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2020年4月 3日 (金)

株価の動向を予測する

新型コロナウイルスの感染が拡大し、この1週間で大都市を中心に感染者数が急増し始めました。爆発的な流行の前触れとする専門家の意見が多くなっているようです。一部企業では自宅勤務(リモートワーク)へシフト(注釈:私の2人の息子はそれぞれの自宅で勤務中)していますが、それができない企業や職種では企業の活動に影響が出始め、政府や地方自治体からの要請で飲食業や接客業などで営業の自粛が広がり、経済活動に大きな影響が出ています。

ちなみに、中小企業庁が行った中小企業景況調査(2020年1月-3月)では中小企業の景況感は5(四半)期連続で低下したことが3月27日に報告されています。また、内閣府が3月24日に発表した景気動向指数も2018年度から先行指数が低落し続けています。また、2013年から上昇傾向にあった日経平均株価は、2016年にやや下落しましたが、その後持ち直して2017年から2019年にかけて2万円台に乗せて高値水準を維持してきました。しかし、今年2月下旬に突然異変が発生したのです。

この株価上昇の背景にあったのが以下に説明する政府による株の買い支えでした。これに加えて、日本銀行も2016年からETF(上場投資信託)を年間6兆円も購入して株価を実質的に下支えしてきました。(注釈:その内容はこちらを参照)

2014年10月から政府は厚生労働省所管の独立行政法人である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を通じて年金資産を増やす目的と称して、利回りの安定している国債中心の運用から運用益を高めるために国内外の株式への投資比率を上昇させたのです。昨年末まではプラスの運用益を維持してきましたが、今年に入ると運用益はマイナスに転じました。つまり、買手として株価を支えていたGPIFが、株式市場で売手に転じる可能性が出てきたのです。

GPIFのポートフォリオのうち日本株は25%です。つまり、総資産約160兆円のうち25%の40兆円の投資残高があります。その40兆円の日本株ですが、日経平均の株価が1か月前は23,000円台であったものが、現在は18,000円前後まで暴落しました。コロナ騒動によりわずか1か月強の間に少なくとも10数兆円が吹っ飛んでしまったと見られます。

加えて、景気の先行きは悲観的であるため、株価はGPIFの買い支えだけでは株価を維持できなくなってしまったのです。つまり、他に株式を買う大手機関投資家は国内外に存在しません。日本株式に投資していた米国を中心とする海外の機関投資家は昨年後半から日本株式に投資していた資金を引き上げ続けてきました。高値で売り抜けたのです。そこへ新型コロナウイルスの拡散で日本経済の先行きに赤信号が点灯し、2月下旬から日本株式は20%以上も急落しました。

ここで大量に日本株を売却(現物約1兆6000億円、先物約1兆円)したのは外国人投資家でした。そして、原油価格は一昨年後半から60ドル前後と弱含みでしたが、今年に入っての原油価格が20ドルまで暴落にしたことによりオイルマネーが投資資金を引き揚げ始めたことが加わり、日本株の売却額を上積みする要因になったとみられます。買い方は国内の個人投資家・日本銀行・事業法人(主に自社株買い)でしょう。

そして、3月下旬の急反発も恐らく外国人投資家と思われます。主要各国が巨額の財政・金融政策を相次いで発動したことを受けた買戻しです。日本の公的年金と年度末に向けた自社株買いを有ったかも知れません。そして、外国人投資家は再度売り越しに出たと思われます。つまり、2番底を狙っているのでしょう。

GPIFはこの株式下落により10数兆円の損失を出したと見られます。株式による運用比率を上げて以来、都合(つごう)20数兆円の運用益を出していますから、まだ運用益(累積)はプラスを維持していると思われますが、このまま日本株式に投資続けることはできないでしょう。日本の株価が連動する傾向があるとされるアメリカの株価は先の記事で触れたように30%以上も急落しています。

つまり、日本政府がこれまでにないほど強力なテコ入れ(財政支援)をしないで日本経済がこのままズルズルと停滞(悪化)すると、日本の株価水準はリーマンショックによる暴落を超えて、1930年代の世界恐慌並みの状態(株価が最高値から90%下落)に陥(おちい)る恐れが出てきました。短期的に見ても、2013年末の水準(アメリカのダウ平均並に高値から30%以上下落した15,000円前後)になると考えます。

長期投資(つまり短期的な株価変動に留意しない)をモットーとする私ですが、この現状(年初より30%以上急落して2016年の水準まで下落、さらに年度明けには弱含みの傾向あり)では株式市場から撤退するしかありません。2月下旬の異変には官製株価に期待して迅速に反応出来なかった私でしたが、2度目の赤色点滅信号には即刻決断しました。

昨年12月から2400円前後を維持していた日経平均株価は、釣瓶(つるべ)落としで最安値1650円前後まで下落。上述したように、その時点で世界の主要国が大胆な財政・金融政策を発動したことを好感して日経平均株価は1900円強まで戻しました。

それでも、私の保有株式は過去1年余りの売買により大きな含み損を抱えたままでしたが、この2-3年の含み益の大半を吐(は)き出す損切りを覚悟して、すべての保有株式を売却しました。この決断は滑り込み(ギリギリ)セーフだったかもしれません。世界的な経済が停滞し始めている(株価は低落傾向にある)この時期は、株価の一時的な上下(投資損益)に注目して神経をすり減らすのではなく、金融資産を現金の形で保有(経済変動から退避)すべきだと考えます。私の長い人生経験(ビジネスの修羅場経験)からそう思います。◇

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