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2015年10月19日 (月)

O家具の個人株主向け事業説明会

JR山手線新宿駅の南口から甲州街道(国道20号線)に出ました。東南口でも良いのですが、混雑する構内を横切るのは気が進みません。写真はサザンテラスへ向かう横断歩道橋の上から東方向を撮影したものです。
 
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道路の反対側で高層ビル「JR新宿ミライナタワー」が建設中でした。地上32階、地下2階、建物の高さ168.16mの超高層ビルで、地下1~2階が駐車場、1~4階が商業施設、5~32階が賃貸オフィスになるそうです。
 
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同タワーに隣接して線路上に建設中の建物がありますが、そのうち5~7階に設けられる文化施設等も「JR新宿ミライナタワー」に含まれるそうで、オフィスと商業施設は2016年3月、文化施設等は2016年4月に開業する予定とのこと。ちなみに、右後方の建物はJR東日本本社ビルです。
 
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甲州街道を東へ歩きました。この日(10月9日)に開催される「O家具の個人株主向け事業説明会」に参加するのが目的です。案内状に返信(参加を希望)したところ、幸運にも招待状が届いたのです。緩(ゆる)やかな坂道を下りた明治通りとの交差点の左手前に”IDC OTSUKA”の表示があるビルが確認できました。O家具(以下O社と表記)の新宿ショールームです。クラッシクな外観ですが、竣工したのは1991年と比較的新しい建物で、1999年までは三越新宿南館として使われたそうです。
 
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入口にはショールームの名称があります。しかし、展示だけではなく販売を主目的とする店舗なのです。ガラス製のドアには「ベッドフェア」が開催されているとの告知がありました。
 
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このビルの8階に会場が設定されていました。ちなみに、IDCInternational Design Centerの頭文字をとったものとのこと。
 
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受付が開始される午後1時30分にはまだ10分ほどあるタイミングで到着してしまいました。招待状には「会場内は写真撮影禁止」と書かれていましたが、無粋(ぶすい)な看板などは会場にありませんでした。
 
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時間を潰(つぶ)すため会場手前にある展示スペースを覗(のぞ)くことにしました。O社では桐たんすの削り直しも行っているようです。
 
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所在無げに眺めていると、スタッフの計らいで受付け開始時間の5-6分前に会場内へ案内されました。私は80名ほどが収容できる会場の前方に着席して午後1時の開会を待ちました。ちなみに、O家具の本社がある有明ショールームには何度か訪れていますが、新宿ショールームは初めての訪問です。

 

事業説明会へ参加する目的は、今春の株主総会で支持した現社長の経営方針を本人から直接聞くことです。昨年度に経営が急速に悪化した主要因は同社のビジネスモデル(会員制による高級家具のまとめ買い)が市場の変化に対応できなくなっていることは、市場環境(結婚・住宅購入など)が変化し始めた2001年を境にO社(当時の売上高700億円強)を追い抜いて成長が著しい新興家具販売企業のNを引き合いに出すまでもなく明らかで、売上高が550億円前後で停滞する経営状況にあるO社は大きな事業転換を求められていると私は考えます。ちなみに、N社の売上高は2001年に700億円強とO社とほぼ同水準でしたが、2014年度4000億円強へと急伸し、これにともない売上高営業利益率と総資産経常利益率も大きく差をつけてしまいました。

 

2009年に社長に就任した現社長は、顧客の足を遠のかせている密着した接客を控える営業手法に転換して減少を続けていた入店者数を増加させるなど一定の成果を上げましたが、業績不振を理由に昨年7月に解任されました。しかし、元社長が従来路線へ後戻りさせたことで業績はさらに悪化したため、今年1月に現社長が復帰して現在に至っています。2015年度第2四半期に入って最終利益が黒字化(約11億円)したことで昨年度下期(7-12月)と今年度第1四半期(1-3月)の赤字経営体質からは脱したようです。しかし、高い配当率を株主に約束していますから、それに見合った業績を挙げられるかどうかが最大のボイントです。

 

株式を保有する会社の株主総会(あるいは事業説明会)にはできるだけ出席するようにしています。マスコミを通しても情報を入手することはできますが、やはり経営トップの肉声を直接聞くことは大いに意味があることだと考えています。というのは、私には苦い経験があるからなのです。5年前、某電力会社の株主総会に出席した時、経営陣の業績説明と株主からの質問に対する経営陣の回答に誠意が感じられませんでした。安定した経営に保証された定期預金よりも有利な配当利回りは魅力でしたが、早急に同社の株を売却することにしました。

 

しかし、株価が緩(ゆる)やかな下落基調(10%ほどの含み損)があったため(注;配当を考慮すれば含み益あり)、株価が回復するのを見計らっていたところに、「あの3.11」が訪れました。何と、株価は1日で数分の一にまで下落。当面回復することは考えられませんので、止む無く損切りをすることにしました。その他にも、某電力会社ほどではありませんが、株主として応援していた某居酒屋チェーンは、創業者が政界に進出するために経営者の立場から退くと、経営環境の変化に適応できなくなり(急速に経営が悪化して)、今月初めには虎の子であった介護事業を売却すると発表しました。株価は20%ほど下げた後は一進一退を続けていますので、今は同社の動静を注視しています。思い切った打開策による改善が見られないようであれば見切る必要があるかもしれません。

 

