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2017年2月12日 (日)

高齢者による自動車運転を考える

交通事故はさまざまな対策が取られたことで事故数がピークに達した10年前の半数の水準まで低下(改善)された一方で、高齢者による交通事故、特に運転中に起こした事故が最近増えていることが、マスコミによって連日のように報道されます。交通事故の2件に1件、つまり半数が高齢者によることが耳目を集めているのです。

 

死亡事故では、高齢者が約3割を占めますが、年代別にみると、10代と80代が一番高く、次いで20代と70代、そして30代から60代までは大差がないという鍋底形の分布になっています。

 

また、65歳以上の男性ドライバーでは6割以上が中程度の認識症を抱(かか)えていることが日本老年医学会で報告されていますが、人は認知症だけではなく、加齢とともに運動能力が衰えることは避けられません。それも徐々に進行するため自身では気づきにくいのです。特に反射能力の低下は顕著といわれます。

 

一方、古い経験(なかでも良いこと)の記憶はいつまでも残りますから、現在の運動能力と経験記憶のギャップが拡大してしまうのです。つまり、昔は容易にできたことが今はなかなかできない状態に陥る一方で、逆に慢心(過剰な自信)が生まれます。しかも、それを自分で認識することはまれであることが厄介(やっかい)です。

 

高齢者による運転事故の原因は二つに大別できます。(注、認知症によるものを除く) それたは交差点での飛び出し事故と駐車場(あるいは料金所)におけるブレーキとアクセルの操作ミス(踏み間違い)です。自動車の運転に必要な基本行動は「認知」「判断」「操作」の三つですから、この行動に対応させて考えてみます。

 

前者の劣化要因として考えられるのは、「注意力散漫」、「判断力低下」、そして「視野狭窄(きょうさく)」などです。つまり、交差点を通過する時に必要な情報(交通信号、対向・横断・右折車両、歩行者など)を十分に収集および確認しないまま通過しようとすること、あるいは十分に収集したとしてもタイミング遅れ(あるいは不適切なハンドル操作)で通過しようとするケースです。出会い頭の衝突や一方通行区間を逆走して起こす正面衝突事故が代表例でしょう。

 

また、後者の事故原因は「運動能力の低下」によるペダルの踏み間違いに、あるいは踏み込む度合いを適切に制御できずに(強く踏みすぎて)運転者がパニックに陥ることです。コンビニの店内に突っ込む事故や立体駐車場から落下する事故などがこれに該当(がいとう)します。

 

以上の原因または要因を客感的に自己認識することは意外に難しいのです。ですから、助手席に乗る人(運転経験者)の意見を聞くことはかなり役立ちますが、最も有用だと考えられる方法はドライブレコーダーで撮影された運転状況の映像を再生して、自分の癖(くせ)や欠点を確認することです。

 

事故が起こった後、その原因を科学的に解明する手段としてはEDR(イベントデータレコーダー)と呼ばれる装置があります、この装置は事故の5秒前からの操作をデータとして記録することができます。

 

私は、車の加速または減速状況を確認しながらブレーキまたはアクセル・ペダルをゆっくり操作する(踏む)よう習慣付けることで、急な加速または減速を行わないように心がけています。この理由は快適さと安全性を重視するからなのです。最近になって、急な操作をしがちな運転者のために(フェイルセーフの観点から)、万一誤操作をしたとしても重大な事故を防止する仕組みが実用化されています。つまり、不適切なペダル操作による衝突事故を防止する技術としての安全運転支援システムです。

 

トヨタ自動車において、インテリジェントクリアランスソナー(ICS)という運転支援機能がいくつもの車種にすでに搭載されています。ICSはペダルの踏み間違いなどにより急発進した時には、バンパーなどに設置されたセンサーが障害物を検知して自動ブレーキを作動させる仕組みです。駐車場における暴走、あるいは交差点での信号待ち時や渋滞する道路の最後尾車両への追突を防止することが期待できます。

 

最後に、高齢者の運転に関心が集まり、その対策が検討されることは望ましいことですが、そのセンセーショナルな視点(高齢者による運転を罪悪視)に陥(おちい)るのではなく、「高齢者の自動車を運転する能力の個人差把握」「若年層が引き起こした交通事故の原因究明」「認知症患者の運転を制限するルール」などの総合的な対策が不可欠だと考えます。

 

長年、将来の夢として語られてきた自動運転については、ドライバーの責任において行われる加速・操舵・制動の実用化が数年後(2020年ころ)には、そしてシステムの責任で行われる自動走行システムは10年以内(2025年ころまで)に実用化(市場化)されると予測されています。

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