横浜散策 中華街
昨年5月に再オープンしたマリンタワーをビル越しに見ながら、横浜天主堂跡を経て、中華街東門まで歩きました。灯台の使命を終えて閉鎖されていましたが、赤と白のグラデーションで鮮やかに塗リ分けられたタワーは、多目的施設としての再オープン。シルバー((側はブラウンオリーブ)に変わってすっきりした印象です。
29階の展望台には東京タワーやニュージーランド・オークランドのスカイタワーと同様に下をのぞくガラス窓があるそうですから、そのうちに機会があれば訪れてみたいと思います。
中華街の東門近くに横浜天主堂跡の碑が建っていました。江戸時代末期にフランス人神父が居留地内に建設したカトリック教会で、明治時代後期に現在の山手町に移転してカトリック山手教会になったことが説明されています。
朝陽門(東門)を潜(くぐ)ると中華街大通りに入ります。すぐ脇には北京料理の北京飯店本館、北京ダッグを日本で広めた老舗として知られるそうです。
左側の歩道に継往開来(けいおうかいらい)のモニュメントがありました。継往開来とは「過去を継承し未来を開く」という意味で、未来を切り開く斧をイメージして作られたそうです。
居留地に商館を建てた欧米人は連れてきた中国人を漢字の筆談などに役立てたそうですが、後にその中国人が住み着いて料理などの仕事をするようになったと伝えられます。なかでも広東出身者が多かったために広東料理の店が四川料理や上海料理に較べて多い背景となったようです。
日中は歩行者専用となる左手の中華街大通りに入るY字路の角にユニークなデザインの山下町交番がありました。11月にみなとみらい21地区で開催される予定のAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳・閣僚会議の警備へ協力を呼びかける立て看板が目に付きました。
その右手にはド派手な看板が一際目を惹く中国料理世界チャンピオン「皇朝」(こうちょう、3号店)では一口サイズの肉まんを求める客の列が出来ています。
大きな店構えの華正楼新館、そして市場通りとの角にあるのが店先に豚肉を吊るした同発本館。
その少し先にある1884年(明治17年)創業の老舗、聘珍樓(へいちんろう)横浜本店でミストシャワーを楽しみました。
早めの夕食は店選びに迷った末、以前利用して気に入った広東料理の同発別館を選びました。それほど片苦しくない店構えと客室の落ち着いた雰囲気、何といっても美味しい料理が良いのです。ちなみに中華街大通りには同発本館(明治時代創業の焼き物の店)と同発新館(改築工事中)もあります。
ロビー脇にある待合室には見事な貝の象眼(ぞうがん)が施された茶卓、椅子(いす)、長椅子のセットが置かれていました。
なかでも高い背もたれのある椅子は竜の精緻なカービング細工と座る部分の象眼細工がすばらしくてそれに座ることはためらわれます。
席に案内されました。私は大好きな鮮蝦雲呑麺(香港式えびわんたん麺)、同行者は什錦香炒麺(五目焼きそば)をを選びました。
前者は香港式麺の食感とさっぱりしたスープが見事にマッチして期待通りの美味しさです。
後者も固焼きそばに絶妙の味付けをされた魚介の具の組み合わせでした。同行者はさっぱりした杏仁凍豆腐(あんにんどうふ)にも満足しているようです。
中華街で日が傾いてきました。横浜の散策を楽しんだことでなぜか歌が浮かんできます。最初はマルシアさんの「ふりむけばヨコハマ」、次いで五木ひろしさんの「よこはま・たそがれ」と青江三奈さんの「伊勢佐木町ブルース」、ちあきなおみさんの「港が見える丘」、石原裕次郎さんの「よこはま物語」「夜霧よ今夜も有難う」、美空ひばりさんの「港町十三番地」(横浜をイメージした歌ですがタイトルの港町は川崎市)、カラオケの十八番である中村雅俊さんの「恋人も濡れる街角」、さらに横浜の歌を代表するいしだあゆみさんの「ブルー・ライト・ヨコハマ」。横浜にちなんだ歌のトリとしてフランク永井さんの「夜霧の第二国道」を口ずさみながら歌とは逆方向の家路に着きました。
<同行者のコメント> 本当に珍しいことです。旦那さまが横浜の繁華街に連れて行ってくれるなんて。元町ではウィンドウショッピングだけでなく、ゆっくり買い物をするつもりでしたが・・。中華街で食べた料理がとても美味しかったことと、お土産に買った甘栗はたっぷりおまけしてもらったことが嬉しかったです。帰り道に旦那さまの足取りが軽かったのはやはり歌のせいだったのですね。□
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