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2019年1月14日 (月)

映画「ボヘミアン・ラプソディ」を観る(後編)

1月10日の午後3時ころ、前回と同じ二子玉川ライズの第3駐車場に車を停めて、エレベーターで3階に上がり、109シネマズ二子玉川に入りました。
 
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さっそく、ロビーの左手にあるチェックイン端末で予約しておいたチケットを受け取りました。
 
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そして、シネマショップでプレミアム・ポップコーンのキャラメル&チーズ・ミックス(700円)と飲み物を購入。私はジンジャエール(300円)を選びました。ついでに、チケットと駐車券を会計カウンターに提出して駐車料金を3時間無料の扱いにしてもらいました。
 
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待つこと15分ほど、上映開始時間の15分前になると開場の案内があり、IMAX専用の7番ホール(注釈:2Kディジタル・プロジェクターを使用するディジタルシアター)へ向かいました。
 
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IMAXについては「アバタ―」を観た109シネマズ川崎の記事で説明していますから、興味がある方はそちらを参照してください。ちなみに、7番ホールのIMAXのスクリーンは、現在の日本に存在しないフィルムを使う本格的なIMAX(アナログ)と最新のIMAX(4Kデジタル)よりも縦方向に短いのですが、通常の映画(2Kまたは4Kデジタル)より縦方向に少し長いことで迫力があります。ちなみに、日本で最高のクオリティを持つIMAXは109シネマズ大阪の4Kデジタル・レーザーIMAX、次いで109シネマズ川崎と109シネマズ名古屋の4Kデジタル・レーザーIMAXのようです。

 

座席は横方向の通路があることで足元が広いF列のほぼ中央付近を予約時に選んでいます。スクリーンが見やすいのはグランド・エグゼクティブ・シート付近の座席ですが、このシート位置選択は私の個人的な好みによるものです。
 
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巨大なスクリーンに近くて映像の迫力が感じられる位置です。
 
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ほとんどの客席が観客で埋まり、定刻(午後3時40分)になると、CMと予告編(トレイラー映像)が各数本流れました。そして、10数分後に本編の上映が始まるころには12chネクスト・ジェネレーション・サウンドシステムの大音響にも慣れ始めていました。ちなみに、高さ方向を加えたドルビー・アトモスが昨年から日本の一部シアターで導入されているそうです。

 

本編の冒頭は舞台裏から「ライブ・エイド」(後述)のメイン・ステージへ向かう白いタンクトップと同じく白いパンツ姿ですっきりした髪型(黒い短髪)のフレディ・マーキュリーの背中をカメラが追い、そしてステージに立った彼とそれを歓迎する大観衆をジェットコースターに載せられたようにスピーディに移動するカメラで撮像したことで、IMAXスクリーンを観る観客の度肝(どぎも)を抜き、かつ強烈な「掴(つか)み」となりました。そして、ここに登場したフレディ・マーキュリーの顔と仕草(しぐさ)が完璧なまでに本物そっくりなのです。

 

突然、画面が一転すると、時間が一気に15年以上戻りました。インド生まれのフレディ・マーキュリー(当時の名前はファルーク・バルサラ)がロンドンのヒースロー空港で荷物を運ぶ仕事をしているシーンに始まり、「ライブ・エイド」に出演するまでの彼の半生が描かれました。若いころのフレディ・マーキュリーの顔が冒頭に現れた彼のそれと違って見えたのは、若いころの彼が長髪であったことだけではなく、時間の経過を彼の顔で表現する意図が制作者にあることが、ストーリーが進行するとともに、分かりました。しかし、彼の最大の特徴である異常に飛び出でた前歯は生涯変わりません。

 

