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2017年10月 5日 (木)

安来市古川町の「足立美術館」(前編)

県道45号を約2km戻って案内標識にしたがって右折、午前9時30分ころ、「月山富田城跡」と同じ安来市内の隣町・古川町(ふるかわちょう)にある「足立美術館」の正面玄関前に到着。
 
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道路の両側には車止めが続いており、駐車場は先(南方向)にあると表示されていますので、同行者を降ろして、駐車場へ向かいました。しかし、予想とは異なり、約200m先を左折し、300mほど先を再び左折して、さらに200m進んだところで広い駐車場に到着しました。何ということか、駐車場の奥に「足立美術館」の新館があり、本館は先ほど通過した道路を挟んだ反対側に位置していたのです。車の場合は県道45号と県道180号の交差点から入るのが正解でした。ちなみに、「足立美術館」のアクセスマップによると、安来ICからは車で約10分とのこと。

 

新館とショップ街の間にある遊歩道を抜けて「足立美術館」の正面玄関前で同行者と合流し、窓口で手渡された入館券のバーコートをゲートのセンサーに読み込ませてゲートを通過しました。入館料金(おとな)は2300円と高めにもかかわらず、多くの入館者が正面玄関のある陶芸館から本館へ向かっていました。注、館内を移動中にこの写真を撮影したため、時計が午前11時半過ぎを指しています
 
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世界的に知られる「足立美術館」は、広さ約16万5000㎡(約5万坪)の園内に借景との調和がとれた枯れ山水庭や苔庭など6つの庭があり、手入れの行き届いたアカマツ(約800本)やクロマツ、モミジ、ツツジ、サツキなどが専門庭師によって植栽、手入れをされているそうです。

 

創設者、足立全康(ぜんこう)氏は農家に生まれましたが、貧しい農家を離れ若くして自ら商いの道へと進み木炭の運搬、販売を始めたのをきっかけにその後、繊維や不動産等色んな事業を興して儲けた資金で日本画等美術品を蒐集(しゅうしゅう)しました。その後、昭和45年に美術館を創設。その美術館を世界の美術館にしたいと言う思いから美へのこだわりは庭へと続き自らが納得できる庭をと月日をかけて庭師に造らせたと言われています。(出典:足立美術館のhp)

 

本館へ向かう通路から見る「苔庭」は杉苔を主体に這苔・砂苔などを配した京風の庭園です。花崗岩から作られた白砂が流れをイメージしているようです。
 
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「苔庭」と「本館」の先に「枯山水庭」が少し見えます。
 
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さらに本館へと進む同行者
 
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通路脇の「工芸コーナー」ではショーケースに収められた「柴垣に梅蒔絵(まきえ) 琴形硯箱(すずりばこ)」と蒔絵の簡単な説明がありました。続いて、「光琳梅蒔絵碁笥(こうりん梅まきえごけ)」などの展示 注、碁笥は碁石を入れる丸い容器 「芝山細工」を施した和箪笥(わだんす)は明治時代の作「四季花鳥芝山絵大棚物(えおおたなもの)」なども。
   

漆(うるし)工芸の一種である「蒔絵」の3種類の手法について、もう少し詳しく説明します。奈良時代からある日本独自の技術「研出蒔絵(とぎだしまきえ)」は金粉や銀粉を付けたい場所に漆(yるし)を塗り、それが乾かないうちに粉を蒔(ま)き付け、漆が十分に固まったところで余分な粉を払いのけると、漆を塗った箇所(かしょ)に沿って金や銀などの装飾が施されます。さらに、漆を薄く塗って木炭などで金や銀が現れるまで削ると、金や銀の光沢がでるとともに、金や銀が漆器に強固に付着する効用があります。これを改良した「平蒔絵」は、金粉や銀粉の形や大きさを揃えることで、漆を2度目塗ることなく、ただちに磨(みが)き上げる手法です。また、「高蒔絵」は金粉や銀粉を蒔き付ける場所だけに漆を何度も重ね塗りすることで盛り上がらせ、そこに金粉や銀粉を蒔き付けて磨き上げる手法です。

 

桃山文化期に発展した日本の漆器や城郭御殿は東南アジア(タイ・カンボジア・ベトナム・中国華南など)から輸入された漆塗料が使われ、比較的簡便な平蒔絵技法が用いられました。東南アジアから「蒟醤(きんま)」が日本へと伝わったことはミャンマー旅行の記事で触れています。ちなみに、漆器の装飾方法には「蒔絵「「蒟醤」のほかに、「沈金」「螺鈿(らでん)」「彫漆」「漆絵」「箔絵」などがあります。

    

「芝山細工」とは角や貝などを染色して彫刻を加え、漆器や漆塗りの屏風や額などに象眼 (ぞうがん)する工芸技法で、江戸時代末期に下総 (しもうさ) の芝山仙蔵が考案したといわれます。ちなみに、象嵌とは金属や木材の表面に様々な模様を彫り、そのくぼみに金•銀•貝など他の材料をぴったり嵌(は)め込む手法。一方、「螺鈿(らでん)」は貝殻の光る部分を磨いて薄片にして種々の形に切り、漆器や木材の表面にはめ込み(または貼(は)りつけ)、その上に塗った漆を研(とぎ)ぎだす工芸技法です。

 

工芸コーナーを抜けた先には茶室「寿立庵」へと続く路地があり、
 
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前庭は「苔庭」になっています。
 
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赤松との組み合わせ
 
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右手に伸びる小路
 
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(続く)

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作品は撮影禁止でしたよ

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