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2016年5月22日 (日)

人はなぜ後悔するのか?

本稿では「怒り」や「嫉妬」と同様、人にとっての「嫌な(苦しい)感情トップ3」の一つといえる「後悔」とは何かを考えてみます。「後悔」が他の2つ(主に現状についての感情)と異なる点はもう取り戻せない過去についての思いであることです。つまり、「覆水(ふくすい)盆に返らず」の悩みなのです。辞書を引くと、『自分のしてしまったことを、あとになって失敗であったとくやむこと』 とありますが、「できるのにしなかったこと」の方がより大きな後悔の対象になると私は考えます。

 

人が後悔するのは、『別の選択をしていればもっと良い状態になっていただろう』 と考えるからなのです。つまり、「~たら」「~れば」と夢想(むそう)するのです。言いかえれば、「自責の念」と「やり直したいとの願望」があるため、「現実逃避」することで、より辛(つら)い「反省する」ことや「現実の自分を見つめる」怖(こわ)さから自らを守ろうとするからなのです。つまり、これは人間の自然な防衛反応なのです。

 

この防止策には「後悔回避」という心理学的な手法があるそうです。それは意思決定をおこなう場面において、将来の結果について予測をおこない、現実とは異なる良い状況と対比する「反実仮想」によって生じるネガティブな感情、つまり「後悔」による不快な状態を避けるように決定を行うという「リスク回避法」です。分かりやすく表現すると、『無難な選択を行う』 あるいは『何もしないと望まない結果になりそうな場合はリスクを取って行動する』 という対応法です。しかし、この判断を的確に行うためには専門家の指導が必要でしょう。

 

「後悔」をする具体的な対象は人によって様々ですが、勉学・恋愛・結婚・仕事・対人関係などが多いでしょう。そして、同じ失敗に対するリアクションでも、「後悔」と「反省」では本質的に異なります。前者は運の悪さや他に理由を探そうとする後ろ向き(過去にとらわれた)感情が含まれますが、後者には他者への思いやり(配慮)と自らの過ちを受け止めて二度と繰り返さないとの意思があります。いずれになるかは本人次第なのです。つまり、「後悔」は心理学において「自分が選択しなかったことの方にとらわれる心理状態の表れ」とされ、その傾向がある人は後悔しやすいといわれます。

 

恋愛についてあれこれ講釈するには知識も経験もありませんが、仕事と対人関係では私もこれまで多くのことを経験しました。「仕事」についての諺(ことわざ)に、『好きこそものの上手なれ』『石の上にも三年』『急がば回れ』『失敗は成功のもと』『善は急げ』『災い転じて福となす』などがありますが、いずれも「後悔」するリスクを減らす優れた考えだと思います。仕事上の対人関係では、良好な関係の人を大事にするだけではなく、「苦手な人」「怖(こわ)い人」「頑固(がんこ)な人」「目上の人」に思いきって接することが重要であることをサラリーマン生活で学びました。

 

「取り付きにくい人」と思われた人のもとへ思いきって飛び込むと、冷たく突き放されることもありましたが、時には親切にアドバイスしていただけることもありました。あるいは、自分に敵対しているのではないかと思われた人が実は親身に自分のことを考えてくれていたことを後になって知ったこともあります。サラリーマンとして半生を過ごした私が得た格言は、『困りきった時は嫌な(苦手)な人に思いきって当たれ』です。

 

とはいっても、私の限られた経験だけではものたりませんので関連する書籍を探してみました。一つは当ブログで紹介した「嫌われる勇気」(岸見一郎・古賀史健共著、2013年ダイヤモンド社刊)です。この本は対人関係について示唆(しさ)することが多くありますが、「後悔」について論じるには限定的な領域に限られています。

 

もう一冊は「死ぬときに後悔すること 25」(大津秀一著、2009年致知出版刊)には終末期医療の専門家である著者が死を目前にした患者たちが後悔したことを25項目にまとめて分かりやすく説明しています。その主なもの7項目を抜粋(ばっすい)して下記します。

 

○ 健康を大切にする

○ やりたいことをやる

○ 夢を叶える

○ 他人に優しくする

○ 人の意見に耳を傾ける

○ 趣味に時間を割く

○ 行きたい場所へ旅行する

 

いずれももっともだと思われることがらであり、かえってこれらを実現することは難しいのでしょう。参考にはなりますが、対処法の参考としての"how-to"本としてはものたりません。

 

では、「後悔」しないためにはどうすれば良いのでしょうか。私の独断になりますが、それには過去にとらわれず自分が最良な選択をしたと考えるように努力することです。『人間万事塞翁(じんかんばんじさいおう)が馬』 の故事(こじ)を理解することです。つまり、過去にとらわれるのではなく、現在と将来について考えるのです。ついで、何がその判断をさせたのかを冷静に考えることも必要です。そう思った理由や思い込みがきっとあったはずです。自らの甘い考えや非現実的な願望だったのかもしれません。

 

あるいは、高すぎる目標が達成されなかったのかもしれません。それを避けるためには、『低め(直近)の目標を設定して、それを実現する』 のプロセスを繰り返しながら高い目標に近づいてゆく堅実な方法があります。そして、チャンスと思われるタイミングには思いきった行動をとる(ジャンプする)ことも必要です。一歩ずつ進んだ確かな実感と自信があれば、ここぞという時の決断に迷いはないでしょう。万一、うまくいかなくても後悔することはないと思います。

 

もう一つ重要なことは、自分にとって何が重要であるかをよく考えて、それらに優先付けをすることです。人は自分のことを意外に分かっていませんから、これは大事なプロセスです。あとで変わっても良いのです。何かを決断する時に、この尺度があれば、あまり悩まなくてすむでしょう。それでは味気ないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、その決断は自らも納得できるものであり、後になって「後悔」することに比べればより合理的な方法でしょう。

 

もし、「後悔」してしまった場合は、あれこれ悩んで「負のスパイラル」に陥(おちい)るのを避けるとともに、経緯と結果を文字に書き出して自らの状況を客観視することです。「負のスパイラル」に陥りかけたとしても、客観視するプロセスを通して「後悔の地獄」から脱却できるかもしれません。それでもできない場合は、精神科や心療内科などの専門医を訪ねて治療を受けると良いでしょう。また、後悔しやすい人は酒・タバコ・ギャンブルなどの依存症にもなりやすいといわれます。もし依存症も併発したなれば、自らの力で克服することはもはや難しいと考えられ、専門医の助けを借りる必要があります。

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