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2020年2月15日 (土)

「美しく青きドナウ」の題名についての考察

今日(2月15日)の午前10時からテレビ朝日の音楽番組「題名のない音楽会」でウィーン・リング・アンサンブルの演奏シーンが中継されました。ウィーン・フィルハーモニーの主要団員で編成されるこのグループを率いるのはウィーン・フィルハーモニーのコンサートマスターを2016年までの45年間にわたって務めたライナー・キュッヒルさん。キュッヒルさんに現在の楽団長で第1ヴァイオリンのダニエル・フロシャウアーさんを加えてヴァイオリンが2人、ヴィオラ・チェロ・コントラバス・フルート・ホルンが各1人、クラリネットが2人の計9人編成です。

ちなみに、メンバーのほとんどがウィーン・フィルハーモニーのソロ奏者や首席奏者。また、2人のヴァイオリニストたちはウィーン・フィルハーモニーのニューイヤーコンサート(NHKによるテレビ中継)で顔を見知る人たちです。そして、楽団名にある「リング」は、私が想像した通り、ウィーンの旧市街を取り巻く環状道路の「リング」にちなんで命名されたそうです。

30分間の短い番組で演奏されたのは計3曲。ヨハン・シュトラウス1世が作曲した「ラデツキー行進曲」、スエズ運河の開通で生まれたヨハン・シュトラウス2世の「エジプト行進曲」(ライナー・キュッヒルさんが打楽器を担当)、そして最後の曲はもちろんヨハン・シュトラウス2世の代表曲である「美しく青きドナウ」でした。注釈:上記の文中では2012年のニューイヤーコンサート(マリス・ヤンソンス指揮)の"YouTube"(ビデオ)へリンク、私の好きな指揮者のひとりであるマリス・ヤンソンスさんは残念なことに昨年11月逝去された

1867年にシュトラウス2世が作曲した「美しく青きドナウ」("An der Shoenen, Blauen Donau")は合唱用のウインナ・ワルツですが、同氏が作曲した三大ワルツの中で最も人気が高いようです。なお、ウィーン・フィルハーモニーのニューイヤーコンサートにおけるアンコール曲としてラデツキー行進曲とともに演奏されることでも知られます。注釈:"Schoenen"における"oe"は"O‐Umlaut"("o"の上に横並びの点が2つ載った文字、ドイツ語や北欧語などで使われる)の略式表記

「美しく青きドナウ」を聴いていると、私の頭の中に大きな疑問府が思い浮かびました。この有名なワルツ曲の曲名についての疑問です。こうなると我慢できないのは私の悪い癖であることを承知しながら、あれこれ調べてみることにしました。

ドイツ語の原題はハンガリーの詩人カール・イシドール・ベックの作品におけるドイツ語タイトル"An der Donau"(ドナウの畔で)を曲名として拝借したとされます。"An der Shoenen, Blauen Donau"を直訳すると、「美しい、青(碧)いドナウの畔(ほとり)で」となります。前置詞の"An"は「~に/で」(英語の”by”に相当)を意味します。

それが日本語で「美しく青きドナウ」になった理由は前置詞の"An"を無視(改変)したためですが、「日本ヨハン・シュトラウス協会」の呼称に従っているため、特に異論は出ていないようです。

また、「美しき青きドナウ」と呼ばれることがある理由はドイツ語の解釈をより厳密にしたためと考えられます。すなわち、形容詞の"Shoenen"(美しい)は続く形容詞の"Blauen"(青い)と並列ではなく("und"が入っていない)、"Blauen Donau"(青きドナウ)を修飾しているのです。つまり、日本語としては「美しき青き」の方が正確と言えるからなのです。□

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