フレディ・マーキュリーの半生と並行する形で、「クイーン」についても、1971年のグループ結成、ライブ会場での演奏、虎の子の(バンド・メンバーの移動に不可欠な)車を売った金でアルバムを自費制作、1973年にマイナー・デビュー、ラジオ番組への出演、そしてテレビ番組への出演、さらには英国内で始めたコンサート・ツアーが好評を得ると1974年にアメリカのツアーに進出し、ついには全世界へと活動の場を広げて行くのです。(注釈:1975年に初来日) ヒット曲が各活動の中に上手く盛り込まれてテンポ良く展開するため、観客は少ない言葉(説明)だけで「クイーン」がメジャーにステップアップするプロセスを容易に理解できるのです。

 

興味深かったのは曲作りのシーンです。メンバー間の自然な会話が「クイーン」の手作り感に溢(あふ)れる曲作りの手法(その1その2)を上手く描写します。それにより、既成概念にとらわれず、次々と新しい曲想が生み出されるのです。その代表となる曲が映画のタイトルになった「ボヘミアン・ラプソディ」でしょう。先に説明しましたように、「ボヘミアン」は何ものにも束縛(そくばく)されないことを表し、「ラプソディ」(狂詩曲)は音楽様式に囚(とら)われず自由に構成された曲なのです。つまり、フレディ・マーキュリー自身のユニークな感性に基づく叫びといえるでしょう。

 

しかし、大手レコード会社のCBSからフレディ・マーキュリー(個人)へのオファーがあったことで他の3人との関係が悪化しました。彼らが強く反対したにも関わらず、フレディ・マーキュリーは独断でCBSレコードと契約を結んでしまったため、他のメンバーとの関係は破局してしまいます。そして、フレディ・マーキュリーは新しい環境で曲作りに没頭(ぼっとう)しますが、精神的・肉体的に追い込まれて行きました。
 
そんな彼の元に訪れたのは、彼がゲイであることが原因となって何年も前に同棲を解消した元のガールフレンド、メアリー・オースティンです。降りしきる雨に打たれながらフレディ・マーキュリーが聞いたメアリーの優しく、かつ厳しい助言によって、フレディ・マーキュリーは何が大事なのか、誰が真(家族同然)の友人なのかを思い出したのです。

 

他のメンバーに自らの非を心から詫(わ)びたフレディ・マーキュリーを他のメンバーたちはある条件で受け入れました。それは、『誰が作った曲であっても、著作権は「クイーン」に属し、その印税は4人で均等に分ける』 というものです。

 

和解した「クイーン」のメンバー4人はビッグ・チャリティ・イベントの「ライブ・エイド」(『1億人の飢餓を救う』をスローガンとするアフリカなどの貧しい子供たちを助ける活動)に参加することを決めます。「クイーン」を結成して約15年の節目です。英国(ウェンブリー・スタジアム、収容能力8万2千人)とアメリカ(フィラデルフィアのJFKスタジアム、収容能力10万2千人)で同時に12時間にわたって開催(前半がイギリス会場、後半がアメリカ会場)され、超一流の音楽家およびグループ(計40数組)が一堂に会して、20分ずつ演奏します。また、その映像は世界の約150か国に生中継あるいは録画放送されるのです。

 

出演の申し込みはすでに締め切られていましたが、特別の計らいで「クイーン」の出演が決まりました。当日(1985年7月13日)には懐かしい顔が何人もフレディ・マーキュリーに会いに来てくれ、雰囲気はエンディングへ向かって一気に盛り上がりました。

 

最後の約20分は、「ライブ・エイド」の巨大な会場で、「クイーン」のヒット曲(全6曲、一部の曲はショート・バージョンの演奏)を本物とそっくりの顔になったフレディ・マーキュリーの熱唱(注釈:リンクを張ったビデオは本物)で盛り上がった観衆と「クイーン」は一体になりました。演奏順に紹介すると、 フレディ・マーキュリーがピアノで弾くイントロが印象的な「ボヘミアン・ラプソディ(前半部のみ)」、ラジオへの思いを歌う”Radio Ga Ga”(レディオ・ガ・ガ、注釈: ”Ga Ga”は夢中になることを意味する、レディ・ガガの芸名に影響)、 「Day-O(即興曲)」 核戦争のことを歌う “Hammer to Fall”、エルヴィス・プレスリーを意識してフレディが作った“Crazy Little Thing Called Love”(愛という名の欲望)、“We will rock you”(一番とコーラスのみ)、そして最後に”We re he Champions。その曲を歌い終わったフレディ・マーキュリーは、「クイーン」のメンバー3人の方を振り返って、その一人ひとりとアイコンタクトをしたあと、観客の大歓声が続く中、メンバーの先頭に立って舞台の袖(そで)へ向かうところでエンディングとなりました。
 
