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2018年3月31日 (土)

フェイスブックの時価総額が1日で約4兆円も急減、何が起こったのか?

319日、SNSの代表格であるアメリカのフェイスブック(Facebook2004年創業、アクティブユーザー数20億人超、2017年の売上約4.3兆円)社の株価が約9%(184ドルから170ドルへ)急落して、同社の時価総額はわずか1日で370億ドル(約9%、約3.9兆円)も減少した。これにより同社CEOのマーク・ザッカーバーグ氏の資産額は約51億ドル(約5400億円)減少してしまった。ちなみに、ザッカーバーグ氏はフェイスブック社の発行株式の16%を保有しており、フォーブス氏によればその資産額は695億ドル(約7.3兆円)と試算されている。注、328日には152ドルへと316日の株価から17%下落したことからマーク・ザッカーバーグ氏の資産額は118億ドル(12400億円)減少したとみられる

 

この株価急落の背景は2016年の米大統領選挙で、トランプ陣営が雇った調査企業のケンブリッジ・アナリティカ(CA)社が、5000万名のフェイスブックユーザーの個人情報を不正収集していたとの内部通報者の情報による報道がニューヨーク・タイムズ紙によって流されたことにある。昨年来、同社はフェイクニュースの発信源として批判を浴び、イギリスや欧州諸国の世論の混乱を招いたと避難されていた。

 

また、フェイスブックのセキュリティの脆弱性は度々指摘されている。200912月にはプライバシーポリシーを変更したことにより個人情報が利用者に無断で第三者に提供されたため、プライバシー容疑団体などがフェイスブックを込め連邦取引委員会(FTC)に提訴した。201111月、提訴者とフェイスブックはセキュリティとプライバシーに関して誤解を招く表現を使わないことと利用者が意識して承諾する方法を採用することで和解した。

 

20136月には加入者の個人情報が米国家安全保障局などの情報機関に提供されたことがワシントン・ポストによって報道され、その後も携帯電話番号が無断で送信される機能や利用者の携帯電話から音声を収集・分析しているのではないかとの疑義が出されている。

 

今回のスキャンダルの中心人物とされるのは英ケンブリッジ大学の心理学者アレクサンドル・コーガン氏で、ロシアのサンクトペテルブルク大の研究チームと心理テストの共同研究を行っていた人物である。フェイスブックによると、約27万人がこの心理テストを提供するアプリをダウンロードしたが、このアプリは利用者に通知したり同意を得たりすることなく、すべてのフェイスブック上の友人についてのデータも収集していた。コーガン氏は、フェイスブックの利用規約に違反して、こうして集めたデータを英データ会社ケンブリッジ・アナリティカ(CA)に売り渡したとして批判を浴びている。

 

つまり、5000万人の個人データはハッキングによりフェイスブックから流出したのではないが、フェイスブックの甘い個人データ管理と個人データを使って収益を上げる同社のビジネスモデルがこのスキャンダルの背景となったとして、同社の道義的責任が問われているのである。また、CA社は2016年の米大統領選でトランプ陣営を支援するターゲティング広告に、このデータを活用したことが同社のアレクサンダー・ニックス最高経営責任者(CEO)によって明らかにされた。その資金はトランプ大統領の支援者や側近によって約1500万ドル(約16億円)の資金援助で行われたことをニューヨーク・タイムズ紙が報じている。

 

321日、マーク・ザッカーバーグCEOCNNの番組に出演して、『不正が起こった時点ですぐに気づかず、正しい対応ができなかったことを申し訳なく思っている。これは信用を裏切る行為で非常に残念だ。私たちには人々のデータを守る基本的な責任があり、それができないならサービスを提供する資格はない』と謝罪した。さらに、4月に開かれる米国議会で、同氏は自ら状況を説明する方針であると伝えられる。しかし、個人データの不正利用にとどまらず、さらに大きな政治的スキャンダルへと発展する可能性があり、今後の動向に注目したい。

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