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2010年1月14日 (木)

富士山で奇蹟を祈る(その1): 日出づる里(高下)

埼玉の城跡巡りの長文記事を書いていると好天が続く三連休も最終日、下り坂になるとの天気予報を聞きました。そこで連休明けの予定を繰り上げて次のドライブ旅に出かけることにします。今回のテーマは「ダイヤモンド富士」、天気の影響をもろに受ける自然現象ですから、早朝の空模様を気に掛けながらの決行です。これには私なりの理由がありますがそれは後で説明しましょう。

久しぶりの「七つ立ち」です。中央自動車道の双葉JCTから中部横断自動車道に入りました。現状の終点である増穂ICを出て国道52号(富士川街道)から県道406号の山道に入り、およそ20分(5-6㎞)で目的地に到着。予定した午前6時半を数分過ぎたところで時間の余裕は十分ありますがすでに車が2台停まっています。ここは増穂(ますほ)町高下(たかおり)にある関東の富士見百景に選ばれた「日出づる里(高下)」、山の傾斜地に造られた道路脇の細長いテラス(盛り土)です。

灯りが点在する増穂町の夜景から白み始めた東南方向に目を転じると、横に流れる低い雲の上に富士山の環雪部が浮かんでいます。このまま日の出を迎えればダイヤモンド富士が見られるのは間違いありません。

 

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地平線近くの雲が徐々に赤味を帯びてきました。三脚にセットしたカメラを十分チェック、あとはシャッターを押すだけと期待しながらその時を待ちました。この朝は富士山頂でカメラが三脚ごと転倒したような強風もありません。

 

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7時になると低い雲の小さな切れ間から朝日の強い光が漏れてきました。いよいよそのチャンス到来です。ブレ防止のためセルフタイマーの撮影モードにセット。

 

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ところがいつもの日の出とは何かが違うのです。低い雲の上に出た彩光が空一杯に広がらないのです。辛抱強く待ちます。そして太陽が現われました。しかしベールに包まれたよう。富士山頂ははっきり見えるのですがその後ろに薄い雲があるため、山頂近くで輝く太陽は肉眼でも見続けられるほど鈍い輝きで、まるで「おぼろ月」のよう。そして7時半頃には富士山の手前、雨ヶ岳(標高1772m)付近に薄い雲が広がって何とも冴えないダイヤモンド富士になってしまいました。富士山の山頂部がクリアーに見えたことで気を緩めて(念力を弱めて)しまったのが原因かもしれません。残念です。

 

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ここで解説です。太陽が富士山の頂上中央部に重なった状態をダイヤモンド富士と呼びます。朝日と夕日、一日2回の可能性があります。地軸の傾きのため、太陽が地平線を出る方角は夏至の頃に最も北に寄り、その後は方角が徐々に南に移動して冬至の頃に最も南になります。富士山の山頂とこの方角を結ぶ延長線上であればどこでもダイヤモンド富士が見られるはずです。そのうち冬至の頃に最も北の場所からダイヤモンド富士が見られる最適地が「日出づる里」なのです。大晦日と元日が正真正銘のダイヤモンド富士の位置関係でしたから、10日遅れのこの朝は「アラ還」(アラウンド還暦)ならぬ「アラ・ダイヤモンド富士」が見られることを期待したのです。

 

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「日出づる里」に隣接するように高村幸太郎の石碑が立っています。昭和17年に彫刻家で詩人の高村光太郎が馬の背にゆられてこの地を訪れたことが説明されていました。「ふりむく軒一杯の秋空に、びっくりする程大きな富士山が雪をかぶって轟くやうに眉にせまる。」と雄大な自然の美をこの地で歌ったそうです。左の文学碑には、私は読めませんでしたが、光太郎の直筆で「うつくしきものミ(満)つ」と書かれているようです。うつくしきものミつとは美しいものが3つあるということで、一つ目は富士山、二つ目は柚子、三つ目は住んでいる人の心の清らかさ、と言われます。(増穂町のhpによる)

 

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さらに道を進むと駐車場付きの大きなテラスがありました。「日出づる里農村公園」でこちらにもダイヤモンド富士を撮影する人の車が停まっています。機材を片付けているようです。一帯に柚子が実っていることに気付きました。そう言えば下の交差点で「ゆずの里」の看板を見かけました。県道406号の終点を確かめるために坂道を上ると三叉路の左手に「林道立石清水線起点」の標識があります。増穂町高下地区から鰍沢町(かじかざわちょう)十谷(じゅっこく)地区へと抜ける延長約4.3kmの林道です。

 

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右手に入るのは町営赤石高下林道で赤石地区まで約3km続くようです。(続く)

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