このシーンは、この映画が撮影される時には「ライブ・エイド」に使われたスタジアムがすでに取り壊されていたため、巨大かつ本物とそっくりなスタジアムを精巧なセットとして再現し、それを使って実際の「ライブ・エイド」の場面を厳密に再現したのだそうです。また、"Day-o"はアメリカ・ニューヨーク市出身の黒人歌手、ハリー・ベラフォンテが歌って1956年にヒットした「バナナ・ボート」で使われた掛け声(西アフリカの言葉が語源)です。

 

「ライブ・エイド」の後におけるフレディ・マーキュリーと「クイーン」については英語の字幕(日本語訳付)で簡単に紹介するだけに留めたことで、「ライブ・エイド」のシーンで最大限に盛り上がった高揚感が余韻(よいん)、つまり耳に長く残る響きとなりました。繰り返しになりますが、主演のラミ・マレックがフレディ・マーキュリーのしゃべり方・身のこなし方・仕草(しぐさ)のすべてにおいて、専門家の指導を得て似せるだけではなく、本人になりきって演じたことを始め、他の3人を演じる俳優がいずれも本人たちにそっくりであり、楽器の扱いがプロ並みであることから、「クイーン」の演奏シーンはまったく違和感がありません。細部では史実と異なる点(時間軸・出生地など)があるようですが、15年を越える時間に起きた出来事を2時間余りの映画に収めるためには止むを得ないことで、この映画の評価にはまったく影響しないと思います。

 

なお、エンドロールでは画面の左半分を使って本物の「クイーン」による演奏シーンが流されましたが、画像が荒いこともあり、最終シーンで映し出された「クイーン」のメンバーとの違いをほとんど見出せなかったことは大きな驚きです。

 

上映が終わってホール内が明るくなると、観客たちは静かに席を立ち、そのほとんどが無言のまま7番ホールの出口へ向かいました。IMAXの大型画面に映し出されたダイナミックな映像と迫力がある12.1chドルビーサラウンドに包まれて「クイーン」の素晴らしい曲を約2時間で20曲以上も聴いていると、観客はロックコンサート会場にいるように感じ、心地良い酔い(あるいは神経が麻痺)がその身体に生じたようです。フレディ・マーキュリーが映画の中で歌った「ラブ・オブ・マイ・ライフ」(1976年、作詞作曲/フレディ・マーキュリー)は最愛の女性メアリー・オースティンへの切ない想いとゲイであることによる心の葛藤、および彼の生き様が否応なしに伝わりました。そして、特徴あるボーカル&ギターを最大限に生かす優れた曲を次々に発表するロックバンド「クイーン・サウンド」の抗しがたい魅力、そして制作者および出演者の熱い思いが観客にダイレクトに伝わる優れた映画でした。
 

余談になりますが、フレディ・マーキュリーの自室におけるシーンでは、日本好きだったと言われる彼の趣味を表すものが室内にさり気なく飾ってありました。浮世絵・着物・赤い提灯などです。また、”YouTube”で映画の撮影シーンと関係者へのインタビュー・ビデオも見つけました。その理由として、古いものと新しいものが混在する日本文化および日本人のメンタリティが彼のものに近いからではないかと推測されています。また、主役のラミ・マレック(アメリカの俳優)を除くと、主要な配役にイギリスとアイルランドの俳優・女優が選ばれたことで、ブリティッシュ・イングリッシュをたっぷり聞くことが出来て、字幕で台詞(せりふ)を確認しながら英国の雰囲気に溢(あふ)れる映画を楽しむことができました。もちろん、イギリスの美しい田園風景も。

