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2012年3月20日 (火)

名古屋の郷土料理と名古屋弁

何事にも執着(しゅうちゃく)する性癖(せいへき)がある私は、つい先日訪れたばかりの名古屋へまた出掛けて、再びきしめんを楽しみました。ちなみに「きしめん」の名は、雉(きじ)麺や紀州麺がなまったもの、棋士(きし)が好んで食べた碁石型の棊子(きし)麺が由来であるなどの諸説があるようです。

2012_03160010_2 今回はもちろん心積もりしていた一番シンプルなメニューの「きしめん」(350円)を選びました。油揚(あぶらあ)げと刻(きざ)みネギをトッピングして削り節を振りかけたもので、前回食べた「かき揚げ玉子入りきしめん」に比べると見た目はシンプルですが、鰹風味(かつおふうみ)の出汁(だし)ときしめんは同じで、これぞ「きしめん」というシンプルさと美味しさを兼ね備えた逸品(いっぴん)です。まさに『どえりゃ~うみゃ~』のです。『どえりゃあうみゃあ』の方が本場の名古屋弁に近い発音表記かも知れません。若者は今風にこれを縮めて「デラウマ」とも言うようです。

2012_03160012名古屋弁で「きしめん」の味を褒(ほ)めたついでに、名古屋弁についても書きたくなりました。タモリさんが昔テレビ番組で名古屋弁は『ギャ~ギャ~、ミャ~ミャ~』と猫みたいにウルサイと言ったことで、名古屋弁の特徴が全国で知られるようになりましたが、各地方の方言に興味を持つ私にはかなり誇張(こちょう)があるように思われます。語尾は『ギャ~』ではなく『ガヤ』の方が一般的のようですし、『ミャ~』は『行こみゃ~か』(行こうか)などで限定的に使われます。しかしエビフライはもちろん『えびふりゃあ』です。(写真はカウンター内に積まれた各種トッピング)

2007_05140039 代表的な名古屋弁には『たわけ』あるいは『た~けっ』(馬鹿の意、田分けが語源と言われる)があります。時代劇で信長が家臣に向かってよく使いますから聞いたことはあるでしょう。現代では、『たわけだわ~』(馬鹿だね)と言うのでしょう。『とろくせぁあ』も愚(おろ)かの意味があります。『そんな、とろくせぁあこと、いっとったらあかんわ~』(そんなバカなことを言ったら駄目だ)と使えます。最後の『わ~』ですが、東京弁の『わ』が女性言葉であるのに対して、名古屋弁では男女とも使います。そして語尾を独特の抑揚(よくよう)を付けて伸ばすのが特徴です。(写真は5年前に清須城で撮影した信長の人形)

『やっとかめ』(久しぶり)は八十日目が語源とされます。『やっとかめだわ~』と言うことができれば名古屋弁の中級者と言えそうです。『してまう』(してしまう)、『してかん』(してはいけない)も難しい表現です。前者は真ん中の『し』が省略されているだけですから分かり易いと思いますが、後者はちょっと説明が必要でしょう。『したらあかん』と言い換えれば関西風になり、何となく意味が分かるでしょう。『しとる』(している)と『したる』(してやる)も同様です。

否定を意味する語尾には『へん』と『せん』や『ん』があります。また、たくさん(沢山)は『ぎょうさん』(仰山)、安心は『あんき』(安気)、具合良くは『あんばよう』(塩梅良く)、苦労するは『おうじょうこく』(往生こく)、考えるは『かんこう』(勘考)、いい加減は『たいがい』(大概)などと古い言葉がそのまま使われていることが多いようです。

上級コースの言葉には『おそぎゃあ』(恐ろしい)、『かしわ』(黄鶏、西日本で鶏肉のことを言う)、『けなるい』(羨ましい)、『こぎる』(値切る)、『こそばい』(くすぐったい)、『だだくさ』(無駄遣い)、『ちゃっと』(すぐに)、『ちょうすいとる』(威張っている]、『どべ』(ビリ)、『ねぶる』(舐める)、『ほかる』(捨てる)、『まぁひゃあ』(もうすぐ)、『もうや~こ』(共同・共有)などの言葉を覚えれば、ボキャブラリー(語彙)ではもうネイティブ(生粋)の名古屋人並みと言えるでしょう。そうそう、書き忘れるところでした。名古屋弁は『形容詞の連用形+なる』で『く』を省略することが多いのです。例えば美しくなるは『うつくしなる』、早くなるは『はやなる』と言う具合です。若者を中心に全国で蔓延(まんえん)している「ら抜き言葉」に似ています。

さらに上のステップを目指したい方はアクセントと抑揚(よくよう)を勉強して下さい。以前はパソコン用ソフトに大阪弁や名古屋弁のお笑い講座がありましたが、最近見かけなくなったのは寂(さみ)しいことです。代用にはなりませんがYouTubeにアップされた名古屋弁講座のビデオ(サンダーバードハイジコメットさん&ビルマの竪琴ワンピースのルフィ)で紹介します。

2012_03160029 つい名古屋弁に夢中になって忘れるところでした。前回買いそびれた「手羽先」です。所用を終えたあとにJR名古屋駅のコンコースから地下街のエスカへ向かう途中、「おみやげ」(Gift Station)の看板を見掛けて立ち寄って見ました。「手羽先」が数種類売られていましたが、求める「山ちゃん」ではありません。ちなみにここで言う「山ちゃん」とはお笑い芸人の山崎亮太さんや声優の山寺宏一さんのことではありません。名古屋の手羽先では「風来坊」と並ぶブランド品です。

2012_03160034 前回も立ち寄ったエスカにある「名古屋みやげ処」へ直行しましたが、ここにも「山ちゃん」は売られていません。そこで店員さんに聞くと、『エスカレータに乗って新幹線乗り場の点前にあるマクドナルドの角を左手に入った名古屋新幹線通りの先にある』と詳しく教えてくれました。行き当りの左手前に「世界の山ちゃん」の名古屋新幹線通り店がありました。「世界の」と銘打(めいう)つのは何ごとにも控えめな名古屋では意外性があります。

2012_03160037 この店は手羽先を売るだけではなく「立呑(たちの)みコーナー」も併設されていました。売り場に並べられた手羽先には胡椒(こしょう)入りと胡椒なしがありますが、「山ちゃんの手羽先」と言えば当然胡椒入りでしょう。二人前(10本)入の「幻の手羽先」(800円)を選びました。『今日中に食べてください』とアドバイスされましたので帰宅後に早速食べるとスパイスがタップリ利いた味は強めでした。4個まで食べたところで残った分は同居者が真空ラップ(冷凍)してくれました。

2012_03160039 老婆心ながら、新幹線ホームの売店で売られている「手羽先」のほとんどはお菓子(「世界の山ちゃん」の幻の手羽先柿の種など)ですから、くれぐれも間違えないようにして下さい。今回丹念に探したところ、ホーム上とホーム下の売店で「山ちゃん」でも「風来坊」でもない手羽先を見つけましたので、真空パックされて長持ちしそうなもの(賞味期限は3カ月後)もついでに購入しました。

 
<同居者のコメント> 旦那様が好きな手羽先もいいのですが、私はもう一つのお土産「もろこの佃煮」のほうが好物です。でも関西では当たり前のものですから残念ながら名古屋の名産品とは言えませんよね。

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