町田市のグランベリーモールへ出掛けました。国道246号を下って町田市に入り、東名入口交差点の手前で側道にそれて国道16号へと右折し、さらに左手のニトリ脇を入ればグランベリーモールの広大な敷地脇に出ます。案内標識に従ってオアシススクエアのC立体駐車場に入りました。このグランベリーモールは4年半前に大山街道巡りをした時に立ち寄った「鶴間の一里塚」から100m足らずと至近です。
2000年にオープンした約100店舗で構成されるこのアウトレットモールは映画館とフードコートも併設されています。車でアクセスするには上述したように国道246号が便利で、駐車場は約1000台と大規模。そして電車を利用する場合は、東急・田園都市線南町田駅の南口を出ると直接(徒歩0分)グランベリーモールに入ることができます。ただし、複数の建物を結ぶ通路は解放空間になっていますから雨の日はちょっと不便かもしれません。
オアシススクエア4階の駐車場から向かったのはその2‐3階にあるシネマコンプレックス「109シネマズグランベリーモール」(スクリーン数は10面)で、9月14日から上映されている「白雪姫と鏡の女王」(字幕版)がお目当ての映画です。公開当初に予想された混雑をやり過ごしてこのタイミングを選びました。
2年前に観て面白いと思った「バイオハザードⅣ アフターライフ」の続編である「バイオハザードⅤ リトリビューション」が同時上映されているので少し迷いましたが、衣装を担当した石岡瑛子(えいこ)さんの遺作となったこの映画は外せません。
入場料はシニアが1000円、同行者もレディースデイ割引(水曜日)で同じく1000円。大人の通常料金1800円に比べてかなりお徳用です。そして駐車料金が3時間まで無料(109シネマズ利用者の2時間無料サービスを含む)であることも嬉(うれ)しいことです。
2階にある109シネマズの受付を通り過ぎて「良・席・予・約」の端末(写真左端)に向いました。ネット経由で予約すれば、受付に並ぶ必要がありませんし、好きな席を選ぶことも出来るのです。
同行者はConcesion Stand(映画館の売店を意味する米語)でハーゲンダッツのアイスクリームに続いてポップコーンとドリンクも買い込んでいます。気が付いた時にはアイスクリームが半分以下に減っていました。
入場を待つ間に同行者は3D映画「シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語」が11月に公開されると知って、そのパンフレット(棚の上段左端)をバッグに押し込んでいました。2年半前に同グループによる公演「ZED(ゼッド)」を東京ディズニーリゾートで観賞したことを覚えているようです。
この映画は「ナルニア国物語」のアンドリュー・アダムソンが監督を、「アバター」のジェームズ・キャメロンが製作を担当しているようですから期待できます。私は以前の記事で紹介した「のぼうの城」も気になります。
上映10分前になると入館の案内があり、「白雪姫と鏡の女王」が上映されるシアター4へ向いました。通路の角にあるパネルのキャッチコピー「毒リンゴには、もう騙(だま)されない。ハッピーエンドはどちらの手に」が期待を盛り上げます。
シアター4の入口にあるポスターを見ると女王が主役のようです。その手に載(の)る白雪姫はなぜかサーベル(洋剣)を構えています。「おとぎの国でバトルが始まる」とは物騒(ぶっそう)です。
館内が暗くなるとアナウンス と上映予告が延々と続きました。10月下旬に開催される第25回東京国際映画祭で上映される映画の紹介には「シルクドソレイユ3D彼方からの物語」、そして4年振りにクリント・イーストウッドがスクリーン復帰した「人生の特等席」などが続きました。
北野武監督の「アウトレイジ ビヨンド」に登場するやくざの台詞(せりふ)を捩(もじ)った注意事項がいくつも流されました。「大声を出さない」「拳銃を持ち込まない」「立たない」などが館内の笑いを誘いました。以下はネタバレになっていますから、結末を知りたくない方は2つ目の☆印までを読み飛ばして下さい。
☆
上映が始まると、主役だと自称する女王(ジュリア・ロバーツ)が登場して物語の背景を人形劇で説明。この導入部がおとぎ話のストーリー展開に期待を持たせました。最初のシーンは城内の大広間で繰り広げられる人間を使ったチェスゲーム。山形県天童市の人間将棋と同じ趣向(しゅこう)です。そこへ城内の自室に軟禁されていた白雪姫が登場。それを咎(とが)める女王に白雪姫は「18歳の誕生日を迎えたのでパーティに出席しても良いと思った」と答える。
場面が森の中に変わって、馬に乗った王子がお供の者を連れて通りかかると、そこへ黒装束(くろしょうぞく)の何者かが集団で襲(おそ)い掛かる。巨人に見えたのは足の長い(竹馬に乗った)小人の7人組。
父王が森で行方不明になってからは女王の横暴で王国内の住民が困っていることを下女から聞いた白雪姫は城を出て近くの村に入る。一方、女王は自室の隠れ部屋にある大きな鏡に呼びかけて、その中にある別の世界へ入ると、そこには鏡に写ったもうひとりの自分がいる。
