交換するとしています。
わが家の洗濯機もまさにその4機種のひとつでした。これまで火災が怖いからと乾燥機能を使わないでいた同居者には朗報ですが、交換されるのは来年3月までの予定とのことですから、当分はこれまで通りの不便が続きます。ここで思いました。日本の消費者は信じられないほど忍耐強いようで5度目のリコールが発表されるまで訴訟や不買運動があったとは聞きません。5度目の顔とはまさに仏様以上の慈悲深さです。
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