定刻の午後2時に説明会が始まりました。社長から中期経営計画の説明がありました。そのサマリーは『企業価値を向上させることで、2017年度に売上高594億円、営業利益19億円を達成する』というものです。ちなみに、2012年度の営業利益(実績)は11.8億円、2013年度は8.4億円、2014年度は▲4億円と悪化傾向にあります。経営悪化の主要因は前述したように同社のビジネスモデルが市場の変化に対応できなくなっていることは成長著しい同業のI社(外資系,2014年8月期売上高771億円)と新興企業ながら今や勝ち組と呼ばれるN社を引き合いに出すまでもなく明らかです。つまり、国内屈指の家具小売りチェーンであるO家具は、大きな事業転換を求められていると私は考えます。

 

企業価値向上は、「中・高価格帯の単品買いの取り戻しとホテル・高齢者住宅・企業など法人需要の取り込みを軸とするビジネスモデルへの変革による成長と収益性向上」を基本とするが、3年後までの短期的な対応として「DOE(株主資本配当率)重視による資本政策(2017年度4.5%)」を重視し、引き続き「コーポレートガバナンスを強化する」の三本柱。また、「新生・大塚家具のビジョン」は、『日本の「住」は成長市場となる、その成長市場で「住まうこと」に必要な全てを提供する企業を目指す』とありました。

 

競合他社として挙げた低価格帯商品が中心のI社(外資系)・N社(新興企業)へ中価格帯志向の顧客が流れたと分析し、今後は中価格帯のメインプレイヤーとして再認識されることでミドルクラスの顧客を中価格帯へ回帰させるたいと説明。そして、安定した需要のある高価格帯を堅持する両面作戦(単品買い重視)、加えインバウンド需要(訪日観光客を受け入れるホテル向け需要)などBtoB事業への取組みを強化することで売上の曜日変動と季節変動を平準化(人材基盤の活用)をして営業効率を向上させたいと付け加えました。また、従来の水平展開ビジネスモデル(豊富な商品展開)に加えて、N社に先行された垂直統合ビジネスモデル(製造・企画開発・在庫・販売のすべてを提供)も強化したい社長は強調。ちなみに、同社は家具の製造販売会社として創業されました。

 

これらの戦略を早急に実施することで業績の本格的な回復に繋げて欲しいものです。事実、若い世代である私の子供たちはいずれもI社の店舗で家具を買っていますし、わが家も簡単なものであればI社の店舗へ出かけて捜すことが多いのです。社長が後半に述べた「生活に合わせたインテリアの重要性」と、最後に説明した「取組みが始まったばかりのリユース事業(買い替え・補修・修理・卸売り)への取り組み」に私は興味を持ちました。『インテリアを変えることで、人生がより豊かになるという価値観をお客様に体験していただく』のが目的であると社長が補足したことも印象に残りました。

 

そのあと、質疑応答に移りました。株主からは積極的な質問や助言、あるいは激励する意見が多数出されました。インバウンド客へ対応と高級家具の買い替え・修理サービスに関するものが多かったと思われます。そして、もっと質疑応答の時間を確保してほしいとの要望も出されました。

 

最後に、商品紹介のコーナーがあり、社長自らが自社のベッドと他社製品を比較しながら、その良さを解説した。一見良さそうな機能を組み合わせた商品がその良さを長期間にわたって十分発揮できるかどうかを見極めてもらいたいと強調しました。ジャパネットタカタ元社長の絶叫型とは対照的なクールなプレゼンデーションを興味深く聞いていると、事業説明会は予定された午後3時30分に終了。

 

再び、新宿の雑踏を歩いて家路につきました。当面は大塚家具の株式を保有し続けることに決めました。もちろん、中期事業計画の進捗状況を確認することは怠らないようにしますが・・。
 
                             ☆
 
 

余談です。今月に入って企業の不祥事が続いています。先の記事でも触れたTゴム工業が3度目になる検査データの不正改ざんが発覚しました。8年前の断熱パネルの耐火性能偽装に続き、今年3月に明らかになった2度目の不祥事(免震ゴムの性能データ改ざん)発覚後の全社総点検で他に問題はないと安全前言を8月10日に出した10日後に、再び内部通報で防振ゴムの不正を経営トップが知るところになったとのこと。「何をか言わんや」です。

 

もう一つは2007年に完成した 横浜市の大型マンションで基礎工事データの不正改ざんが明らかになりました。何とマンションの建物が傾いて『隣の建物と約2cmの段差が出来た』との住民の通報(昨年11月)に対して、販売したM不動産レジデンシャルは東日本大震災の影響ではないかと答えたそうです。

 

しかし、住民側が何度も申し入れた結果、今年2月からM不動産レジデンシャルと施工主のM建設が共同でボーリング調査を行い不適切な杭打ちが多数ある(1棟約50本のうち8本が強固な地盤に届いていないこと、その後コンクリートの不足を含めると3棟で計70本の杭に不正が拡大)を見つけて、今月になって住民側に伝えたとのこと。

 

施工主のM建設の下請けとして基礎の杭打ち工事を担当したA化成の子会社がデータを改ざん(複製)していたことを認めて不正の概要は判明したようです。1年前にも大手建設会社K組が同じ横浜市のマンション(2003年完成)でも同様の不祥事を起こしていたのです。このように日本の大手企業のコーポレートガバナンス(企業統治)とコンプライアンス(法令遵守)は残念なことに中国企業並みの低水準になってしまったのかもしれません。不祥事が多発する背景には何があるのでしょうか。

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