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2014年9月

2014年9月18日 (木)

青天の霹靂

連休明け(9月16日)に衝撃的なニュースが報じられました。前夜は日付が変わる頃に渋滞が残る東名高速道路を利用して旅行先から帰宅し、録画して置いたテレビ東京の”WBSWorld Business Satellite”を観て就寝。翌日になって前日の渋滞情報をチェックしようとiPhoneYahoo!にアクセスすると、検索キーワードの入力欄の下にある急上昇の項目にテレビ東京の大江麻理子アナウンサーの名前を見つけたのです。その名前を何気なくクリックすると、「 テレ東・大江麻理子アナが結婚へ…マネックス松本大社長と」とタイトルしたニュースが表示されました。まさに「青天の霹靂」(せいてんのへきれき)です。「寝耳に水」や「藪(やぶ)から棒」どころの騒ぎではありません。 

その夜のWBSは前夜の番組と同様、何事もなくスタートして、何事もなく終了しました。どうもガセネタのようですから一安心です。そして、翌17日のWBSもいつも通りにスタート。しかし、番組が終了する直前に二度目の衝撃が私を襲いました。他の出演者の質問に答える形でメインキャスターの大江さん自身から結婚したことが伝えられました。誤報であることを願っていた私は・・。でも、大江さんが付け加えた、「何も変わりません」の言葉が唯一の救いになりました。そして、この事実にめげることなく、明日からもWBSをこれまで通りに観続けようと心に決めました。 

 

WBSの番組内では9月17日の発表になりましたが、大江さんは9月16日に自身のツイッターで結婚することを公表していました。2日間に亘(わた)ってやきもきしたのは私だけかもしれませんが・・。大江さんが9月17日に結婚することを決めた理由が、縁起のいい日であることとをその呟(つぶや)きの中で明かしています。そこで、にわか仕込みですが、縁起の良い日についての薀蓄(うんちく)を少し書くことにします。 

 

縁起のいい日としてよく知られているのは大安(たいあん、だいあん)でしょう。中国で生まれたとされる暦注(れきちゅう)のひとつである六曜(ろくよう、りくよう)に定められた6種の曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)のひとつ。「大いに安し」を意味し、六曜の中で最も吉の日とされます。注)暦注とは、暦に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢などの事項のこと 

 

大江さんが選んだ9月17日は「一粒万倍日」(いちりゅうまんばいび、いちりゅうまんばいにち)で、たった一粒のもみが万倍もの多くの稲穂になる日とされます。仕事や開業といった物事を新しく始めたり、それらに合わせてお金を使うことに適している日とされます。ただし、借金をしたり人から物を借りたりすることは苦労の種が万倍になるので避ける必要があります。ちなみに、大安とほぼ同じ頻度で、月に平均4-5日出現します。 

 

もっとも縁起のいい日とされるのが「天赦日」(てんしゃにち、てんしゃび)。天が万物の罪を赦(ゆる)す日とされ、日本の暦の上で最上の吉日とされています。新しい何かをスタートさせたり躊躇していたことに挑戦するにはもってこいの日で、年に5回または6回しかない貴重な開運日とのこと。 

 

上記以外にも、新月は月と太陽が重なった時に起こる状態で、満月同様に体中の水分が活発になるとされます。このため、新しいことを始めるのに最適な日とされるようです。

2014年9月16日 (火)

ECO EDO 日本橋 アートアクアリウム 2014(最終回)

ビョーブリウムⅡは、『2008年にデビューしたビョウブリウムの新しいバージョンで、従来の6面屏風(びょうぶ)が倍増して12面屏風になり、花鳥風月で12か月の季節を表すプロジェクションマッピングにより、動く屏風絵を映し出し、そこに本物の金魚が泳ぎます』と近くのパネルに説明されています。立錐(りっすい)の余地(よち)もない混雑ですから、次回のショーが始まるのを待ちました。
 
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季節感が7-8分のショーで上手く表現されていますので、説明なしで写真を12枚紹介します。
 
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順番が逆になりましたが、エレガンスダンス「華魚繚乱」のひな壇に置かれた行灯(あんどん)型の水槽を紹介します。私が気に入った展示のひとつです。
 
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「ディスプレイ アクアリウム」は魚たちが泳ぐ世界にお気に入りのアイテムを飾れるアクアリウム。この日は山口県の旭酒造が作る日本酒(純米大吟醸酒)の獺祭(だっさい)が水中に飾られていましたが、私には違和感がありましたので、ここではその写真を紹介しません。

 

混雑する展覧会場から出たショップエリアから中央通りの向かい側にある三井本館(右)と三越の日本橋本店(左)を見下ろすと、いつの間にか雨が降り始めていました。
 
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アートアクアリウムは、珍しい金魚を展示するだけではなく、古き良き江戸情緒とLED照明やプロジェクションマッピングなど最新の演出技術を組み合わせてアートを感じさせる金魚の展覧会でした。アクアリストである木村英智の豊かな発想にもとづいたチャレンジングなディスプレイには賛否両論があるかもしれませんが、一見の価値は十分あると思いました。

 

<同行者のコメント> 旦那様から日本橋へ金魚を見に行くと突然言われました。わが家で金魚を飼うことにしたのかと心配しながら出かけたアートアクアリウムの会場は大変な混雑で、歩くのもままならず、最前列に座れたビョーブリウムⅡ以外は落ち着いて見ることができない状況。人ごみにもまれて疲れた私が会場を出ようとすると、旦那様は写真を撮るためにもう少し会場を回るとのこと。会場の外で30分近く待たされた私はさらに疲れてしまいました。ところで、入場制限をした方が人の流れがスムーズになると思うのですが・・。

2014年9月15日 (月)

ECO EDO 日本橋 アートアクアリウム 2014(その5)

桜錦は平成になって愛知県で生み出された新しい品種で、江戸錦とランチュウを交配して固定化した金魚で、体色は桜の花を連想させる清楚(せいそ)なピンク色をしています。
 
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隼人錦(はやとにしき)は鹿児島県の養魚場でジャンボ東錦を作る過程で平成20年ごろに生まれた和金型金魚
 
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和唐内(わとうない)は和金と硫金の交雑種で、日本と中国のどちらにもいない、あるいは近松門左衛門の「国性爺合戦」(こくせんやがっせんの)主人公の和藤内にかけて名づけたと言われています。ちなみに、「国性爺合戦」(原題は国姓爺合戦)は、17世紀に長崎県平戸市で中国人を父に、日本人を母に持った誕生した鄭成功(和唐内)が明(みん)に渡り、第18代明朝皇帝の知遇を受け明朝復興のために活躍した実話に基づく人形浄瑠璃(じょうるり)および歌舞伎(かぶき)です。
 
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硫金(りゅうきん)は中国から琉球(沖縄)を経由して日本に入ってきた金魚であることが名前の由来のようです。
 
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キャリコ硫金は明治時代にアメリカ人の依頼により琉金と三色出目金を交配して日本で作出した金魚で、琉金の体型に、体色は浅葱(あさぎ)、赤、黒、白で、モザイク透明鱗(とうめいりん)を有することが特徴です。ちなみに、キャリコは英語で斑(まだら)を意味します。
 
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ショートテール硫金は名前通りに尾が短く可愛らしい金魚
 
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ブロードテール硫金は、尾先が丸く、切れ込みが浅くて長い尾びれが特徴の中国原産のきれいな琉金
 
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キャリコ蝶尾(ちょうび)は赤・黒・白などによる複雑なまだら模様が大変美しい中国産の金魚
 
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 (続く)

2014年9月14日 (日)

ECO EDO 日本橋 アートアクアリウム 2014(その4)

「金魚コレクション」エリアでは、キレイな金魚、変わった金魚、珍しい金魚、おかしな金魚などが壁から飛び出た丸い水槽を使って多数展示されています。ピンポンパール(珍珠鱗、チンシュリン)は、中国の金魚が元になって改良されたもので、ピンポン玉のようにまん丸な体に尾鰭(おびれ)と頭が付いているようで、愛らしいユーモラスな形をしています。
 
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バルーンオランダは極端に短い胴体(バルーン体型)が特徴
 
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高頭丹頂(たんちょう)は非常に発達した紅い肉瘤(にくりゅう、肉腫)がある丹頂です。ちなみに、丹頂は中国原産の金魚で、戦後になった中国から日本へ輸入され、現在は国内で生産されているようです。頭部に発達する赤い肉瘤(にくりゅう)と、それ以外は白という日本人好みの体色を持っています。
 
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青文魚(せいぶんぎょ)は青っぽい灰色の体色が特徴で、日本では珍しい渋みのある金魚です。
 
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オランダシシガシラ(獅子頭)は名前通りに頭部の肉瘤(にくりゅう)が非常に発達しているのが特徴で、頭部に肉瘤が発達した琉金の突然変異個体を固定化した品種だそうです。オランダは産地ではなく、海外から輸入された珍品を意味するようです。
 
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赤出目金は突然変異で目が飛び出した硫金であるため、体型は琉金であり、左右に突出した大きな眼球が特徴です。その赤出目金が突然変異で黒出目金が出現しましたが、現在では黒出目金の方が一般的になっています。
 
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玉サバは、新潟県で生み出された品種で、琉金型の体型にもかかわらず尾鰭(おひれ)は別れていない。錦鯉にも似た日本的な金魚である。
 
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ジャンボオランダは、オランダシシガシラの系統ですが、金魚としてはけた外れに大きくなることで命名されたそうです。
 
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レモンコメットは名前の通りにレモン色をしたコメット(注、柳出目金を参照)
 
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(続く)

2014年9月13日 (土)

ECO EDO 日本橋 アートアクアリウム 2014(その3)

クロスオーバーアクアリウムは平面の水槽面とギザギザの断面の水槽を持った菱形の作品で、見る方向によって泳いでいる魚や風景が違った見え方をします。
 
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キモノリウムは「京友禅」を水槽に埋め込み、生きた金魚と3Dプロジェクションマッピングで着物の柄(がら)を表現した作品
 
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巨大金魚鉢を組み合わせた「大奥」(おおおく)は、金魚を愛(め)でる文化が花開いた江戸を象徴(しょうちょう)し、多くの女性が自らの美を競い合う豪華絢爛(ごうかけんらん)な世界を表しています。
 
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エレガンス(華魚繚乱)は上部を覆(おお)わない横長の水槽を川に見立てて、雛壇(ひなだん)のように階段形式で展示する作品で、無数の金魚が泳いでいます。
 
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パラドックスリウムは垂直に見る面が一切ない特殊な構造をした作品
 
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リフレクトリウムは凹レンズ、凸レンズ、二重レンズなど、さまざまな見え方のレンズをアクアリウムに施(ほどこ)した作品で、中で泳ぐ魚たちは大きく見えたり、小さく見えたり、分身したり、ひずんで見えたり、不思議な世界が広がっていました。
 
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アースアクアリウム・ジャポニズムは地球をイメージした直径1.5mの球体の水槽の中を錦鯉(にしきごい)が乱舞する作品で、溢(あふ)れた水が球体の外側を流れ落ちる仕掛けが趣(おもむき)を演出しています。
 
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(続く)

2014年9月12日 (金)

ECO EDO 日本橋 アートアクアリウム 2014(その2)

柳出目金(やなぎでめきん)は、和金(わきん)の体型、出目金のような出目の眼、コメットのような吹き流し尾などの特徴を持つ珍しい品種です。ちなみに、コメットは日本から輸出された硫金(りゅうきん)などがアメリカで自然交配して生まれた品種で、泳ぐ姿が彗星(すいせい、コメット)のようであるためこの名前が付けられたそうです。
 
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土佐錦(とさきん)は高知県で生まれて飼育された金魚、つまり地金魚(ぢきんぎょ、土地の金魚という意)と呼ばれるものです。
 
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地金(ぢきん)は江戸時代初期、和金からの突然変異によって尾鰭(おひれ)が立ち上がった魚を淘汰(とうた)選別し、種として固定化された金魚で、名古屋地方で飼育され続けてきた地金魚。クジャク尾というX字に開いた特殊な形の尾と、六鱗(ろくりん、六ケ所が赤いこと)と呼ばれる独特の体色が特徴で、愛知県の天然記念物に指定されています。
 
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らんちゅう(蘭鋳)は、前述したように、体つきが丸く、頭部に肉こぶが発達し、背びれがなく、尾が小さい金魚です。
 
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江戸錦(えどにしき)は戦後、東京で生まれた品種で、体型は背ビレがないらんちゅう型、柄(がら)は東錦(あずまにしき)と同様の赤・白・浅葱(あさぎ)色の三色で、モザイク透明鱗(とうめいりん)が特徴です。
   
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水泡眼(すいほうがん)は上向きの眼球と目の下に風船のように膨(ふく)らんだ袋(水泡)がついている品種
 
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(続く)

2014年9月11日 (木)

ECO EDO 日本橋 アートアクアリウム 2014(その1)

この日の最終目的地であるCOREDO室町に到着しました。同行者は日本橋ふくしま館で買い求めたものがたっぷり入ったピンク色の手提(てさ)げ袋を持っています。
 
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7月11日から9月23日までCOREDO室町の5階にある日本橋三井ホールで開催されている展覧会「ECO EDO 日本橋 アートアクアリウム 2014」に参加することが訪れた目的です。ちなみに、「ECO EDO」とは江戸時代に育まれた「共生のこころ」と「循環の仕組み」を現代に取り入れ、新しいライフスタイルとして日本橋から発信する取り組みとのこと。

 

アクアリウムは水生生物の飼育設備を指す言葉ですが、単なる水槽(すいそう)あるいは水族館ではなく芸術性を持たせたことで「アートアクアリウム」と呼んでいるようです。アクアリストである木村英智(ひでとも)氏がプロデューサーを務(つと)めるこの展示会は、「江戸・金魚の涼&ナイトアクアリウム」をキャッチコピーにしているように、日本の伝統美である粋(いき)を現代アートとして発展させたようです。ちなみに、午後7時から開催されるナイトアクアリウムは大人向けの演出(音楽・照明の演出とカクテルなどのドリンク)がなされています。

 

2011年から開催されている「アートアクアリウム」(累計入場者300万人超)には以前から興味をもっていました。先に訪れた友人が絶賛する一方、過密さ・強い光照明・きれいすぎる水によるストレスが金魚を虐待(ぎゃくたい)するという意見がネット上で散見され、その当否(とうひ)を見極(みきわ)めたいとの思いを持って訪れたのです。

 

COREDO室町内のエレベーターで「ECO EDO 日本橋 アートアクアリウム 2014」のエントランスがある4階へ上がりました。日本橋三井ホールの入り口に混雑の表示がありますから、入場制限があるかもしれません。
 
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当日券(大人1000円)を購入。私と同行者が訪れた12時半過ぎには幸運なことに入場制限がありませんでした。
 
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エスカレーターで5階の会場へ向かいました。
 
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関連グッズを販売するショップを抜けて展覧会場に入りました。照明を落とした薄暗い会場の入口付近には約1000年前、金魚が中国で人工的に(突然変異で)生み出されてからの歴史、および室町時代に伝わった日本で大きな進化を遂げて、江戸時代後期には金魚が多くの人々に愛されるようになった経緯が詳しく解説されています。

 

そして、アートアクアリウムでは金魚の飼育にあたって栄養価の高い食事・水質浄化・生体管理に十分注意を払っており、展覧会が終わると金魚たちは金魚市場の池や問屋さんに戻され、珍しく手に入りにくい種類だけは手元に残して大事に世話することにしていることも付記されていました。

 

『イタリア・ヴェネツィアの世界最高峯ガラスアートブランドの“VENINI”との共同作品「金魚」は、土佐錦魚(とさきん)のゆらめく尾びれを象徴的に表現し、見た目にも金魚を感じさせるガラス製の金魚鉢。これは建築家・安藤忠雄氏に次いでアジアでは2人目である』とアートアクアリウムのhpに説明されています。ちなみに、木村英智氏は2012年に、同社のデザイナーとして、世界的なアーティストとして本格デビューを果たしたそうです。会場内はフラッシュが使えませんので不鮮明な写真が含まれていることをご容赦(ようしゃ)ください。
 
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最初のエリア「ボンボリウム」(雪洞)はアクアリウムを証明に見立てたシリーズで、江戸時代から現代に至るまで親しまれている雪洞(ぼんぼり、せつどう、せっとう)をイメージした作品群です。
 
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続く「金魚品評」(A show of Kingyo)エリアは水面が波立たない円形の水盤の中を優雅に泳ぐ金魚を上から楽しむ作品群を展示しています。その最初は「頂天眼」(ちょうてんがん)。出目金(でめきん)より体形は長めで、色は赤味を帯びた黄、背びれがなく、目は上方を向いていることが特徴。望天魚(ぼうてんぎょ)とも呼ばれるようです。
 
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次は「マーブルらんちゅう」。らんちゅう(蘭鋳)は、体つきが丸く、頭部に肉こぶが発達し、背びれがなく、尾が小さい金魚で、丸子(まるこ)あるいは蘭虫(らんちゅう)とも呼ばれるそうです。
 
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「黒らんちゅう」
 
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三尾和金(みつおわきん)は、名前通りに尾鰭(おひれ)が3つに分かれている、フナに似た流線型の金魚です。ちなみに、和金は中国から日本へ最初に入ってきた品種を指(さ)し、そのあとに輸入された他の金魚と区別するため和金と呼ばれています。「金魚すくい」には小赤(こあか)と呼ばれる小さな和金、あるいは少し大きい小赤である姉金(あねきん)が使われることが多いようです。
 
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(続く) 

2014年9月10日 (水)

