« ケンタッキーのランチメニューを初体験する | トップページ | トラットリア"TAVOLA"(たまプラーザテラス店) »

2020年2月22日 (土)

日本がさらに貧乏になる!?

2月20()に政府から発表された「月の月例経済報告」は 『緩やかに回復している』 と1月における基本認識(基調判断)を維持しました。しかし、20191012月期の実質国内総生産(GDP)成長率は年率6.3%減の大幅なマイナス成長であり、貿易統計が13121億円の赤字、機械受注(船舶・電力を除く民需)がマイナス5.2%(見込み)となり、設備投資と住宅投資も落ち込んで、民間需要が総崩れ状態。このためか、テレビ東京の経済ニュース番組"WBS"では上記の基本認識が前回の報告書では冒頭(P.1)に書かれていたものが、今回の報告書では中程の目立たない場所(P.13)へ移されていることを伝えました。政府としても、冒頭に書くことが憚(はばか)られたのでしょう。

この点を質問された担当大臣は 『この基調判断が冒頭にあると理解しにくいと感じる人が多いだろう。ただし、増税によって落ち込んだ消費は回復の兆(きざ)しがある』 と答えたのは印象的です。つまり、この基本認識 『経済は常に回復基調である』 を維持した背景には安倍政権がその屋台骨と喧伝(けんでん)して来た経済政策の成果を自ら否定したくない思惑があるのでしょう。また、先日成立した19年度補正予算に盛り込まれた経済対策は景気の維持が主目的でした。つまり、第二次安倍政権の唯一の目玉政策と言っても良い経済成長の旗印を下ろす訳には行かないのです。また、近年はスキャンダル塗(まみ)れであることも無関係ではないと考えられます。

なお、内閣府のhpに掲載されている「月例報告(令和2年2月)」では冒頭に同様の基調判断が書かれています。マスコミ向けに配布した資料だけを変更(編集)したのかもしれません。

GDPが急激した理由は何でしょうか。最初に思い浮かぶのは米中経済戦争の影響でしょう。米国のトランプ大統領は2019629日、大阪市で中国の習近平国家主席と会談し、第4弾の対中関税を当面見送ることにしたが、これはあくまでも「一時休戦」でしかありません。中国による知的財産権侵害を理由に追加関税の第弾として20187月に340億ドル(関税率25%)、同8月には第160億ドル(25 %)、そして同9月には第弾の2000億ドル/22兆円(10%➡︎25%)と金額だけでなく課税対象を矢継ぎ早に拡大し、一方の中国も報復関税をアメリカ製品に課すという、エンドレスのチキンレースに陥(おちい)ったことに危機感を募(つの)らせた両国が話し合う機会を模索していたようです。

上記の米中貿易戦争は当事国だけではなく、両国が最重要な貿易相手である日本も輸出分野において大きな影響を受けることになりました。17か月前に始まり、15か月前から7か月前までピークを迎えた米中経済戦争の影響はボディブローのように日本経済に悪環境を及ぼしたことは確かですが、米中経済戦争が一時休戦になった後にGDPが急に大きく落ち込んだ主原因だと説明することにはやや無理があります。

実はGDPを急減させるトリガーを引いたものが他にあるのです。それは昨秋の消費増税。上記した最悪の環境においても政府は、既定方針だとして、2019101日に消費税を8%から10%へアップさせました。その理由として社会福祉の充実に税収増額の大半を充当することを隠れ蓑(みの)としたのです。

過去を振り返ると、消費税(3%)が導入された1989年とそれを5%にアップした1997年でいずれも消費の落ち込みがありましたが、消費税が8%になった2014年においては消費額が4.6%減となり(GDP7.2%減と急降下し)、前年比でマイナスとなった月が13か月継続した経験を生かす(または反省する)ことがなく、昨秋に消費増税を強行したことが今回のGDP大幅減に繋(つな)がったことは明らかでしょう。それは個人消費が今回の増税時における落ち込み(マイナス5.1%)から未だに回復していないことで裏付けられています。

つまり、消費税率を上げても目論み通りには税収が増えないのです。GDPを回復させるには消費税率を元に戻すか、軽減税率の範囲を拡大することが必要でしょう。税収増を訴求する財務省の意向に沿った政策を推し進めるだけでは日本が負のスパイラル(増税➡消費減/設備投資減➡GDP減➡増税)に陥り、益々貧乏な国に成り下がることは明らかです。関心がある方は関連する3年半前の経済を展望する記事を参照してください。

そして、今年1月に健在化した新型コロナウィルスによる人的被害が経済活動に大きな影響を与え始めており、202013月期のGDPがどれだけ減少するかを想像するだけで恐ろしくなります。それにも拘(かかわ)らず政府はまだ 『緩やかに回復している』 との看板を下ろしていないばかりか、「今回の基調判断」は国民の目を現実から逸(そ)らさせようとしているとしか受け取れません。国会では20年度の経済成長率を実質1.4%とする政府見通しをもとに編成された20年度の予算が審議中ですが、このような現状認識では心許(こころもと)ない限りです。

