南房総の花と灯台(外房編Ⅱ) 布良港から野島崎へ
パソコンのトラブルでデータを失う被害を2度経験(本体とハードディスク)した私はデータを二重にバックアップしていますから、他のパソコンを使って当ブログへ記事を投稿することは何でもないことでした。何も投稿を中断する必要はなかったと思いながら12日ぶりに「南房総のドライブ旅」の記事に戻ります。
以前、立ち寄ったことがある南房パラダイスを通りすぎた相浜交差点で国道410号(房総フラワーライン)に入り、「布良鼻灯台」を求めて布良(めら)港に向いました。すでに廃止された灯台ですがその形だけでも見られないかと思ったのです。
港周辺の狭い道を何度も走り回りましたが灯台の姿は見つかりません。ちょうど通り掛かったご婦人に布良鼻灯台のことを訪ねると、「以前は山の上にあったが、GPSが使われるようになったため、海上保安庁が廃止してしまったので今はない」と教えて下さいました。かなり詳しいことをご存知ですから漁師のお宅の方かも知れません。国道410号に戻ってこの辺りかなと適当に写真を撮りました。帰宅後に調べると写真に写る3つの小山のうち中央の小山(立ち木が低くなった場所)に布良鼻灯台があったようです。
国道410号に戻って館山市と南房総市の境界にあるヘアピンカーブを過ぎた白浜フラワーパークに立ち寄りました。ポピーやキンギョソウが満開、ストック、キンセンカ、水仙、パンジー、マーガレット、菜の花なども楽しめました。
売店で買った菜の花ソフトクリームはあっさりした甘味が美味しい。
白浜フラワーパークを過ぎると道は平坦になって白浜町の市街地に差し掛かり、前方に「野島埼灯台」が見えてきました。南房総を代表する白亜の八角形をしたこの大型灯台は観音埼灯台に次いで2番目に古い煉瓦(れんが)造の洋式灯台(関東大震災後に改築された地上高約29m)。これまで何度も立ち寄っています。
見慣れた一直線の道で灯台に向い、灯台の手前から少しそれた遊歩道を歩きました。
房総半島最南端の碑の近くにある「最南端の石」(南アフリカ産)はエジプトのピラミッドに使われた平均的な石とほぼ同じ重量(28トン)があると説明されています。
後方にそびえる野島埼灯台の両側には野島埼無線方位信号所とエアサイレン式の霧笛(むてき)舎が並んでいます。
前者は船舶や漁船が正確な方位を測定できるレーダー(レーマークビーコン、9GHz帯1.2W)で、船舶用気象通報(中波放送)も付属しています。後者は霧信号所のこと。霧や雨などで視界が悪い時に船舶に対し音で信号所の方位を知らせるもので、音の鳴り方(断続)でどの信号所であるかが識別できたのだそうです。GPSの普及によって残っていた5箇所の霧笛が3月末に廃止されたことをニュースが伝えました。ちなみにここ野島埼の霧笛は15年ほど前に廃止されています。
霧笛で思い出すのはカートを運転中に事故死した赤木圭一郎さんが主演した映画「霧笛が俺を呼んでいる」(1960年)で同名の主題歌を歌っていました。マドロス(オランダ語で船乗りのこと)が人気を集めた時代です。朝日と夕日が見えるベンチ(房総最南端のベンチ)はロマンチックなスポットですが朝夕には混雑しそうです。
マニアックな情報です。霧笛舎のホーン横にアマチュア無線のHF(短波)用グランドプレーンアンテナ(ブラウンアンテナ)に似たものに鳥がとまっているのが見えました。
これも調べてみると海洋短波レーダー表層潮流観測システム(通称はHFレーダー、短波レーダー)のアンテナでした。電波の分野に詳しいと思っていた私ですがその存在を知りませんでした。八丈島にある同様の設備とセットになって海流の動きを計測できる優れものです。周波数は5MHz帯で15kHzの幅で周波数を変化させた垂直偏波の電波が海面の波(回折格子となる)によって散乱されたものを受信してドプラー効果をコンピュータで解析(表層波と潮流のベクトルを分離するため2地点から送信された電波の散乱波を合成)するのだそうです。周波数を変化させる幅を大きくすれば観測精度(5MHz帯では30m長の波を観測可能)が上がるはずです。大学など他の機関のシステムを含めると全国に10数ヶ所あるようです。なおこのシステムで測定された現在の海流の様子を知りたい方は海上保安庁のhpを参照してください。(続く)
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