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2013年11月14日 (木)

古代日本への旅 魏志倭人伝

ようこそ、ブログサイト「旅行大好き、飛行機も!」へ。サイト名を一新してオープンさせた当サイトは「旅行」を中心に、「音楽」「本」「映画」などの記事を気の向くままに投稿する予定です。書き手の気分転換が目的のサイト名変更ですから、「温泉大好き、ドライブも!」の続編と捉えていただけると幸いです。
 

記念すべき第一回目のテーマは古代日本への時空旅行(タイムトラベル)です。具体的には古代史を研究する異端児、古田武彦氏の著作についての書評を書きたいと思います。取り上げるのは同氏の著作の中から私が興味を持った「倭人伝(わじんでん)を徹底して読む」「多元的古代の成立(上下巻)」「壬申(じんしん)大乱」の4冊です。
 

同氏の処女作「邪馬台国(やまたいこく)はなかった」(1971年朝日新聞社刊)は1970年前後にブームとなった邪馬台国論争において、九州説を主張した松本清張氏の「古代史疑」(1968年中央公論社刊)と宮崎康平氏の「まぼろしの邪馬台国」(1967年講談社刊)とともに注目されました。邪馬台国に当時から興味を持っていた私は後者の2冊を読みましたが、古田武彦氏の著作を読むのは今回が初めてなのです。
 

古田武彦氏の多数ある著作をどの順番で読むべきか迷いましたが、まず「倭人伝を徹底して読む」(2010年12月ミネルバ書房刊)を選びました。2-3世紀に日本列島のどこかにあったとされる邪馬台国の所在を読み解く展開を予想したのですが、読み進むと意外な内容に驚かされました。著者は邪馬台国が現在の大宰府(だざいふ)の地にあったことは自明であると考えたのか、本文中に邪馬台国の所在を解き明かすプロセスが何も書かれていないのです。
  ()著者は邪馬台国ではなく魏志倭人伝の原文通りに邪馬壹国(やまいちこく)と表記
 

古田氏は本のタイトル通りに魏志倭人伝(ぎしわじんでん)が含まれる三国志に加え、礼記(らいき)や漢書(かんじょ)など中国の国史を引用して、中国語における言葉の用法解説に本文のほぼ全てのページを割(さ)いて詳細に説明したのです。魏志倭人伝の読み方(解釈法)と倭国の存在を多くの傍証(ぼうしょう)を駆使(くし)して解説しました。そして、中国側から見た倭国像だけではなく、古事記と日本書紀の主要なエピソードである天孫降臨(対馬・壱岐から福岡県の高祖山連峰への侵入)・国ゆずり(大国主から天照大神への勢力移譲)とともに、出雲風土記・常陸風土記などの記録や出土品のタイプ別分布を参照しながら、古代日本(倭国)における勢力圏の移動(出雲→筑紫→大和)も紹介します。
 

読んでみて印象に残ったことを順不同で挙げると、(1)卑弥呼(ひみこ)の時代に倭国の範囲が北九州と朝鮮半島南部に及んでいたこと、(2)邪馬台国が識字国家であったこと、(3)距離の単位が魏王朝時代の短里(約75m)で表示されていることを解明したこと、(4)国名だけが記述された黒歯国と裸国が南米(エクアドル、ペルー、チリ北部)であると指摘したこと、(5)私が信奉する松本清張氏の倭人伝解釈(北九州の倭国と朝鮮半島側の倭国を別の国と考えたこと)を一刀両断したこと、(6)天孫降臨の地は南九州の高千穂峰ではなく筑紫の高祖山連邦(福岡市と糸島市の境界)であるとしたことなどです。
 

難解な固有名詞と地名があふれる長文を読み進む手助け(励み)となったのは、古墳や遺跡を訪ね歩くことが好きな私が訪れた場所が多数引用されたことです。つまり、ブログ「温泉大好き、ドライブも!」で紹介した、八ヶ岳周辺の古墳群(和田峠で採掘された黒曜石を含む)、山梨の古墳群、埼玉県行田市のさきたま古墳群(稲荷山古墳)、芝公園の古墳(東京)、名古屋の古墳群(鶴舞公園周辺熱田神宮周辺)、飛鳥の古墳(奈良県)、箸墓古墳(奈良県)、長岡京市の古墳群継体天皇陵(高槻市)、仁徳天皇陵(堺市)、五色塚古墳(神戸市)、高千穂峡などといくつかが重複しているのです。
 

最後に付録として、邪馬台国に関する研究論文を江戸時代の新井白石(あらいはくせき)から現代まで10数件を概観したことと、「日本の生きた歴史」として自説の一部を修正した経緯を平易に説明したことも理解の手助けになりました。
 

次は「多元的古代の成立(上下)」を読むことで、邪馬台国の所在地比定とともに701年まで九州に王朝が存在していたとする古田氏の九州王朝説を知りたいと思っています。

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