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2017年6月12日 (月)

グルメを求めて上信越を巡るドライブ旅」(その5) 世界遺産「旧富岡製糸場」⑤

南隣にある「揚返場(あげかえしじょう)」(見学不可)は小枠(こわく)に一度巻き取った生糸を大枠(おおわく)に巻き直す工程を行う場所で、湿度の高い日本では生糸を繭として固めていたセリシンの作用で再融着することを防ぐため、欠かせない工程だそうです。

 

その向かい側(東側)にある「診療所」は、『昭和15年(1940年)に建てられた、3代目の診療所です。(明治時代には病院といっていました)注、世界遺産「旧富岡製糸場②」の写真で分かる 当初の診療所は敷地の北東部に建てられ、フランス人医師が治療にあたった。また、官営所代においては治療費・薬代は工場側が負担していました。官営から片倉までの全期間を通じ厚生面が充実していたことが分かります』 と説明されています。
 
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その南隣にある「病室」
 
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通路が行き当たる「ブリュナ館(首長館)」(明治6年の建築、国の重要文化財)は、創業時に指導者として雇われていたフランス人ポール・ブリュナが家族やメイドと暮らしていた住居です。桟瓦葺(さんかわらぶ)きの寄棟屋根をもつ巨大な住宅です。高床式で周囲に回廊風のベランダをもつことで風通しが良く、開放感のある設計です。ブリュナが明治9年に契約満了で帰仏したあとは、寄宿舎や工女に読み書きや和裁を教える夜学校、後には片倉富岡高等学園の降車として利用されたため、内部は大幅な改造が加えられているそうです。
 
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「洋裁室」と「第一教室」の表示板が確認できます。
 
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「ブリュナ館」の周囲にそって歩くと、南東角に「場内の案内」と書かれた構内図がありました。
 
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敷地の南端に出ました。大きな桜の木々が印象的です。フェンスには国の重要文化財に指定されている「レンガ積排水溝」の説明看板があり、『製糸場から出る糸を取ったあとの排水と建物屋根の雨水ために造られたもの』 と書かれていました。
 
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フェンス越しに見下ろした鎧川(よろいがわ)と対岸の風景
 
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振り返って見た「ブリュナ館」の南面
 
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その西隣には何棟かの「寄宿舎」があります。
 
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「富岡製糸場」がこの地に建設された理由は、①富岡周辺で養蚕(ようさん)が盛んで生糸の原料である良質な繭が確保できる、②工場建設に必要な広い土地が用意できる(注、江戸時代末期に代官所の予定地)、③生死に必要な水が既存の用水を使って確保できる、④蒸気機関の燃料である石炭が近くの高崎・吉井で採れる、⑤外国人指導の工場建設に対して地元の人たちの同意がえられた、ことが富岡製糸場のhpに説明されています。ガイドさんの説明では、それ以外にも、瓦やレンガを近隣から調達できたこともあったとのこと。

 

「東置繭所」の中央にある通路を抜けて「乾燥場」の前に出ました。左端に写っているのは「東置繭所」の2階へ上がる階段です。
 
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その格子塀に「ブリュナエンジン(復元機)」が公開中であると表示されています。
 
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「西置繭所」の方面へ歩きました。保存修理工事中のためフェンスで立ち入りが制限されています。
 
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左へ折れた場所にある純白の新しい建物の中に「ブリュナエンジン(復元機)」がありました。横型単気筒蒸気機関のようです。
 
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反対側へ回り込むと、回転を安定させる大きな弾み車(フライホイール、直径約2.5m、重量1200kg)がついていました。
 
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蒸気の供給パイプと排出パイプ、主軸の回転を調圧バルブに伝える多段可変のベルト駆動機構、シリンダー内にあるピストンの往復運動を主軸の回転運動に変換するクランク機構、そしてシリンダーの両側へ蒸気を交互に供給する切り替える弁を駆動するカムが主軸に取り付けられていることが確認できます。また、中央上部にある2つの金属球が主軸が回転する速度に応じて水平方向に広がることによってバルブを駆動し、シリンダーに供給される蒸気圧を調整する調速機(ガバナー)を備えた優(すぐれ)れものです。つまり、主軸の回転速度を一定に保つ仕組み(自動制御機能)が具備された完成度の高い蒸気機関です。注、シリンダー径254mm、ストローク500mm、つまりシリンダー容量約2万cc、出力は17.5馬力
 
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「ブリュナエンジン(復元機)」1/5縮尺模型には主軸のカムとシリンダーを繋(つな)ぐシャフトが付いています。
 
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「ブリュナエンジン(復元機)」の説明パネルには、『平成28年にできるだけオリジナルに近い材料を使って復元された。創業時の「ブリュナエンジン」は煙突脇の蒸気釜所に設置され、その主軸の回転力(エネルギー)は地下を経由して南隣の「繰糸所」と「揚返場」にある枠(わく)を回転させる動力として利用された。そして、動力源が電気モーターに換わる大正9年までの約50年間使われたた。昭和43年に当時の片倉工業から博物館明治村へ寄贈され、現在はその施設内に展示されている。この蒸気機関には銘板がなかったため、フランス人技術指導者の名前で呼んだ』 ことなどが書かれています。
 
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イギリスのジェームズ・ワットにより実用的な蒸気機関が開発された1769年の約100年後である1872年(明治5年)に導入されたこの「ブリュナエンジン」は最先端で完成度の高い蒸気機関であったと思われます。 

 

おまけとして、「川岸の風景」、「寄宿舎跡」、「ブリュナエンジン(復元機)」を案内してもらったことで、ガイドツアーは予定時間(40分)を大幅にオーバーして1時間近くになりました。

 

参考情報です。ガイドツアーに参加しなくても、スマホを使う音声ガイド(無料)も利用できますが、もし時間がゆるせば、ガイドさんの生の説明を聞くことができるガイドツアーへの参加をお勧めします。(続く)

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