日本橋室町散策

東京メトロ銀座線の三越前駅で下車、地下道を室町3丁目交差点方面へ向かいました。総武本線新日本橋駅の3番出入り口を出た東短室町ビルの地下1階が最初の目的地です。午後、訪れる予定の場所に近い「キリンシティ日本橋室町店」でまず昼食を摂(とる)ることにしたのです。

 

これまで何度も紹介した日本橋地区を再訪して、「江戸史跡散策: 日本橋界隈(前後編)」「江戸町奉行所と日本橋のプラネタリウム」「東京の地名」「アートフラワー展と人形町玉ひで」などの記事で紹介していますので、今回はその北に位置する室町に的を絞(しぼ)って巡(めぐ)ります。

 

「キリンシティ日本橋室町店」がオープンする午前11時30分まで少し時間がありますので、日本橋室町3丁目交差点付近を散策することにしました。最初に見つけたのは「日本橋界隈(後編)」でも紹介した「石町(こくちょう)の鐘 鐘撞(かねつき)堂跡」の案内看板です。
 
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中央区民文化財の長崎屋跡
 
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午前11時30分の数分前に東短室町ビルへ戻りました。歩道に向かって食品サンプルが置かれていることは昭和の時代を感じさせます。
 
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そして地下1階へ下りる階段脇にも立て看板とともに食品サンプルも
 
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開店時間になるのを待って階段を下りました。
 
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予想した通り、地階へ下りる階段はオープンエアで、店内から外を見ると地階とは思われない開放感があります。
 
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最近利用したキリンシティプラス東京銀座店の雰囲気と料理が女性向きであったことで、同じチェーン店であれば同行者が気に入ってくれると直感して室町店を選んだのです。そして、地下1階といっても、明かり取りを兼ねたテラスがあるため、趣きがあることも期待していました。
 
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私はランチメニューから赤•黒ハーフ&ハーフ(スープ付880円)とランチワインを、同行者は「まぐろと海藻のねばとろカルパッチョ」(680円)とホットコーヒーを注文。「花咲がにの冷製カッペリーニ」(スープ付のパスタ料理、980円)とどちらにするかを迷ったようです。
 
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赤•黒ハーフ&ハーフは黒ビールカレーと赤ワイン仕込みのハヤシライスを一皿に組み合わせた欲張りなメニューです。ハーフ&ハーフは甘いハヤシと胡椒味が効いた辛めのカレーが期待通りの組み合わせであり、赤ワインはやや渋めでした。赤・黒ハーフ&ハーフを味見した同行者も同意見とのこと。
 
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まぐろと海藻のねばとろカルパッチョはもずくの粘りにネギとトウガラシがほどよいアクセントになっていました。ハワイで食べて気に入った”Ahi Poke”(マグロの切り身)と少し味付けが違いますが、さっぱりした美味しさです。
 
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軽めの昼食を済ませたあとは、中央通りを挟(はさ)んで「石町の鐘 鐘撞(かねつき)堂跡」の反対側(柳屋太洋ビル1F)にある「日本橋ふくしま館 MIDETTE」に立ち寄りました。福島県は「奥の細道疑紀行(その4-7」「続・奥の細道疑紀行」「福島県いわき市へのドライブ旅(14件)」「東北ドライブ旅2012春 早春の東北自動車道」「同 雪の東北自動車道」などの記事で紹介したように思い出が多い場所です。
 
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入口を入ると「ふくしまの桃 品種カレンダー」が貼ってあるのが目に入りました。福島県は桃の生産量で1位の山梨県(シェア33%)に次いで2位(同20%)を占めています。ちなみに、3位は長野県(同13%)です。
 
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果物・野菜コーナーの一番目につく場所に8月下旬が旬の黄金桃と川中島白桃が売られていました。いずれも美味しそうです。同行者はさっそく両方とも買い物カゴに入れています。
 
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私は加工食品が並ぶ棚で「喜多方ラーメン」と「なみえ焼きそば」のどちらにするかで迷いましたが、ラーメン好きですから、やはり前者を選びました。同行者は桃の他にもあれこれを購入したようです。
 
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テーブルとイスが並ぶ奥のイートイン(飲食コーナー)にある観光情報コーナーにはフクシマノ観光案内のパンフレットが所狭しと置かれていました。中央の大形ディスプレイに映し出されているのは日本三大桜のひとつである三春町(みはるまち)の三春滝桜のようです。樹齢推定1000年超のベニシダレザクラ(紅枝垂桜)の巨木は国の天然記念物に指定されています。残念ながら私はまだ実物を見たことがありません。
 
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近三ビルディング(旧森五ビル)は東京都選定歴史的建造物
 
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昭和6年(1931年)の建築されたとは思えないこのモダンなビル(地下1階、地上8階)は外壁の補修工事(耐震工事)が行われているようです。ちなみに、外観では分かりませんが、8階は1959年(昭和34年)に増築されたそうです。
 
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十軒店(じゅっけんだな)跡は「日本橋界隈(後編)」の記事で紹介ずみです。
 
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中央通りを南に歩くと、左前方(写真中央)に商業施設が入る「YUITO日本橋室町野村ビル」(地下3階・地上21階、高さ108m)と右隣の「室町東三井ビルディング」(COREDO室町、地下4階・地上22階、高さ105m)、その先の「COREDO室町3」が見えてきました。最初の2つは日本橋室町二丁目で進められている再開発事業で先行して2010年にオープンしたビルで、「COREDO室町3」は「COREDO室町」の奥にある「COREDO室町2」とともに今年3月にオープンしたばかりです。
 
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右手にあるビルの壁面に東洲斎写楽作の木版画「市川蝦蔵」の巨大な絵が架けられています。EBIYA(海老屋美術店)は骨董品(こっとうひん)屋さんです。延宝元年(1673年))に京都で開業し、明治維新の時に東京・日本橋室町へ店を移した老舗(しにせ)だそうです。
 
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上の写真の左上に少しだけ写っているビルは、YUITOCOREDO室町の向かい側にある2005年に竣工(しゅんこう)した日本橋三井タワー(地下4階・地上39階、高さ約195m)です。

 

