NHKスぺシャル"DIGITAL vs REAL"(第1回&第2回)を観る
4月5日午後9時からNHKテレビで放送さるたNHKのドキュメンタリー番組「NHKスペシャル デジタルVSリアル 第1回 フェイクに奪われる"私"」を観ました。
デジタル時代は"REAL"(現実・本物)と"FAKE"(偽物・虚報)が混在して急速に拡散されていることを、世界で起きているジョッギングな事件を紹介しながら解説する番組です。
新型コロナウイルスの感染拡大による買い占め、偽造ポルノ、嘘の書き込みがエスカレートしたメキシコの殺人事件、台湾の選挙戦における誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)などを取り上げてその背景を分析しました。
フェイク情報(SNSによる書き込みと動画投稿)を拡散する原動力は怒りと嫌悪感の2つです。情報が溢(あふ)れると善悪あるいは真偽の判断ができなくなる人間の特徴が悪い方へと暴走し、「聞きたい情報」だけを聞くようになるのです。つまり、大衆が生み出す「狂気」が拡大しているのです。
さらに、コンピュータプログラムの"ボット(BOT)"(注釈:ロボット/ROBOTから作られた言葉でインターネット上で何らかのタスク/仕事を自動的に繰り返すプログラムを指す)や他人のアカウントを悪用して、フェイク情報を意図的に拡散操作する人たちの存在があります。
裏世界でこの情報操作をビジネスとする人達が存在するというのです。ちなみに、当ブログ記事ではフェイク映像(ディープフェイク)による犯罪はテレビドラマ「相棒Season18」の最終回スペシャル )「ディープフェイク・エクスペリメント」でも取り上げられたことを紹介しています。
この対策として「ディープフェイク」を検出する技術が開発されていますが、それを上回る高度な作成技術も同時に開発されていて「イタチごっこ」状態になっており、「ディープフェイク」の拡散速度が検出速度を上回っいることも大きな問題であることを番組は指摘します。
新型コロナウイルスの出所について様々な情報をAIで分析する取り組みや、逆にAIが製造するフェイク情報の氾濫(はんらん)を紹介するとともに、様々な意見や考え方を尊重して冷静に判断する活動も番組は紹介しました。
『拡散するFAKEがREALを凌駕(りょうが)するのだろうか?」との問いを視聴者に投げかけて「デジタルVSリアル(1)」は終わりました。
☆
「同 第2回 さよならプライバシー」
次いで4月12日に放送された「デジタルVSリアル」の第2回を紹介します。
NHKの関連hpから番組の案内文を引用します。『日々、生み出される膨大なデータがリアルな世界を揺るがす現実を見つめるシリーズ「デジタルVSリアル」の第2回はあなたの行動パターンや心の中までを映し出す「デジタル・ツイン」の物語。今や生活に欠かせないSNS、買い物や地図アプリ、ネット検索…。あなたが入力しているデータから、デジタル世界に“もう一人のあなた”を生み出せるってホント!?』
『番組では、IT企業の協力を得て、実在のXさんのデジタル・ツイン(注釈:デジタル・データを使って生み出された双生児/双子)をつくり出す実験を行った。Xさんが提供したデータだけで、経済状況や女性関係といったプライバシーまで明らかにしていく実験チーム。さらには将来の行動まで予測してしまう。しかし、もし権力の側が市民のデジタル・ツインをつくり出していたら、そこにはどんな未来が待っているのか…。』
『世界では、そのきざしが既にあらわれ、データ分析から「不審人物」とされ、拘束される人まで出ている。それでも膨張しつづけるデジタル世界。便利なサービスに魅了される人々は、デジタル世界にプライバシーは不要と考え始めている。番組の最後に、自分のデジタル・ツインに会いに行くXさん。そこで放った驚がくのひと言とは…!?』(出典:NHKのhp)
以下は番組を視聴しながら書いたネタバレです。
グーグルに残る個人の移動履歴(位置情報・移動情報)、画像情報(顔認識技術)、検索情報を解析・分析することで、その個人の住所・職場(職業)・検索内容とその時間帯(最近の生活状況と生活スタイル)をリアルに描写・再現していきます。スマホの便利なサービスを利用することで様々なデジタル・データが蓄積されて行くのです。
国が市民の行動を監視する仕組みを香港の例で具体的に紹介。携帯電話の使用を控え、IDカードの遠隔読み取り防止などの防衛策を採るデモ支援組織と警察の攻防はスリリングです。
また、膨大なデジタル・データを分析するグーグルの巨大なデータセンターの存在とプライバシーに関するデータを利用する広告ビジネスの急成長を紹介。つまり、プライバシーはもはや個人自身のモノでななくなっていると指摘します。注釈:データーセンターとは様々なサービスを提供するサーバーなどのIT機器を大量に設置・収容する施設。膨大な電力を消費するため電力供給地と冷却用水源の近くに置かれることが多い
「デジタル・ツイン」は現在のあなたを再現できるだけではなく、あなたの将来を予測することも可能になるとして、昨年リクナビが求職者のデータを販売した例と、中国の自治区などで不審(反政府的な)人物の検挙にもこの技術が使われていると言うのです。
リスクを伴いながら普及するスマホにより個人のプライバシーを自ら放棄する状況が拡大しているのです。アメリカでは警察が市民から入手した映像を犯罪捜索に活用している事例を紹介。また、プライバシーは市民(個人)が守るべきものであるとして、EUは一般データ保護規則を制定しました。旧東ドイツの秘密警察の活動(市民の監視と弾圧)がまだ強く記憶に残っているのです。
『データは誰のものなのか?』 の問いに、『 テクノロジーの急速な進歩により鏡の中のもう一人の自分がリアルな世界を動かし始めている』 と米イェール大学のデイビッド・ガランダー名誉教授は指摘しました。彼は30年前に「デジタル・ツイン」を予測した学者です。
最後に「デジタル・ツイン」の再現実験に協力したXさん(本人)が自分の「デジタル・ツイン」と対面。『恥ずかしい』、『怖い』、『びっくりした』 と驚きながら、『ある程度のリスクを承知でこれからもスマホを使い続ける』 との言葉が印象に残りました。◇
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