浜町緑道を歩く(後編)
信号のある交差点を横断した場所にある「人形町浜町散歩」案内図には浜町緑道と直行する散歩ルート「日本橋本町深川コース」の門前仲町から新大橋と鎧橋(よろいばし)を経て兜町(かぶとちょう)付近までの一部が地図で表示されています。
ケヤキ(欅)
この先の緑道は植え込みが両側から交互にはみ出しているためジグザグに折れ曲がって見えます。
左手に人口の和流(せせらぎ)が設(しつら)えてありますが節水のためか水は流れていません。
和流は緩(ゆる)やかにカーブしながら先へと続いています。
さらに上流は渓流をイメージさせるように岩が配置されています。
ヒマラヤスギ(ヒマラヤ杉)
ハマヒサカキ(浜姫榊)
和流の反対側に「漢方医学復興之地」碑がありました。明治時代はドイツ医学を範とした医事制度が確立する一方で漢方医学が冷遇され没落していった時代でした。この地で開業した医師・和田啓十郎は衣服や食事にかかる費用を倹約し「医界之鉄椎(いかいのてっつい)」を自費出版するなど漢方医学の復興に大きな影響をもたらしましたそうです。
石で四角く囲まれた井戸のようなものがありました。ここから水が湧き出るのでしょうが、今夏は深刻な水不足ですからやむを得ません。奥には石橋が架かっています。
干上(ひあ)がった和流を振り返ってみました。
ここまでが浜町緑道ですがもう少し先へと歩くことにします。路地の向こう側に消防車が置かれていますので建物の横に出てみると、東京消防庁日本橋消防署人形町出張所であることが分かりました。
広い道路に出ました。反対側に見える建物は久松警察署です。中央区内で神田川と日本橋川に挟まれた墨田川寄り(東部)を管轄する警察署です。
久松警察署前交差点を左折すると人形町交差点まで200mほどですが、警察署の脇に緑道のようなものが伸びているようですからこの交差点を横断しました。
車止めを兼ねた大きなプランターの先には薄緑色に塗られた道が続いています。久松警察署の裏手に久松小学校(右奥の木立)がありますから、通学路として安全が確保されているのでしょう。
左手奥にあるのは中央区立久松区民館
緑色に塗られたガードレール(車止めを兼ねている)の先は普通の路地に変わりました。ここを左折して人形町交差点へ向かうことにしました。
賑(にぎ)やかな人形町交差点に到着しました。
交差点の近くに「人形町の由来」を見つけました。『人形町交差点の北側には江戸時代に歓楽街があり、歌舞伎や人形芝居小屋があったためかなりの人形師が住んでいたことが地名の由来であると』説明されています。
当ブログでは4年前に人形町の老舗料理店「玉ひで」を紹介しています。そして人形町といえば思い浮かぶのが3年前にTBSがテレビドラマ化した人気作家東野圭吾(ひがしのけいご)氏の小説「新参者」です。このテレビドラマが人形町を全国区にしたといっても過言ではないでしょう。この連続ドラマの構成の素晴らしさと主役の阿部寛さんの個性的な演技に惹(ひ)かれて毎回欠かさず見てしまいました。人形町の昔懐(なつ)かしい店舗がいくつも紹介されたことも魅力でした。
その続編とも言える小説「麒麟の翼」が昨年1月に映画化されて、1年後の今年1月にTBS系テレビ局で放送されました。「新参者」の続編ですからこちらにも期待しましたが、連続テレビドラマとは異なり約2時間の中に詰め込まれたためかストーリー展開に大雑把(おおざっぱ)な印象があり、しかも結末に違和感だけではなく虚(むな)しささえ感じました。この映画にはやや失望した私ですが、今回はその中に登場する場所を巡(めぐ)ったのです。ちなみに、「麒麟の翼」は日本橋の欄干(らんかん)中央部にある照明塔装飾品となっている翼(つばさ)を持つ麒麟(きりん)がテーマになっています。
最後に人形町交差点近くにある大観音寺に参拝しましたが、開帳日(毎月17日)ではなく、しかも時間が遅いため「鉄造菩薩頭」(都指定有形文化財)はもちろん、本尊の観音像も拝見できませんでした。そこで、友人たちとの待ち合わせ時間には少し早いのですが、この日の飲み会が開かれるレストラン「カサドール」へ向かうことにします。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント