洛南の紅葉名所 東福寺(その3)
『洗玉澗(せんぎょくかん)と呼ばれるカエデの雲海が色づいており、通天橋からの眺(なが)めはまるで茜色(あかねいろ)の天上を散歩しているかのようにさえ思われるほど』との解説通りの景観です。方丈にも展望台がありました。
東福寺を開山(かいさん、開創)した聖一国師(しょういちこくし)が宋より持ち帰った唐楓をはじめ、境内の約2000本ものカエデがお寺を秋色に染め上げていました。そして、ハラハラと舞い落ちる楓の葉にも趣(おもむ)きが感じられます。ちなみに、国師(こくし、くす)は天皇から贈られる諡号(しごう)の1つです。
通天橋から右折してこの屋根付廊下に入ると開山堂へ行けるようです。
その廊下から見た開山堂の回廊(かいろう)。ちなみに、開山堂とは仏教寺院において開山(最初の僧侶)の像を祀った堂、つまり祀堂(しどう)のことで、御影堂(みえいどう)と呼ぶ宗派もあります。
緩(ゆる)やかな階段を上がり、廊下が左へ折れ曲がった場所で振り返りました。
大きな山門を潜(くぐ)って入った開山塔院の開山堂(重要文化財)は、別名「常楽庵」とも呼ばれ、正面柱間が八間ある禅式瓦敷(かわらしき)屋根を特徴とし、東福寺を開山した帰国僧の円爾弁円(えんにべんえん)、つまり「聖一国師」の像を安置しているそうです。屋上に楼閣を持つ珍しい形式です。
右手にある石製の手水鉢(ちょうずばち)に紅葉が何枚も浮かんでいます。
山門から続く参道を振り返ると白砂に市松模様が描かれた石庭を見渡すことができました。右手に見える建物は方丈(ほうじょう、僧の住まい)であったとされる普門院(ふもんいん)です。
開山堂の内部には簡素な祭壇と「聖一国師」の名前が書かれた額が見えました。
普門院の前から枯山水(かれさんすい、石庭)越しに見た築山と借景(しゃっけい)は人気がスポットのようで、濡れ縁(ぬれえん)に腰かけて鑑賞する人が大勢いました。
開山堂を退出するため、回廊を通って山門へ向かいます。(続く)
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