大川・中之島の橋梁群(後編)
久しぶりに訪れた大阪城の京橋口です。堀端(ほりばた)の写真だけでは寂(さみ)しいので探してみると古い歌を見つけました。三橋美智也さんが歌った「あゝ大阪城」(昭和35年)です。「あゝ新選組」(昭和30年)と「あゝ田原坂」(昭和31年)なら知っていましたが・・・。いずれにしても『あゝ』で始まるタイトルに昭和30年代を感じます。
西外堀に面した乾櫓(いぬいやぐら、国の重要文化財)から大手門方面を望みました。
遠くに千貫櫓(せんがんやぐら)と大手門(いずれも国の重要文化財)が見えます。
西外堀ではホシハジロ(星羽白)など多数の鴨(かも)が羽を休めていました。頭が赤くて羽が白いのはオスで、全身がほぼ褐色(白い羽が混じっている)で地味な方がメスのようです。
京橋に戻ると寝屋川橋東詰め交差点側に京橋川魚市場跡の石柱を見つけました。『江戸幕府により大阪で独占的に川魚を扱うことを公認された市場でしたが、明治末期に中之島6丁目付近に移転した』との解説が大阪市教育委員会の説明板にありました。
土佐堀通りを片町橋(橋長66m)まで歩きました。旧陸軍砲兵工廠(こうしょう)の跡地に造られた大阪ビジネスパーク(OBP)を貫通する道路が寝屋川を渡る交通量の多い橋です。右前方のオフィスビルはクリスタルタワー(地上37階、朝日新聞系の会社が建主)、前方の丸い建物はMID都市開発(旧パナソニックグループで現在は関西電力グループ会社)の松下IMPビル(多目的の松下IMPホール)。ちなみにIMPはインターナショナル・マーケット・プレイスの略で、ビル名には未だ松下の名前が残っています。
水上バスが京橋から第二寝屋川方面へ向かっています。
右前方のクリスタルタワーの脇から大阪城の天守閣が近くに見えました。
左手(上流方向)に長く伸びる橋は大阪ビジネスパークと京橋駅を結ぶ人道橋です。左手の40階建て高層マンションはリバーカントリーガーデン京橋、右手前はOBPパナソニックタワーです。
クリスタルタワーを回り込むように歩くと新鴫野橋(しんしぎのはし)が第二寝屋川に架かっています。
正面に大阪城の天守閣が聳(そび)えています。橋の袂(たもと)の大きな石に『江戸時代に公儀橋であった鴫野橋が架かっていたところとほぼ同じ位置に1988年(昭和63)に架け替えられた』ことが詳(くわ)しく刻(きざ)まれていました。
大阪ビジネスパークを背景にした水上バス(京阪グループの遊覧船)
シンプルな反橋(そりばし)の大阪城新橋(橋長63m)
大阪城ホール側から見た大阪城新橋は車の進入を防ぐためか入口が狭くなって階段も付いています。昭和58年に開催された大阪城築城400年祭のために架けられた橋は京橋駅から祭りの主要会場であった大阪城公園へ至るアクセス路でした。
大阪城新橋から先ほど渡った新鴫野橋を望みました。
上流側には天王寺と京橋駅付近を結ぶ主要道路の玉造筋(たまつくりすじ)が第二寝屋川(平野川)を渡る弁天橋(橋長66.4m)と水上バスの大阪城乗り場が間近に見えます。「アクアライナー」と呼ばれる遊覧コースは『大阪城港→天満橋港→淀屋橋港→OAP(桜宮橋近くの大阪アメニティパーク)港→大阪城港』の循環路線を約60分で一周できるそうです。今回の橋巡りは大阪城新橋が終点。満たされた気持ちで仕事先へ向かいました。
余談ですが大阪市では南北の道が「筋」、東西の道が「通り」と呼ばれています。江戸時代に入って開削(かいさく)された安治川(あじがわ)・東横堀川・西横堀川・道頓堀川(どうとんぼりがわ)に囲まれた船場(せんば)エリアで碁盤(ごばん)の目状の町造りが行われたことの名残りで、前者としては現在でも御堂筋(みどうすじ)・心斎橋筋(しんさいばしすじ)・谷町筋・堺筋など20本ほどがあるようです。ちなみに御堂筋の名の由来は北御堂(浄土真宗本願寺派津村別院)と南御堂(浄土真宗大谷派難波別院)がいずれも沿道(地下鉄御堂筋線本町駅周辺)にあることに依ります。(続く)
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