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2016年1月14日 (木)

2016年の日本経済と株価の動向を考える

「南丹のドライブ旅」はまだ続きますが、箸(はし)休めの記事を一件だけ投稿します。
   
                           ☆

 

社会の動向、なかでも経済の動きを反映する指標としてまず挙げられるものは、5カ月前の記事「世界経済の動向予測と資産防衛術」で書きましたように、資源価格・為替とともに株価でしょう。この数年、東京市場では売買の6割以上を海外投資家が占めるようになっています。2015年は海外投資家が7年ぶりに売り越しに転じました。売り越し額は2,509億円と僅(わず)かですから売り買いが拮抗(きっこう)した年だったというべきでしょう。このため、日経平均株価(終値)は1月5日の17,408円から急上昇と下落を経て12月30日の19,033円へと約9.3%上昇する結果になりました。
 
安倍晋三内閣(第二次)がアベノミクスを始めた2013年には海外投資家が15兆1,196億円も買い越しました。それは主要国の金融緩和による世界的な金余り状態とアベノミクスで日本が変わるのではないかという期待感がマッチしたことが主な理由でした。
続く2014年も海外投資家によるアベノミクスへの期待は続きましたが、買い越し額は8,826億円にとどまり、日経平均株価は1万4,000円から1万6,000円(年末には1万8,000円)のレンジで緩やかな上昇傾向で推移しました。そして、2015年は世界的な株高傾向も手伝い海外投資家の日本株に対する見方は良好で海外投資家の買い越し額は2兆6,583億円となり、日経平均株価は6月に昨年の高値2万952円を付けましたが、その直後に上海株が急落したため日本株にも売りが一気に広がりました。

 

これを埋めるように年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など日本政府系金融機関が日本株を大量に購入(2014年の2兆7,848億円に続いて、2015年も2兆75億円買い越)したことで1万8,000円から2万円のレンジを上下し、上記したように年間では約9.3%の上昇に貢献した(昨年後半には含み損を出し始めた)のです。しかし、昨秋には購入枠をほぼ使い切ったため、その後は2万円前後を上下する展開になりました。これをもって日本政府は『日本経済は堅調でデフレを脱却しつつある』と喧伝(けんでん)していますが、郵政関連の新株発行(盛り上がりに欠ける結果となった)を除けばほとんど個人投資家の動きに繋(つな)がっていないようです。
 

そして、2016年は波乱の幕開けとなりました。日経平均株価が初日の1月4日から6営業日連続して大幅に下落(1万8,900円から1万7,200円、約9%の下落)。1月13日には500円(2.9%)近く反発しましたが、取引終了後に米国のNYダウ平均株価が2.2%急落したことで、14日は500円以上の大幅安で始まりました。このような株価急落の背景には多くの悪材料(資金の流出要因)が堆積(たいせき)したことがあると考えられます。思いつくままに列挙しますと、昨秋発覚した東芝の不正会計処理問題(株式市場の信用問題)、価格が低落し続ける原油(30ドル割れ)や鉱物などの天然資源、12月には米国による利上げ開始、中東情勢のさらなる泥沼化(年初にイランとサウジアラビアの対立が激化)、中国経済のさらなる悪化(貿易総額が前年比で8%減少)、そして円の急騰(対ドルで年末の124円から117円へ)などです。

 

いずれの要因も短期的に改善(好転)する見込みはありません。政府はアベノミクス第2弾でGDPを現在の500兆円レベルから2020年度までに600兆円へ拡大させる目標(期待)を掲げていますが、それを実現する(経済の成長力を強化する)現実的な施策を策定することと早急かつ愚直な取り組みが不可欠だと思います。笛を吹く(リップサービスをする)だけでは個人や企業は踊らない(金を使わない)のです。騒(さわ)ぐ年(干支)と言われる申年(さるどし)ですから、恣意的(しいてき)に発せられる強気な言葉に惑(まど)わされず、じっくり様子を見る必要がある一年になりそうです。また、そうするのが賢明だと考えます。しかし、残念なことに、昨年9月の関連記事「日経平均株価の動向(フォローアップ)」で触れた日経平均株価の底値予想16,000円~16,500円(あるいは私の底値予想である15,000円から16,000円)は今春にも現実のものとなるかもしれません。

 

最後に余談です。昨年前半には低価格商品に加えて高価格帯の商品も売れ始めているとの報道が見られましたが、最近は飲食業を中心に低価格商品を強化して売り上げを伸ばすデフレ型企業が再び目立ち始めました。この背景には、2014年4月に行われた消費税増税の影響がまだ尾を引いていることと、アベノミクスによる円安で輸入物価上昇と実質賃金(所得)の減少、コストアップ商品を値上げした人気企業(ファストフードMC、居酒屋WT、カジュアル衣料UQなど)の経営悪化、つまり消費行動が弱まっている状況があります。すなわち、日本経済はデフレから脱却して経済成長が始まる前の踊り場にあると考えるのが妥当のようです。
 
昨年から続くこの踊り場を脱して、一般消費者の購買意欲と企業の設備投資が復活するのはいつのことでしょうか? かろうじて名目GDPで世界第3位の地位(注1;人口の多さに助けられて4位のドイツには差がある)を保っている日本経済(注2;国民一人当たりの名目GDPでは、1980年代後半から1990年代は3位をほぼキープしていたものが、現在は20数位にまで急降下)が、1990年以降の横這(よこば)い状況となった名目GDPを維持できず、長期的な衰退(縮小)過程へ移行する初年度にならないことを切に願っています。

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