<同行者のコメント> うちの旦那様はラーメン・そば・うどんなどのめん類のお店だけではなく、キリンシティのようなおしゃれな店も知っているのですね。「まぐろと海藻のねばとろカルパッチョ」は美味しかったのですがボリュームが少なく、「花咲がにの冷製カッペリーニ」にすればよかったかなとちょっと後悔しました。

2014年9月 8日 (月)

池井戸潤著「空飛ぶタイヤ」を読む(後編)

赤松が沢田を訪ねてきたことを販売部の知り合いから聞いたとして品質保証部の室井秀夫が、沢田のいる販売部のフロアにふらりと現れ、赤松運送からクレームが来ていないかと聞く。特段親しくない室井課長がいつもと違って落ち着きを失っていることに沢田は興味を持った。引っかかるものを感じて沢田は車両製造部にいる友人の小牧重道(こまきしげみち)に電話を入れる。室井のことを話すと、小牧も興味を抱いたことが伝わってきた。品質保証部は製造部門のお目付役であり、社内では煙たい存在であるため、日頃の憂(う)さ晴らしになると期待したのだ。

 

小牧から飲みに誘われた沢田は丸の内オアゾで、小牧が連れてきた研究所の加藤と3人で飲み始めた。しらふでは聞けないからと断って、小牧は自分が販売部で面倒を見たことがある加藤に噂話(うわさばなし)が事実かどうか問い詰めた。品質保証部の幹部社員と研究所長が集まる秘密会議の存在である。渋る加藤に小牧は強引に迫ってその事実を認めさせた。不具合の評価が不正に操作されている可能性も認める。小走りに会社へ戻った沢田は室井課長へ秘密会議や赤松運送の事故について不具合の評価を格下げたのではないかと詰め寄るが、室井は頑(かたく)なに認めようとしない。

 

翌朝、沢田は販売部の上司である野坂明義(のさかあきよし)部長代理から呼ばれ、酔っ払って品質保証部の仕事を邪魔(じゃま)したことを注意された。それについて謝罪した沢田は重大な情報を得たからであるとその理由を説明する。その日の午後遅く、沢田は野坂から再び呼ばれ、『今朝の件は忘れろ』といわれる。『大丈夫なんですか、うちの会社は』と聞く沢田に、野坂は腕を組み、両目をぎゅっと閉じて顔を天井に向け、『大丈夫だ。上を信じろ』と。『一蓮托生(いちれんたくしょう)』という沢田の呟(つぶや)きに、野坂からの返事は無かった。

 

第3章 温室栽培群像

 

東京ホープ銀行本店営業本部の調査役である井崎一亮(かずあき)を軸にして、同銀行に200億円のクレジットライン(融資枠)を要求するホープ自動車の狩野威(たけし)常務と財務部係長の三浦成夫(しげお)がからみ、さらに大学時代の友人である週刊紙記者の榎本崇(えのもとたけし)が赤松運送の事故についての内部告発があったとして井崎に接触して来る。

 

4章 ハブ返せ!

 

赤松徳郎は東京ホープ販売の益田に対して車両事故の際に壊れた部品(車輪と車軸をつなぐハブ)を返してくれるようホープ自動車に伝えてくれと頼んだ。赤松運送の社員のアイデアにしたがって別の研究機関で再検証してもらうためだ。ついで訪れた東京ホープ銀行の自由が丘支店では赤松が依頼した融資はコンプライアンスから見て困難だと支店長とその部下に拒絶された。

 

益田からの連絡を受け取ったホープ自動車販売部カスタマー戦略課の沢田課長は社内の品質保証部にそれを伝えるが、思いがけない抗議が沢田へもたらされた。品質保証部の室井課長は『部品はバラバラに分解したから返却できない』というのだ。沢田は上司の野坂部長代理にも品証の柏原部長から販売部で対応するよう説教されたことを説明された。

 

赤松がPTA会長を務める尾山西小学校で生徒間のトラブルが発生したと赤松は校長から緊急呼び出しを受けた。生徒が学校に持ってきた5000円が無くなったというのだ。その生徒の母親と女王蜂と呼ばれるうるさ方の母親・片山淑子が校長とともに待っていた。

 

ホープ自動車が部品の返却を拒否したことを益田から聞いた赤松はホープ自動車の本社に直談判(じかだんぱん)にでかけるが、対応した沢田課長はあれこれ理由を並べて返却できないと赤松を強圧的にあしらう。その対応のあと、沢田は野坂部長代理に赤松は手強い相手であるから断りきれないと報告すると、野坂は不機嫌な表情を浮かべ、『それでは、こちらの立場がなくなる』という。そこで、沢田は後日問題になったときに自分たちが批判されないよう品証部に文書で部品の返還を求めることを提案し、野坂はあれこれ損得勘定をした上でその提案を認める。

 

品証部との話し合いが持たれたが何ら進展がないため、沢田は代替部品を持参して赤松運送を訪ねて赤松を必死に説得するが二人の議論は噛(か)み合わない。赤松は群馬でも同じ事故があったことを指摘し、ホープ自動車の構造に欠陥があったのではないかと沢田にさらに詰め寄る。自社に戻った沢田は品証部へ向かい、今までどんな事故があったかを確かめるために事故調査報告書を大量にカスタマー戦略課へ運び、深夜近くまで調べた結果、隠された真実があることを確信する。

 

赤松が久しぶりに早めに帰宅すると、息子の拓郎(たくろう)を叱(しか)る妻史絵(ふみえ)の声が玄関先まで聞こえた。拓郎が5000円を盗ったのを見た子がいると同じクラスの母親から告げられたうえ、拓郎が5000円を持っていたのだ。拓郎は知らない間にランドセルに入っていたという。赤松は拓郎を伴って小学校の校長室に向かった。

 

ここまで緻密(ちみつ)に構築された構図に従って、第5章から第9章まで赤松を徹底的に苦しめる状況の悪化が延々と続き、第10章と第11章でのドラマチックな出来事により事態は急展開し、第12章で結末を迎える。そして、終章では荒れ狂った荒波が静まっていく様子が池井戸潤氏らしい穏(おだ)やかなタッチで描かれる。

 

第5章 罪罰系迷門企業

第6章 レジスタンス

第7章 組織断面図

第8章 不経済的選択

第9章 聖夜の歌

第10章 飛べ!赤松プロペラ機

第11章 コンプライアンスを笑え!

第12章 緊急避難計画

終章 ともすれば忘れがちな我らの幸福論

 

                            ☆

 

主人公の赤松は次々と自分に押し寄せる難題にめげそうになりながらも、自分の亡くなった父親の姿を思い出して、最後まで大企業との闘(たたか)いをあきらめない様子が池井戸潤氏らしい平易な文章で巧(たく)みに表現されました。そして、松本清張(せいちょう)氏の推理小説のように多彩な登場人物のリアリティある設定と心理描写もみごとです。大企業に勤めるエリート社員の考え方と行動は、私の限られた経験に照らし合わしても、十分現実的(納得できるもの)でした。池井戸潤氏の代表作のひとつといえるこの力作を一読されることをお勧めします。

2014年9月 7日 (日)

池井戸潤著「空飛ぶタイヤ」を読む(前編)

2000年に発覚(はっかく)した三菱自動車工業(トラック・バス部門は後に三菱ふそうバス・トラックとして分社)社製大型トラックのタイヤ脱落による死傷事故と同社のリコール隠しをベースとしたこの長編小説は、「月刊J-novel」で2005年から2006年にかけて連載され、第28回吉川英治文学新人賞を受賞し、第136回直木三十五賞の候補作となりました。そして、2009年に衛星放送のWOWOWでテレビドラマ化(全5話)されています。今回、私が読んだのは2006年9月に実業之日本社より刊行されたハードカバー本(定価1900円+税)です。町並みを俯瞰(ふかん)しながら紙飛行機が飛ぶ様子を描いた表紙には、著者の名前と並んで、何とも奇妙なタイトル「空飛ぶタイヤ」の大きな文字が並んでいます。

 

                        ☆

 

序章 決して風化することのない、君の記憶

 

男は妻と結婚する前のことや結婚後間もない時に近くの高台にある公園で紙飛行機を一緒に飛ばしたことを回想しながら、駆けつけた病室で妻との別れが近づいていることを感じていた。そして、息子のタカシは母親の頬に顔を寄せて、頬ずりしながら泣いている。男は『ずっと一緒です。さよならは言わない。君のこと、愛してる』の言葉を心の中で繰り返している。

 

第1章 人生最悪の日々

 

赤松徳郎(とくろう)は菊名駅から乗った東急東横線の急行電車に揺(ゆ)られていた。赤松運送という中小企業の社長として通夜の席で遺族に謝罪したばかりだ。赤松運送のトレーラーが主婦を轢(ひ)いたのだが、正確には大手自動車会社のホープ自動車が製造している大型トレーラーから外れたタイヤが歩道を歩いている主婦を直撃したのだ。即死であった。主婦の名前は柚木妙子(ゆぎたえこ)という。一緒に手をつないで歩いていた小さな男の子は、転倒したときのかすり傷程度で済んだという。

 

自由が丘駅で大井町線に乗り換えた赤松は等々力(とどろき)駅で下車、徒歩10分の場所にある赤松運送の本社事務所へ戻った。2日前、大事な商談で取引先にいた赤松に古参社員で運行管理者を兼務する専務の宮代直吉(みやしろなおきち)から電話が入り、入社して半年の新参運転手である安友研介(けんすけ)が人身事故を起こしたとの連絡があった。事務所に急ぎ戻った赤松に宮代が現場に向かった総務課長の高嶋泰典(やすのり)からの報告を伝えた。

 

相模マシナリーから横浜市内の工場へ向かう途中、綱島から大倉山へ抜けていく緩(ゆる)いカーブでブレーキを踏んだ拍子に大型トレーラーの左前のタイヤが飛んで、歩道を歩いていた人の背中にぶつかったという。管轄(かんかつ)の港北警察署から要請があって出かけた赤松は、担当の刑事から数時間におよぶ事情聴取で、車両整備の状況や労働環境などを仔細(しさい)に聞かれた。業務上過失致死で逮捕されるとの赤松と安友の予想に反して二人とも逮捕されなかった。誰の責任なのかわからないからだ。しかし、マスコミの報じるニュースではどう見ても赤松運送が加害者だった。

 

陸運局の監査が数日間赤松運送に入り、徹底的な検査が行われたが、結果は減点なしであった。しかし、大事な顧客である相模マシナリーから運搬していた精密機械の納期遅延にともなう調整金(損失の穴埋め)の負担要求と仕事の発注を見合わせると通告されてしまう。自宅ではPTA会長を務める地元小学校に通う子供たちが同級生から父親は人殺しだと言われていることを知る。さらに追い打ちをかけるように、3000万円の運転資金融資を頼んだ東京ホープ銀行自由が丘支店にはコンプライアンスを理由に融資を実質的に断わられてしまう。

 

港北警察署の刑事からホープ自動車が事故車の部品を調査していることを聞いた赤松は、ホープ自動車のディーラーに調査状況を問い合わせてほしいと頼むが、ホープ自動車からは反応が返ってこない。三日目の朝、家宅捜査令状を持った港北警察署の刑事たちが赤松運送にやってきた。ホープ自動車は整備不良が原因であると結論づけたという。赤松運送は創業以来の危機に直面した。

 

第2章 ホープとドリーム

 

大手町にあるホープ自動車本社ビルの7階フロアにデスクを持つ販売部カスタマー戦略課の課長である沢田悠太(ゆうた)は赤松から「無責任な対応だ」と書かれた再調査依頼を受けた。警察の家宅捜査を受けた赤松の苦し紛(まぎ)れの悪あがきと考えた沢田は、「当事者には販社を通じて説明を徹底させること」のコメントを添(そ)えたその書類を怒りとともに決済箱に叩き込んだ。

 

赤松はディーラーから聞き出した調査の窓口である沢田へ何度も電話を入れるが居留守を使われてしまう。そんな折、営業に回った宮代から顧客から聞いたという車輪が脱落した他の事故の情報がもたらされた。そのトラックもホープ自動車のトラックで、ホープ自動車が行った調査で整備不良とされたことも同じだ。赤松は事前に連絡をとった上で、高崎市内にあるその児玉通運を訪れ、社長の児玉征治(まさはる)の案内で事故現場へ向かった。

 

その事故現場も緩(ゆる)やかなカーブであり、タイヤが外れることは考えにくい場所だった。ホープ自動車の調査結果はハブの磨耗(まもう)とされたことが大怪我(おおけが)を負った運転手と児玉通運との裁判で明らかになったが、児玉社長は半信半疑ながら認めざるを得なかったという。しかし、赤松からの電話をもらったことで、車両の構造的欠陥(けっかん)の可能性を感じ始めていることを明かした。そして、家宅捜査を受けてから約1週間が経っても赤松が逮捕されないのは立証できないからではないかとも付け加える。

 

ディーラーの担当者を説(と)き伏せて沢田課長と会う約束を取り付けた赤松が沢田を訪ねると、沢田は急用ができたとして課長代理の北村が代わりに対応するが、北村は取りつく島もない態度である。面談の結果を北村から聞いた沢田は、『もう再調査を依頼されても無視だな』といっただけで、赤松運送についてのことは頭からすっかり消してしまう。ところが、沢田のその判断に思いがけない波風が立ったのは、その晩のことであった。(続く)

2014年9月 5日 (金)

日本橋馬喰町の「おさかな本舗 たいこ茶屋」

前回の記事とは時間が前後しますが、8月初旬の平日、都営地下鉄浅草橋駅で下車、江戸通り(国道6号)を南へ歩きました。浅草見附跡の石碑を過ぎると旧町名由来案内に「旧浅草橋」のことが詳しく説明されていました。『昭和9年(1934年)に茅町や瓦町など11の町がひとつになってできた町で、町名は神田川に架けられた橋の名にちなんでいる。奥州街道が通るこの地に築かれた門は浅草御門と呼ばれた。また警護の人を配置したことから浅草見附といわれた。』とありました。つまり、江戸通りを挟んだ、北は浅草橋三丁目から南は総武線浅草橋駅があり神田川に接する浅草橋一丁目を含むエリアが浅草橋です。
 
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地名の由来となった浅草橋を渡りながら右手に伸びる神田川を見ると、屋形船が多数係留されていました。浅草橋を渡り終えた日本橋馬喰(ばくろう)町2丁目にある郡代屋敷跡の案内看板には、「江戸時代に、主として関東の幕府直轄領の、年貢の徴収・治水・領民紛争の処理などを管理した関東郡代の役宅があった場所」と説明されています。
 
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江戸通りが靖国通り(都道302号)と京葉道路(国道14号)と交差する場所はなぜか浅草橋交差点と呼ばれています。その交差点で靖国通りへ右折、150mほど歩いた信号がある変則的な交差点を過ぎた右手のセントピアビル地下一階に「おさかな本舗 たいこ茶屋」がありました。
 
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地上の入口には『正面階段入口より右側へ並んでお待ちください』と書かれた張り紙がありますが、
 
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しかし、並んでいる人は一人もいません。そして、階段を下りた店の入口にも人影がありません。
 
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この店は多くのグルメ雑誌やテレビ番組で取り上げられただけでなく、人気テレビドラマ「半沢直樹」(第6話)のロケ地となったことで、関連の週刊誌の表紙と記事が壁に貼られています。
 
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有名人の色紙も多数ありました。
 
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店内に入って驚きました。午前11時半に開店してまだ5分しか経っていませんが、それほど広くない店内はすでに40-50人の客で溢(あふ)れていました。少し残っていた入口に近い空き席に案内され、テーブルにはお盆・プレート・割り箸が横並びで2人分置かれました。この後のステップはすべてセルフサービスのようです。
 
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この店にはルールがたくさんありました。ランチバイキング(食べ放題)は1100円とリーズナブルですが、制限時間は60分、席は店員の指示に従う、合い席が前提、すべてがセルフサービス、しかも料理(特に刺身)をプレートに取る時には銀行のATMに並ぶように青い線の手前で前の人が移動するのを待つ必要があります。そして、もし食べ残すと1000円の罰金が課せられるのです。
 
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私の1回目の盛り付け調子を確かめるために控えめです。
 
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私たちが入店して15分もするとほぼ満席状態になり、正午ころが混雑のピークで、客の滞留時間は30-40分といったところで、ラーメン店ほどではありませんが客の回転は意外に速いようです。

 

主なメニューを紹介しましょう。まず、魚介類。奥に大きな和太鼓が置いてあります。これが店の名前の由来でしょうか。
 
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肉料理
 
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ご飯・生たまご・みそ汁
 
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サラダとフルーツ
 
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私は刺身を少し追加したあと、サラダも小皿に
 
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デザートとしてフルーツを食べたあと、お盆と食器類を食器下げ口へ返却しました。入店してから50分弱と長めの昼食になったこともあって、店内は空き席が目立つようになっていました。
 
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この日は快晴のため12時半を過ぎると気温は35度近くに上昇したようです。焼けつくような暑さの中を浅草橋駅方面に戻りました。その途中、同行者は浅草橋一丁目交差点の角にある「天然たいやき 鳴門鯛焼本舗」の店に興味を示しました。この店の「一丁焼き」は『明治42年から受け継がれてきた伝統的製法にこだわっており、一匹ずつ直火で短時間に焼き上げるため、川の表面がパリッとしてとても薫り高く仕上がる。北海道十勝産の最高級小豆を大嶺山系の天然水(奈良県天川村にある日本名水百選のひとつ)でゆっくり炊き上げられた黒餡(あん)の小倉とサツマイモ(鳴門金時)の餡も用意している』と説明されています。
 
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昔通りに一丁ずつ焼くためかなりの時間、炎天下で待つ必要がありました。「鳴門鯛焼本舗」のhpで確認すると、関西を中心に約30店舗(首都圏には5店舗)展開しているようです。同行者は黒餡(150円)と鳴門金時(170円)に加えて、大好きという「わらび餅(もち)」(280円)も買い求めました。
 
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<同行者のコメント> 本当に暑い日でした。テレビ番組で紹介されたこの店に無理やり連れていってもらいました。好きな料理を好きなだけ食べることができることから若い人たちに人気があることがよく分かりました。そして、私と同年配の女性がお皿に山盛りにした料理をあっというまに食べきったことにはとても驚きました。やはり、旦那様も私も完全に食べ負けてしまったようです。お腹がいっぱいのはずなのに、鯛焼きとわらび餅を思わず買ってしまいました。帰宅してから食べましたが、とてもおいしかったです。

2014年9月 2日 (火)

TenQ 宇宙ミュージアム(後編)

クロスワードで得られたキーワードがこの先のステップを教えてくれましたが、ネタバレになりますから、それについてはあえて説明を省略します。写真から想像してみてください。
 
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「こっちにきて見上げてごらん」の小さな文字が銀河の中から裏返しで浮かびあがりました。壁に写った文字(2つ前の写真)はココから投影されているのかもしれません。
 
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「ミッションクリアおめでとう!」
 
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それを証明するスタンプを「ミッションラリーQ」(クロスワード)の裏側に押しました。
 
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宇宙人と一緒に記念撮影
 
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つながる場所は「TenQで体験した宇宙ついての好奇心とわくわく感を記憶に定着するトンネル」でした。その最初にある「コトバリウム」(WORD-ARIUM)では、宇宙の興味や探求にかかわるコトバを集め、銀河の映像上に流星のように表現するディスプレイが大きな壁に設置されています。
   
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次は月がテーマでした。
 
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月面の映像がフロアに映し出され、その上を歩くと足跡が残る趣向(しゅこう)が面白く、
 
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その日の日付も同時に表示されています。
 
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“TenQ”
を使った英語のダジャレ(あるいは語呂合わせ)
 
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「ちょっと宇宙でフォト」のコーナーが空いていましたので、自由に撮影することができました。まず、「ロケットに乗っちゃいました」から。
 
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「月に座っちゃいました」
 
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UFOにさらわれちゃいました」
 
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出口を出るとそこは定番通りに「宇宙ストア」。TenQのオリジナルグッズが揃ったミュージアムストアです。同行者たちは入館する前に下見をしていますから、土産物をあれこれ買い込み始めました。期待通りに3時間の滞在中、最もインパクトがあった「シアター宙」をはじめ、さまざまな展示を楽しむことができました。あれもこれもと散漫になりかねない多彩な展示ですが、「ミッションラリーQ」は大人も一緒に夢中になれる行動型のアトラクションでした。

JRの水道橋駅方面へ向かう陸橋の手前にある階段を下りて、都営三田線の水道橋駅へ向かいました。
 
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<同行者のコメント> テンキューは私が見つけた場所です。オチビちゃんとコチビちゃんは思った通りに楽しんでくれました。「みんなでつくる惑星パズル」は写真撮影に夢中になっている旦那様の助けをほとんど借りないでもゴールにたどり着くことができました。旦那様が見つけた日本橋の「アートアクアリゥム2014」には今回行く時間がありませんでしたので、9月下旬に終わってしまう前に連れていってくださいね。パズルを成功させたご褒美(ほうび)として!

2014年9月 1日 (月)

TenQ 宇宙ミュージアム(中編)

Orbotix社が開発したロボティックボール”Sphero”(スフィロ)を使った参加型のアトランションで、この宇宙ミュージアムでは「アストロボール」と呼ばれています。”Sphero”のスマートな球体が惑星を連想させ、”Sphero”が姿勢制御される加速度計とジャイロの組み合わせはロケットの慣性センサーと同じであることが名前の由来のようです。
 
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タッチパネル(パッド)を操作してボールを操縦(進路を制御)して目的のゴールに到達してロケットを発射させるゲームです。各チームは5つの”Sphero”で構成され、それぞれ異なるコースを外れないように操縦するようです。ちなみに、この”Sphero”(単体)は宇宙ストアの他、Apple Storeやアマゾンのサイトでも13,800円(税別)で購入でき、iPhoneiPad、そしてAndroidでも操縦することができるそうです。
 
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「星造機」は星を眺(なが)めるような気持ちで楽しめる光のオブジェです。天井からこの青い星たちが定期的に下に降りてきますが、その数を数えることは意外に難しいのです。
 
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企画展示室に「宇宙旅行」をテーマにした展示がありました。
 
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①宇宙旅行でジャンプ!! ②宇宙旅行、何をしましょう? ③宇宙旅行といってもいろいろあります。④現実化しつつある宇宙旅行はこれです。
 
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⑤宇宙旅行はみんなの想像をかきたてます。⑥あなたは、どんな宇宙旅行に行きたいですか?
 
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「イマジネーションの部屋」にはさまざまな遊具やクイズコーナーが並んでいます。ミッションラリーQ、アストロボール、宇宙ギャラリー、星造機、眺めルーム、太陽系テーブル、ここからしか見えない星座、みんなでつくる惑星パズル、宇宙自分診断など。
 
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クイズが書かれた扉を開けると答えが書いてある仕組み
 
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「眺(なが)めルーム」では、色んな形をした椅子(いす)が用意され、くつろぎながら宇宙映像を眺められました。
 
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サイエンスの部屋で購入(300円)したガチャガチャに入っていた「ミッションラリーQ」(クロスワードバズル)はサイエンスの部屋とイマジネーションの部屋で見つけた展示情報で完成できるはずです。
 
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約20問ある質問はいずれも難しく、即答できるものは大人でも半数にも満たないので、展示品の説明で一つひとつ確認する必要がありました。
 
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宇宙ギャラリー(下の写真2枚)にもヒントが隠されていました。
 
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ヒントに書かれた場所で火星人を見つけて、火星人から秘密の数字を教えてもらいました。
 
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(続く)

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