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2016年1月28日 (木)

洛西のドライブ旅 西山の名刹「松尾大社」(前編)

国道9号から府道123号に入り、さらに府道29号(物集女街道、山陰街道と西国街道を結ぶ街道)を北上して「松尾大社」に到着ました。ちなみに、市の中心部からは四条通(府道29号)を西進しても行けます。石畳の参道脇に参拝者用駐車場(無料)を見つけました。
 
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松尾大社のhpにある御由緒を引用します。『当社の御祭神「大山咋神」は、当社社殿建立の飛鳥時代の頃に、始めてこの場所に祀られたものではなく、それ以前の太古の昔よりこの地方一帯に住んでいた住民が、松尾山の山霊を頂上に近い大杉谷の上部の磐座(いわくら)に祀って、生活の守護神として尊崇したのが始まりと伝えられております』

 

『五・六世紀の頃、秦の始皇帝の子孫と称する(近年の歴史研究では朝鮮新羅の豪族とされている)秦(はた)氏の大集団が、朝廷の招きによってこの地方に来住すると、その首長は松尾山の神を同族の総氏神として仰ぎつつ、新しい文化をもってこの地方の開拓に従事したと伝えられております』

 

『秦氏は保津峡を開削し、桂川に堤防を築き、今の「渡月橋」のやや少し上流には大きな堰(せき=大堰→大井と言う起源)を作り、その下流にも所々に水を堰き止めて、そこから水路を走らせ、桂川両岸の荒野を農耕地へと開発して行ったと伝えられております。その水路を一ノ井・二ノ井などと称し、今現在も当社境内地内を通っております』

 

余談ですが、松尾大社は松本清張氏の長編推理小説「Dの複合」に登場することも記憶に残っています。奇妙なタイトルが小説の伏線(緯度と経度)を見事に表現しているのは松本清張氏ならではのことでしょう。私は緯度と経度にそって地球を輪切りにした時に地球の中心を通る直線と形作る半円がDであろうと思いましたが、実は緯度と経度に含まれるDであることを後になって知りました。8年半前の記事「丹後半島のドライブ旅と城崎温泉」にこの小説のポイントを書きましたが、改めて粗筋(あらすじ)を紹介します。

 

売れない作家である主人公は雑誌社から依頼を受けた伝説を訪ねる旅で東経135度線上の網野町(京都府京丹後市)や明石市(兵庫県)、北緯35度線上の三保の松原(静岡県)・寝覚の床(長野県)、そして松尾大社(小説では旧名の松尾神社)などを旅することになります。そして、主人公はその旅先で奇妙な出来事に次々と遭遇しますが、それらは周到に計画された復讐劇であることが次第に明らかになるというストーリー展開です。余談はここまでとして本題へ戻りましょう。

 

参道の先に一の鳥居(大鳥居)が見えます。扁額(へんがく)にある「松尾大神(おおかみ)」は松尾大社の祭神である「大山昨神」(おぽやまくいのかみ、おほやまくひのかみ)と海上守護の神「中津島姫命(別名:市杵島姫命)」(なかつしまひめのみこと)の二柱の総称です。「大山昨神」は山の地主神かつ農耕(治水)を司る神で、「中津島姫命」は筑前地方の海人豪族である宗像氏が信仰した航海の守護神「宗像三女神」の一柱のようです。同じ鳥居の注連縄(しめなわ)には脇勧請(わきかんじょう)と呼ばれる12本の枯れた榊(さかき)の束が吊(つ)るされています。年始に瑞々(みずみず)しい榊の枝を束ねて吊るし、その枯れ具合で農作物の出来不出来(完全に枯れると豊作)を占うものだそうです。また、鳥居の先に見えるのは楼門と思われます。
 
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「松尾大社全景」です。12万坪の境内に含まれる松尾山の大杉谷にある磐座の神霊を渡来人の秦氏が勧請(かんじょう)して現在地に社殿を構えたのがこの社の創建とされているそうです。
 
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鳥居を潜った参道の左手に舟が置かれているのが見えました。
 
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神幸祭の神輿(みこし)と駕輿丁舟(かよちょうぶね)の説明。4月下旬から5月中旬に、神幸祭(おいで)・還幸祭(おかえり)と呼ばれるお祭りをやっています。
 
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その隣には「お酒の資料館」があります。酒造についても秦一族の特技とされ、室町時代末期以降、松尾大社は「日本第一酒造神」と仰がれ、酒造関係者の信仰を集めているそうです。境内の亀の井の名水が酒に変わったという逸話は有名である。
 
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「お酒の資料館」の内部
 
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日本酒のラベル
 
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楼門(ろうもん)
 
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左右にある随神は弓矢を持っています。
 
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楼門を入って一ノ井川を渡ると拝殿の前に出ました。
 
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石段の右脇にある「撫で亀」は撫(な)でると幸運が訪れるそうです。ちなみに、亀は鯉とともに松尾大神の神使とのこと。
 
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右手にある手水所では亀の口から水が流れ落ちています。
 
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本殿(国の重要文化財)の前には仮設の賽銭箱(さいせんばこ)が設置されていて、本殿がよく見えないことが残念でした。松尾大社のhpに掲載された本殿の写真を参照してください。ちなみに、本殿は室町時代・応永4年(1397年)に建造されました。両流造りですが切妻造りに似た建築で「松尾造り」と呼ばれるそうです。申し出れば神職が案内してくれるようです。ちなみに、料金は1000円とのこと。
 
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拝殿の裏手では正月(初詣)の準備が進められています。
 
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(続く)

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