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2020年7月29日 (水)

土用の丑の日に思う:ファストフード店のうな丼

7月21日は「土用の丑(うし)の日」でした。「土用」とは五行思想(説明:古代中国に端を発する自然哲学の思想で、万物は火・水・木・金・土の5種類の元素からなるという説)に基づく雑節(説明:季節の移り変わりを示す暦日)であり、四季の四立(説明:立春、立夏、立秋、立冬)の直前の約18日間を指します。ちなみに、単に土用と言った場合は夏の土用(立秋直前)を指すことが多いようです。そして、「丑の日」はその期間における十二支が丑である日を指します。なお、「土用」の期間は毎年異なり、今年の「土用」は87日ですから、その18日前の721日と5日前の82日の両日が「土用の丑の日」になります。そこで、両者を区別するため、前者を「一の丑」、後者を「二の丑」と呼びます。

余談ですが、「雑節」とともに使われる「二十四節気」は、一年を春夏秋冬の4つの季節に分け、それぞれをさらな6つに分けたもので、「節(節気)」と「気(中気)」が交互に存在し、太陰太陽暦(説明:旧暦)で3年に一回現れる閏月(うるうづき)を設(もう)ける基準となっています。例えば、1月には節気の「立春」(説明:春の気配が立ち始める日)と中気の「雨水」(説明:雪が溶け始めるころ)があります。

閑話休題。万葉集で大伴家持(おおとものやかもち)が詠(よ)んだ和歌にあるように、昔から体調を崩しやすい夏には鰻(うなぎ)を食べて栄養をたっぷり摂(と)ろうという考えがあったようですが、「土用の丑の日」に鰻(うなぎ)を食べる習慣が生まれたのは江戸時代中頃に活躍した蘭学者の平賀源内(ひらがげんない)のキャッチコピーだというのが定説です。「夏に売り上げが落ちる」と鰻屋から相談を受けた平賀源内が、店先に『本日丑の日、土用の丑の日うなぎの日、食すれば夏負けすることなし』 と書いた看板を立てさせたところ、その店が大繁盛したことで、他の店もこれに習ったと伝えられます。

天然うなぎの旬は秋から冬にかけてですが、現在は養殖によって「土用の丑の日」に美味しくなるように育てられているようです。つまり、養殖うなぎの旬は「土用の丑の日」前後と言えますが、実際は一年中が旬なのです。ちなみに、鰻の稚魚である「シラスウナギ」が不漁であった昨年は鰻の価格が高騰しましたが、今年は「シラスウナギ」が豊漁(前年比で約5倍)であるため、秋にかけて鰻の価格は徐々に下がると考えられます。とはいっても「シラスウナギ」の捕獲量は長期的に見れば減少中であり、絶滅危惧ⅠB(上から2番目)に指定されていますから、「鰻を完全養殖する技術の」の早期完成が待たれます。

                           ☆

長い導入部になってしまいましたが、いよいよ本題の前半「ファストフード店のうな丼メニュー」です。鰻料理は専門店が提供する高級品に加えて、近頃では下記のように多くのファストフード店も提供するようになりました。注)メニューの内容と価格に変更がある場合があり

1.牛丼チェーン店

すき家

テレビCMで「うな丼」を積極的にPRしている牛丼チェーン店の「すき家」は焼きが完了した蒲焼をレトルト化(凍結・真空パック)するセントラル・キッチン方式を採用して、それを各店舗に配送しているようです。

「うな丼(並盛)」(税込790円)、「特うな丼」(税込1,280円)、「うな玉丼」(税込870円)、「うなとろ丼(並盛)」(税込890円)、「うな牛(並盛)」(税込890円)、「同(特盛)」(税込1,380円)、「特うな皿」(税込1,180円)、その他「うな丼セット」など多数のうなぎメニューがあります。

吉野家

牛丼チェーン店の「吉野家」は、季節限定で提供していた「うな丼」を止め、2015年から中国からのうなぎを使った「うな重」を通年で提供し始めた先駆者です。

うな重 1枚盛(788+税)、うな重 2枚盛(1,218+税)、うな重 3枚盛(1,648+税)、とろろ鰻重 1枚盛(986+税)、とろろ鰻重 2枚盛(1,416+税)、とろろ鰻重 3枚盛(1,846+税)、鰻皿 1枚盛(698+税)、鰻皿 2枚盛(1,128円)、鰻皿 3枚盛(1,558円)

松屋

牛丼チェーン「松屋」の各店で、昨年から新メニュー「うな丼」が販売が開始されています。名店「小満津(こまつ)」が監修したうな丼であることを売りにしています。

みそ汁、ミニお新香、山椒小袋つきの価格は830円(税込)、うなぎを増量した「うな丼ダブル」は1,390円。また、定番メニューの「牛めし」も同時に味わえる「うなぎコンボ牛めし」(990円)、うなとろ牛皿御膳(1,100円)、うなとろ牛皿御膳ダブル(1,640円)があるようです。

なか卯

牛丼の三大大手チェーンの「なか卯」にも以下の鰻メニューがあります。

うな重(850円)、特うな重(1,250円)、うな丼豪快盛(1,650円)、うなぎご飯(450円)

2.回転寿司店

くら寿司

すしやのうな丼(734円)、すしやの特上うな丼(2枚乗せ)(,058円)

スシロー

回転寿司「スシロー」を展開する「あきんどスシロー」は722日から82日まで、「夏だ!鰻だ!肉だ! Wスタミナ祭」を開催し、スシロー史上最大ボリュームの「超特大うなぎ」(300円、以下税別)や、店舗ごとに神戸牛・松阪牛・近江牛が味わえる「ブランド牛のにぎり」(300)などのスタミナメニューを提供する。各日数量限定。

超特大 うなぎ(300円)、夏味 匠のうなオクラ(150円)、う巻きにぎり(100円)、うなきゅう巻(150円)、うなちらし(780円+税)

3.ファミリーレストラン

ガスト

うなぎ弁当(999+税)、うなぎ弁当 ダブル(1,599+税)

4.弁当チェーン店

ほっともっと

うな重(790円)、Wうな重(1,390円)

オリジン弁当

うな重(中国産うなぎ)(1,058円+税))、同2枚のせ(1,600円+税))、鹿児島県産うな重 (2,000円+税)、同2枚のせ(3,800円+税))

                            ☆

本題の後半は実食です。上記のファストフード店のなかから「鰻料理」で評判が高い吉野家を選び、そこで提供される「鰻重」を食べることにしました。向かったのは自宅からそれほど遠くない「246号線荏田(えだ)店」です。と言うのも、最寄りの「たまプラーザテラス店」は鰻関連商品を販売していないからです。

4連休が過ぎた727日(月)、混雑(3密)を少しでも避けるため、午前11時半ころに入店しました。国道246号沿いに立地していて交通の便利が良く、これまでに何度も利用したことがある店です。10数台の容量がある駐車場には車が1台止まっているだけでした。店内にはカウンター席に座る先客が1名だけです。筆者は心積もりしていた「鰻重 一枚盛」(788+税)を注文。

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同行者はしばらく悩んでから「ライザップ牛サラダ エビアボカド」(600+税)を選びました。

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2-3分後には両メニューが一緒に配膳されました。

「ライザップ牛サラダ エビアボカド」はライザップの名を冠しているように、『高タンパク質、低糖質。』で、キャベツの千切りの上に牛肉・豚肉・鶏肉・半茹で玉子・エビ・アボカド・ブロッコリーがトッピングされた女性が好みそうなメニューです。

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こちらはプラスチック容器に入った和風ノンオイルドレッシングをかけたあと

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「鰻重」は長方形の器(プラスチック製)に鰻の蒲焼とご飯が装われていますが、蒲焼のサイズが小さいため、ご飯が太い額縁に見えることは価格(788円+税)から考えてやむを得ないことでしょう。しかも、尻尾に近い部位(半身が3枚)が当たったのは残念。いっそのこと、枚盛りのメニューにすれば良かったのかも知れません。

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そのまま半身を一切れを食べたあとは   添えられた袋入りの山椒(さんしょう/さんしょ)を2切れの半身に振りかけて味の変化を楽しみました。

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ここでプチ蘊蓄(うんちく)です。「うな丼」と「うな重」の違いは容器が丼(どんぶり)であるか重箱であるかであり、中に入る鰻の蒲焼とご飯は一緒です。焼き物の器である丼(どんぶり)に比べて、漆器(しっき)の重箱は保温性も良く、出前の際には機能性の面でも都合が良かったようです。

しかし、元々の「うな重」は『ご飯とうなぎを交互に重ね2層にしたもの』を指したそうです。高級店では「うなぎの蒲焼」と「ご飯」が別々の器に装って「鰻重」として提供される場合もあります。名前の由来からは「鰻の蒲焼」と呼ぶべきでしょう。別々の器(焼き物あるいは重箱)で提供された方が高級に感じますが、筆者は蒲焼のタレが染み込んだご飯が大好きですから、一緒に装ったものが好みなのです。一方、「うな丼」は鰻専門店が一尾の半分を丸い器(丼)に装って昼食用に安い価格(サービス)で提供したことが始まりだとされるようです。重箱に一尾の鰻を2つに切って上下に並べる「鰻重」の重箱に一尾の半分の鰻を装うと白いご飯の部分が目立ちすぎるための、丸い器である丼を使うことにしたのだそうです。「うな丼」はサービスメニューであったことから、「うな重」より安い食べ物とのイメージが定着したのです。

こんなことを考えながら「鰻重」を10分ほどで食べ切りました。フンワリとした食感と甘辛いタレを塗したり鰻の蒲焼とタレが染み込んだご飯が美味しくて、日本料理の「木曽路」で食べる上品な「鰻ひつまぶし」とは違う魅力が「吉野家」の「鰻重」に感じられました。『ご馳走様です!』 店にいる間に来店者が続き、店内の客席が半分ほど埋まった午前12時少し前に店を出ました。

余談ですが、鰻料理における関東風と関西風の違い(開き方と焼き方)については以前のブログ記事(記事名は失念)に書いた記憶がありますから、ここでは触れません。◇

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