白雪姫は森の中で身包(みぐる)み剥(はが)れた上に逆さ吊(づ)りにされていた王子とお供の者を助ける。白雪姫と別れた王子は城に女王を訪ねる。豊かな国の王子だと知った女王は一計を案じて大舞踏会を開催すると言い出す。イエスマンの家来がもう残っているお金はないと言うと、「パンこそ肉だ」と妙な理屈付けで税金をさらに取り立てろと家来に命じる。村にいた白雪姫はその家来が村民に増税を言い渡すのを聞く。
大舞踏会に備えてより美しくなろうとする女王が恐ろしいエステを受けるシーンが延々と続く。大舞踏会にはスワンに仮想した白雪姫とシルクハットに兎の耳を付けた王子がいる。再会した二人は惹(ひ)かれあって踊り続ける。それに気付いた女王は家来に白雪姫を自室に連れてこさせて、「敗北を認めることだ」と言い放つ。しかし、白雪姫がそれを認めないので、白雪姫を森で殺して怪獣の生贄(いけにえ)にするよう家来に命じる。
昨夜の美しい女性は誰かと尋(たず)ねる王子に向って女王はその白雪姫が昨夜森で死んだと告げる。落胆した王子を自室に招いた女王は惚(ほ)れ薬を王子に飲ませる。王様を誘惑する時にすべて使ってしまっていた女王が魔法で手に入れたのは子犬用の薬であったため、王子は女王に惚れはしたが、副作用による異常行動として犬の仕草(しぐさ)をするようになる。
森の小人たちが女王の金(村民から徴収した税金)を奪ったと女王に聞かされた王子は森に出掛けて行く。そこで小人たちに助けられた白雪姫と再会するが、薬がまだ効いていたため、二人はサーベルで戦うことになる。小人たちに手ほどきを受けたばかりで腕前が劣る白雪姫は劣勢であったが、最後には知略で王子に勝利する。女王の魔法(秘薬の効果)を解こうと小人たちはいろいろ試みるが上手く行かない。そして白雪姫は王子にキスをすれば・・と思いつく。(これは原作と正反対の展開である)
魔法の呪縛(じゅばく)から開放された王子は白雪姫とタッグを組んで、白雪姫を殺しに来た女王と戦うことを決心する。女王が繰り出した秘密兵器は羽の生えた竜のような怪獣である。圧倒的なパワーを持ち無敵と思われたその怪獣の胸に見覚えのあるネックレスを見つけた白雪姫が父王からもらった短剣でそこを突くと怪獣は光に包まれて消滅してしまう。そして森で死んだはずの父王が生き返ったのだ。白雪姫は久しぶりに父王と再会する。
ラストシーンは復帰した王の前で白雪姫と王子が結婚する。クローズアップ撮影された白雪姫の象牙(ぞうげ)のような白い肌とブルーネットの(黒い)髪の毛は原作の白雪姫を良く再現している。黒く太い眉(まゆ)も古き良き時代を象徴(しょうちょう)しているようだ。女王役のジュリア・ロバーツはまさに適役で、影の主役を見事に演じきっていました。
追放されたはずの元女王(魔法を使い過ぎたため一挙に年老いた)が結婚式の場に現れて、お祝いにと真っ赤な毒リンゴ差し出すと、白雪姫はその毒りんごをナイフでカットして元女王に渡しながら、「敗北を認めることね」と告げたことはシニカルになり過ぎたと思います。
最後のクレジットの前に映し出されたシーンはインド映画のラストシーンそのままでした。主役が歌い踊る周りに煌(きら)びやかな衣装をまとった人々が群舞するのです。私は「座頭市」(北野武監督)のラストシーン(下駄履きタップダンス)を思い出しました。このシーンはたしかに楽しいのですが、それまでの流れとはまったく異質で、蛇足だったように思います。同行者も同意見で、「グリコのおまけみたい」と言います。
クレジットでは石岡瑛子さんへの謝辞が映し出されました。映画の全編を通じて使われた多くの衣装の豪華さと美しさは期待通り。それに加えて、舞台演劇のような場面展開の分かり易さとコミック風な台詞(せりふ)回しが絶妙であったことも印象に残りました。ちなみに、字幕の翻訳は第一人者の戸田奈津子さんです。
☆
上映が終った時には12時を40分ほど回っていますから、1階のフードコロシアムへ急ぎました。
いずれのメニューも500円(ワンコイン)であることがフードコロシアムの売りであるようです。
私は東京風ラーメン(醤油)を、同行者はピッツァ(マルゲリータ)とドリンクバー(200円)を注文しました。一人ひとりに大きな札が渡されました。スーパー温泉で渡される腕輪のように料金を精算するためのID(アイディ)カードのようです。
東京風ラーメンの極細ストレート麺は港北ニュータウンのくじら軒の麺によく似ています。味もあっさりしていて味噌ではなく醤油にしたことが正解だったようです。
店内の大釜(おおがま)で焼かれたピッツァ・マルゲリータもチーズがたっぷりで美味しいのですが、甘酸っぱいトマト味がもう少しある方が私の好みです。
帰り掛けにその立派な大釜を撮影しました。
朝方、時間に余裕を持たせてグランベリーモールへ到着しましたから、駐車場を出る時には3時間20分ほどが経過していました。しかし、映画を観たことで無料サービス時間が延長されて駐車料金は200円(30分相当)で済みました。ちなみに昼食や買い物を合計して2000円を超えると、さらに2時間の無料サービスが加わって都合(つごう)5時間までが無料になるようです。
<同行者のコメント> 以前から来たかった場所です。ずっと前にすぐ近くを通り過ぎたことはよく覚えていますよ。それはそうとして、美しい衣装を見るだけでも楽しくなる映画でした。旦那さまがストーリーを細かく覚えているのには感心しますが、そんな見方をしていて疲れないのかしら?
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