ちなみに、2月21日には円相場(円/ドルのレート)が112円台と円安(円の下落)が急速に進行しました。安全通貨とされる円が、世界経済のリスク要因となった新型コロナウィルスの感染拡大によって、安全資産と看做(みな)されなくなったのです。

最後に、新型コロナウィルス繋(つな)がりですが、日本政府による新型コロナウィルへの対応と対策、および情報公開は、迅速さと徹底に甘さがあるようです。横浜港に寄港したクルーズ船には海外の乗客が多いことで、海外メディア(特にアメリカ)は日本政府の対応(下船前の隔離・検査方法と2週間後に陰性と判断された乗客を下船させて自由に帰宅させたこと)を痛烈に批判しています。事実、陰性と確認されてチャーター機で帰国した約160人のオーストラリア人の中から2人の感染が確認されたそうです。

ちなみに、アメリカとカナダでは陰性と判断されてチャーター機で帰国したクルーズ客船の乗客であっても例外なく本国の施設内に2週間隔離されています。この影響でしょうか、当初日本政府の対応を支持していた米政府は最近日本への渡航を注意する(控える)よう自国民に注意を喚起しています。そして2月21日現在、日本への渡航抑制をした国が9か国に上りました。その内、患者数が200人以上と中国に次いで2番目に多い韓国(注釈:日本は97人)については政治的な背景(思惑)があると思われるます。

疾病対策センター(CDC、1946年に設立された約1万5千人の組織)があるアメリカとは異なり、大量の乗客を隔離する施設がなく、かつ検査および治療をする医療施設と医療従事者が限られている日本の状況(注釈:神奈川県と東京都の医療施設に加えて遠隔地である愛知県と福島県の医療施設がクルーズ客船の患者を受け入れた)において、日本政府は新型コロナウイルスの問題をどのように終息させるつもりなのでしょうか。日本には危機管理の専門組織と活動予算がないため、今回のような危機に際して専門的な知見と組織力を持たない旧来の組織・人員が手探り(部外者である専門家の意見に耳を貸さない)状態であるため、専門的な知見が不足して迅速かつ的確な対応が十分できていない問題が露呈(ろてい)しました。ぜひとも、この教訓を今後に生かしてもらいたいと思います。

一昨年来、多発している様々な不祥事や問題について安部首相は 『丁寧(ていねい)に』 と 『真摯(しんし)に』 の言葉をお念仏のように唱えていますが、その通り実行されたと思う事例を私は一件も知りません。その安部首相が今回の危機管理における情報開示と危機対応においてリーダーシップを発揮することが期待出来るのでしょうか? 厚労省による 『症状のある人は関連センターに相談すること』 、 『大規模イベント(催し物や集会)の主催者は開催の必要性を改めて検討すること』  および 『出来るだけ人混みを避ける』 の対策(強制ではなく呼びかけ)だけで大丈夫でしょうか? ◇


〈追記 224日〉 新型コロナウィルス情報のアップデート

2月23日、安倍首相は首相官邸で開催した新型コロナウィルス感染症対策本部の会合で国民や企業に対する情報提供・感染拡大防止策・医療提供対策などについての基本方針の取りまとめを加藤厚労相に指示。これを受けた加藤厚労相は、24日に開催する専門家会議の議論を踏まえ、25日の対策本部会合で基本方針を決定する考えを示しました。

国内外から厳しい指摘や非難報道があったことと、クルーズ船から下りた陰性判定者の中から陽性判定者や発症者が複数確認され、それに加えて下船者の中に未判定者が23名もいたことが発覚したことで、遅巻きながら日本政府は基本方針を策定することにしたと思われます。国内で発症者が確認されてから1か月以上(国内で135名の感染者を確認)、発症者が確認されて 23日に横浜港に寄港したクルーズ船で船内隔離策がとられて2週間以上が経過して(感染者は約700人、最終数値は未確定)、日本政府の基本方針がやっと策定されることになったのです。

ちなみに、韓国では初期の楽観的な状況認識から中国人の受け入れ方針が曖昧(あいまい)であり、またキリスト教系新興宗教団体における感染の爆発的な拡大により223日現在の感染者数が602人に達し、韓国政府は新型ウイルス感染の危機レベルを最高である「深刻」に引き上げました。

これらの状況を踏まえてアメリカは222日に日本と韓国への渡航警戒レベルを1段階引き上げてレベル2の「注意を強化」に変更しました。

« ケンタッキーのランチメニューを初体験する | トップページ | トラットリア"TAVOLA"(たまプラーザテラス店) »

心と体」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« ケンタッキーのランチメニューを初体験する | トップページ | トラットリア"TAVOLA"(たまプラーザテラス店) »

2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