 

3階にある109シネマズ二子玉川を出て、エレベーターでMB階の駐車場へ向かいました。109シネマズ二子玉川で映画を鑑賞すると、二子玉川ライズの駐車場は3時間まで無料であることは承知していますが、2時間15分と長い映画である上に、予告編などを含めると109シネマズ二子玉川での滞在時間は3時間を10分ほど超過しましたが、幸運にも無料で済みました。私は映画の余韻で至福の気分にひたりながら、すっかり暗くなった道路を自宅まで走りました。この映画に大きな興味を持っていた同行者はそれ以上に満足したようです。
 
<参考情報> 日本における洋画の観客動員数(2019年1月6日現在): 612.3万人、同じく興行収入: 84.6億円(2018年公開洋画第1位) 注釈:第2位「ジュラシック・パーク 炎の天国」、第3位「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」


<2019.1.25付追伸> 映画「ボヘミアン・ラプソディ」の日本での観客動員数が22日までに720万人を超えて興業収入は100億円を突破し、アメリカの「2019アカデミー賞」で作品賞や主演男優賞など5つの賞にノミネートされた(出典:NHK NEWS WEB)
 
<2019.2.2付追伸> 同居者はクイーンがいたく気に入ったようで、「ボヘミアン・ラプソディ」(歌詞カード付オリジナル・サウンドトラック)のCDが欲しいといいます。さっそく、和訳が付いている日本版(2700円)をアマゾンで購入しました。

 
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<2019.2.25付追伸> WOWOWで生中継された「91回アカデミー賞(2019)」の授賞式で5部門にノミネートされていた映画「ボヘミアン・ラプソディ」が4部門で受賞する快挙を挙げました。3部門で受賞したメキシコ人監督の体験に基づくモノクロ作品「ローマ」(NetFlix製作)と天才黒人ピアニストとイタリア系アメリカ人の用心棒の関係性を扱った「グリーンブック」、スーパーヒーロー映画「ブラックパンサー」を凌(しの)いで最多受賞となりました。発表された順に部門を列挙すると「音響編集賞」「録音賞」「編集賞」「主演男優賞 ラミ・マレック」です。注釈:「ローマ」はメキシコシティの地区名、「グリーンブック」とは黒人でも利用できる施設のガイド本、「ブラックパンサー」は隕石(いんせき)の影響で超人的な力を備えた主人公の新しい名前
 
そして、司会者が不在となった今回は音楽のパフォーマンスがところどころに織り込まれましたが、冒頭は本物の「クイーン」による生演奏。リードボーカルはこの数年クイーンとジョイントで海外ツアー活動をしている歌手兼舞台俳優のアダム・ランバート(Adam Lambert)が担当し、フレディ・マーキュリーと似たテイストで"We will rock you"と"We are the Champions"を熱唱して会場を盛り上げました。ちなみに、そのグループ名は"Queen+Adam Lambert"。また、放送の中で日本における「ボヘミアン・ラプソディ」の興行収入が117億円に達したことが字幕で伝えられました。世界興行収入比では20%近いシェアがあり、日本におけるクイーン人気がいかに高いかを示しているそうです。
 
「主演男優賞」を受賞したラミ・マレック(Rami Malek)は『母が好きです』 の言葉でスピーチを始め、次いで家族や仕事仲間に感謝し、自分をアカデミーへ連れてきてくれたFOX社、クイーンなどの音楽関係者、自分を信じてくれた人たち、アカデミー会員にも。『自分は最有力候補ではなかったかもしれないが上手くいったと思う。』 と自負。そして、自身がエジプト人移民の息子であることを明かして、主演した作品と出自が似ているフレディ・マーキュリーへの思いを披露(ひろう)。最後には共演した女優ルーシー・ボーイントンへ温かい言葉を送り、それを結言としました。誠意ある感動的なスピーチでした。

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