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2015年12月17日 (木)

アルコール依存症的な私の人生

若年層を中心にお酒離れが進んでいるそうです。大学や会社のOB会(飲み会)では若い世代の参加が少ないと嘆(なげ)くシニア層の声を良く聞きます。幹事役を務(つと)めることが多い私は対案を考えるようしばしば求められますが、それは簡単なことではありません。まず、世代間に付き合いの考え方に大きなギャップがあることと話題にする関心事の違いが挙げられます。そして、若い世代にアルコールが敬遠されていることも影響しているのかもしれません。

 

大学へ入った時に私とアルコールとの付き合いが始まりました。とはいっても、同級生の集まりや大学祭などが酒を飲む主な機会でしたから、それほど頻繁な飲酒ではありません。アルコールと深く付き合うようになったのは就職してからで、それ以来50年間近くの長きにわたります。医者から飲酒を止められた20歳代の1年間を除けば絶えることなく飲酒しており、皆勤賞と言っても良いでしょう。

 

そのため50歳代になってからは肝機能の異常を示す数値が高止まりする状態が続きました。退職後は仕事によるストレスが無くなったことから飲酒量はかなり減りました。しかし、飲酒の習慣は続いたことで肝機能検査の数値は、若干の改善が見られただけで、正常な領域に戻ることはありませんでした。

 

そんな私に転機が訪れました。今春から胃が凭(もた)れるようになったのです。軽い胸焼けと喉(のど)の違和感から始まって、しだいに空咳(からぜき)が出るように。昨秋受けた定期健診でも異常が見つからなかったのですが。近くの開業医の診断は「逆流性食道炎」でした。

 

胃液を含む胃の内容物が耐酸性のない食道に逆流して炎症を引き起こす病気です。その原因は老化により胃の入り口である噴門(ふんもん)、つまり下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)、が弱ることで発症することを知りました。日本人では10数%、欧米では20%と、かなり一般的な病気であることも。

 

処方された薬を飲み続けていると症状は改善されましたが、時々悪化することもありました。4-5か月が経過した時の問診でこのことを告げると、医者から戻ってきた言葉は、『お酒を飲み過ぎてはいませんか?』でした。噴門の働きが悪くなることと胃や食道の粘膜が荒れて症状を悪化させるようです。悪くすると食道の潰瘍(かいよう)や癌(がん)につながることもあるとのこと。

 

また、医師である友人からはピロリ菌を除菌することを勧められました。だだし、除菌すると胃酸の分泌が増える傾向があるため、医師とよく相談しながら治療法を選ぶことが必要であるとの指摘もありました。

 

不快な症状から脱したいとの思いから、清水の舞台から飛び降りるつもりで飲酒を止めてみると、2週間後には症状がかなり改善されました。やはり飲酒が原因だったのです。これに安心した私が飲酒を再開するとやはり食道炎の症状が再発。そして、現在はこのサイクル(酒量の調整)を定期的に繰り返しながら、相変わらず「アルコール依存症的な毎日」を送っています。 

 

40年あまり前の20歳代後半に、それまで8年近く続けていた喫煙習慣を2回の失敗を経て完全に止めることができた「意志の強い!?」私ですが、酒についてはからきし駄目(だめ)なのはなぜでしょうか? そして、私が断酒できる日はいつのことでしょうか?

 

                           ☆

 

私の酒浸(さけびた)り人生の話だけでは興(きょう)に乗らない、つまり面白くないと思いますので、ここで酒(アルコール)に関する薀蓄(うんちく)を披露(ひろう)しましょう。  

 

人が酒をやめられない主な理由は体内に入ったアルコールが脳にドーパミンを分泌(ぶんぴ)させるためです。ドーパミンは「快楽物質」、あるいは「生きる意欲を作るホルモン」と呼ばれるように、人を積極的にさせる働きがあります。つまり、「快感や多幸感を得る」や「意欲を作ったり感じたりする」という機能を担(にな)う脳内ホルモンのひとつなのです。そして、快感を得ているときにはストレスホルモンである「コルチゾル」が分泌されないのです。このため、飲酒が習慣的な行動となりやすく、やがてアルコール依存症への道を歩(あゆ)むことになります。

 

これは飲酒に限りません。人間はドーパミンを分泌させることを目的として生きているとも言えるのです。快感や幸福感をつかさどるドーパミンを増やすには、飲酒の他に、「新しい刺激」「はじめての感動」といった「新鮮さ」を感じることも有効とされます。また、マイナス思考ではなく、プラス思考であるほうが、ドーパミンの分泌量は多いようです。 

 

このため、新しい課題や問題に取り組むと脳が活性化されて脳は快感を得るのです。先の記事「どうして自分だけは?」に書いた「私の我侭(わがまま)」もこの快感を求めるものだった思います。しかし、いつもと違う方法で対応しようとするといつも通りに成功できないのではないかという不安(マイナス要素)が発生します。そこで、人はこれまで成功してきた方法で新しい課題にも取り組もうとするのです。これが「成功のジレンマ」と呼ばれる望ましくない状態で、残念なことに私もこのジレンマに陥ったのです。 

 

このジレンマから脱するためには、まず精神的および時間的なゆとりを確保する必要があります。追い込まれてからでは遅いのです。そして、「マイナス要素」から「プラス要素」を見出す「不断の努力」も不可欠なのです。その「労が多い努力」は「新鮮さ」という快感によって脳を満足させてくれるのです。50歳近くなった時にビジネス環境が急激に悪化しましたが、新しい考えで問題を解決してドーパミンを発生させるのではなく、成功確率が高い堅実な(つまり消極的な)対策に甘んじながら飲酒量を増やすことによって私はドーパミンを得ていたのです。今になって気づいても手遅れですが・・。 

 

閑話休題。アルコールを摂取(せっしゅ)すると上記のような効用に加えて副作用も生じます。それは脳で創造性を担う最高中枢である前頭前野(ぜんとうぜんや)がアルコールによって麻痺(まひ)することによって人の理性が働かなくなり、「異常な行動」となって現れます。その行動は人によって様々であり、 「泣き上戸(じょうご)」、「自分自身における、あるいは他人に対する破廉恥(はれんち)な行為」、「無口な人の多弁症」、「記憶喪失(きおくそうしつ)症状」(実際は記憶していない)など。

 

酩酊(めいてい)状態に至らないる酒量は人によって異なるようです。アルコールを分解する酵素がある人は酒の影響が軽度ですが、その酵素が少ない人は酔いやすいのです。通常の日本人は西洋人に比べてこの酵素が先天的に少ないといわれていますから、西洋人とのパーティでは自分の許容量を超えないよう十分気を付ける必要があります。というのは、西洋人は飲酒の仕方に人格が現れる(酒は皆で楽しむために飲む)と考えるため、日本人のように「酒の上の失態」と大目にみてくれません。老婆心ながら書き添えます。

 

                             ☆ 

 

年末が近づきました。2か月前から予定していた関西旅行へ明日出かけますので、ブログ記事の投稿は年末まで休止します。

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