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2017年8月16日 (水)

湖南三山・国宝巡り(その2) 阿星山長寿寺の本堂・春日厨子(前編)

常楽寺の駐車場から県道119号に出てさらに約1km南下。生涯学習施設「阿星のステージ」と町営公園「じゅらくの里」を過ぎて県道の終点に長寿寺の案内看板を見つけました。
 
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案内看板にしたがって右折すると、50mほど先に長寿寺の駐車場(約20台)がありました。山門脇にある受付で拝観料(大人500円)を納めて参道に入ると、
 
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紅葉シーズンの写真が飾られています。
 
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一直線に伸びる参道が続きます。参道脇に植えられた楓(かえで)が直射日光を遮ってくれることに感謝しながら歩きました。
 
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阿星山(あぼしさん)長寿寺は阿星山(693.1m)の北東麓にあり、常楽寺の西寺に対して東寺と呼ばれる天台宗の古刹(こさつ)です。奈良時代後期、聖武(しょうむ)天皇の勅願によって良弁が創建したと伝えられ、七堂伽藍二十四の僧坊があり、聖武天皇が皇女の長寿を願い長寿寺という寺号を贈ったことに始まるそうです。平安時代初めに中興されて阿星山五千坊と呼ばれるほどの天台密教の修行寺院となった後、一時衰えましたが、鎌倉時代初期には源頼朝が、室町時代には足利将軍家が祈願所として諸堂を造改修したといわれ、寺内への軍勢などの乱入を禁止した足利尊氏の制札が保管されているそうです。そして、信長が本堂の左後方にあった三重塔を安土城内の總見寺へ移築したため、現在は本堂、弁天堂、石造多宝塔を残すだけになりました。ちなみに、三重塔は總見寺に重要文化財として現存しています。

 

参道の左手に子宝祈願の石が祀られる「内佛堂」があります。
 
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さらに進むと、参道は二手に分かれました。右手が長寿寺の本堂方面で、左手が鎮守社の白山神社の参道となっています。
 
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フクロウの置物を見かけました。「ふくろうのお宿」と表示されています。「長寿寺」の名前にちなんだのでしょう。
 
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参道の右手に「日本最大級の石造多宝塔」がありました。
 
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これは聖武天皇の菩提を弔うために鎌倉時代に建立されたものだそうで、上部が大きいことでアンバランスかつ無骨な姿が味わい深い印象を与える立派なものです。相輪が欠けていることが惜しまれます。
 
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参道の先にある鐘楼
 
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重要文化財の「弁天堂」の説明看板
 
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こちらが池の中にある「弁天堂」
 
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小池の中島に立っていて、桁行(正面)一間、梁行(側面)一間と小規模、屋根は一重入母屋造・唐破風付檜皮葺(ひわだぶき)でありながら、美しい建築です。左手では睡蓮の花が咲いています。
 
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国宝「長寿寺本堂」と重要文化財「長寿寺弁天堂」の説明看板
 
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国宝に指定されている「長寿寺本堂」は双堂(ならびどう)と呼ばれる古い木造建築の様式だそうです。
 
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屋根が低くて形姿(なりかたち)のすぐれた国宝の本堂は天平(注、奈良時代前半)年中に創建されましたが、貞観(じょうかん、奈良時代後半)年中に消失・復元して現在に至っているそうです。大きさは桁行(正面)五間、梁間(側面)五間、屋根は一重寄棟造、向拝は三間檜皮葺、四面回廊がある天台伽藍には珍しい建築とのこと。中央三間は桟唐戸の入口、左右に連子窓になっています。(出典:長寿寺のパンフレット) 注、説明看板には鎌倉時代前期に建てられたとあり、いずれが正しいのか不明

 

本堂の脇に重要文化財「丈六阿弥陀如来坐像」の案内看板が立っていました。注、丈六は仏像の背丈を示し、坐像の場合は約8尺(2.43m)
 
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写真を撮っている間に同行者はさっさと本堂に上がっています。
 
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正堂と礼堂とに分かる本堂内は写真撮影ができません。正堂内陣にある春日厨子(かすがずし)内には中央に秘仏のご本尊「子安地蔵尊」、脇士に「観世音菩薩」と「毘沙門天」が安置されているそうです。秘仏のため、ご開帳は50年に一度だけですが、数年前に行われたため当分開帳されることはないとのこと。グループの参拝客と座って説明員から長寿寺と仏教の話を20分あまり聞かせていただきました。(注、以下4枚の仏像写真は長寿寺のパンフレットから引用貞観)

 

春日厨子(国宝)
 
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阿弥陀如来坐像(重要文化財)は藤原時代(平安時代中後期)の作。皆金色・高さ1.42mの寄木造、定印(注、両手のひらを上に向けて上下に組む形)、二重敷茄子(注、敷茄子とは蓮華台の下にある鼓形の台)の立派な蓮座に坐し、美しい唐草をきりすかした二重円光(注、光を二重の輪で表した光背)を負っています。
 
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(続く)

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