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2020年8月24日 (月)

久しぶりの西部劇「夕陽のガンマン」を観る

アメリカの西部劇は日本でも時代劇と同様に人気がありました。筆者にとっての最初の西部劇は中学生時代にテレビ・ドラマローン・レンジャー」「バット・マスターソン」「拳銃無宿」「ライフルマン」、高校時代から本格的に観始めた映画では「リバティ・バランスを射った男」「西部開拓史」、テレビ放送で観た映画も「OK牧場の決闘」「真昼の決闘」「シェーン」「駅馬車」「荒野の七人」「アラモ」などがあり、枚挙には暇(いとま)がありません。

そんな西部劇も日本の時代劇と同様、テレビで観る機会がめっきり少なくなりました。やはり、時代の流れなのでしょうか。そんな折、先週のテレビ欄(番組表)で懐かしい映画のタイトルを見つけました。「夕陽のガンマン」(1965年制作、1967年日本公開)です。当時(55年前)、「マカロニウェスタン」と呼ばれたイタリアで制作された西部劇の舞台はアメリカの西部(注釈:ロケ地はスペイン)で、主役は当時ほぼ無名に近かった米国俳優のクリント・イーストウッド、監督はイタリア人のセルジオ・レオーネでした。

この古い西部劇が地上波で放送された理由は、8月7日に「マカロニウェスタン」の映画音楽を担当したエンニオ・モリコーネ氏が91歳で逝去(せいきょ)されたからでした。同氏はイタリアにおける映画音楽の第一人者で、「マカロニウェスタン」の映画音楽も担当しています。ちなみに、第1作である「荒野の用心棒」で使われた「さすらいの口笛」は日本でもレコードがヒットしました。

さて、1964年に「荒野の用心棒」(1965年日本公開、注釈:黒沢明監督の用心棒を無断でリメイク、ちなみに米映画「荒野の七人」も黒沢作品のリメイク)をヒットさせた同監督が同じ主役俳優で制作した第2作ですが、一端(いっぱし)の映画ファンを自認していた筆者はこの「マカロニウェスタン」を下手物(げてもの)視していたため、観ることはありませんでした。日本人が中国や韓国を舞台とする映画を作るのと同じと考えたからなのです。

つまり、映画「夕陽のガンマン」(説明:ローマとスペインでロケ、テーマ曲が人気)は、それまでテレビドラマ「ローハイド」(注釈:1959‐1964年放送、タイトルの"Rawhide"は牛の生皮/きかわの意、フランキー・レインが歌った主題歌がヒット)と「マカロニウェスタン」の第1作「荒野の用心棒」(説明:スペイン南部のアンダルシア地方で撮影)に出演しただけの新人俳優クリント・イーストウッドの存在を世に知らしめた作品です。ちなみに、クリント・イーストウッドは映画俳優のみならず、後に映画監督、さらには映画プロデューサーとして活躍する映画界のスーパースターとなりますが、話が長くなりますから、ここではこれ以上言及しません。

さて、「夕陽のガンマン」のストーリーを紹介しましょう。主人公である賞金稼ぎのモンコ(説明:名無し男)が1,000ドルの賞金首を仕留めたところで10,000ドルの賞金が賭けられたインディオ一味が近くにいることを知る。同じ賞金稼ぎのダグラス・モンティマー大佐(注釈:ドイツ人俳優のリー・ヴァン・クリーフ)から持ち掛けられたモンコは、協力してインディオ一味の賞金を獲得することに合意する。インディオ一味は顔馴染みの悪党グロッギーと組んでテキサス州の西端にあるエルパソ銀行を襲撃しようと企(たくら)んでいたのだ。

インディオ一味の情報を得るため、頭脳明晰(めいせき)なモーティマーはモンコを一味に潜入させることにする。モンコはインディオの部下を刑務所から脱走させて仲間に入り込むことに成功したが、狡猾(こうかつ)なインディオは保安官をまくためモンコたちにテキサス州南端のサンタクルスにある銀行を襲撃するように命令。モンコは途中でインディオの手下を殺して保安官にエルパソ銀行が襲撃されることを電信(電報)で知らせた。しかし、インディオは2人が見守る前でエルパソ銀行の建物(入口付近)を爆破して銀行の金庫を奪って逃走してしまった。

このためモンコはモーティマーと手を切ろうとするが、モーティマーはモンコを説得してインディオたちを挟み撃ちすることを提案。しかも、モーティマーはモンコを出し抜くためインディオを計画とは違う場所に誘い込もうとするが、警戒心の強いインディオは別の方角に逃亡する。しかし、そこには二人の考えを見抜いたモンコがいた。

正体がバレてしまったモーティマーとモンコはインディオからリンチを受けるがなんとか脱走。インディオは手下たちに二人を追わせるが、その手下たちは全員討ち取られてしまい、逆にインディオはモーティマーから勝負を挑まれる。インディオが横恋慕(よこれんぼ)していたモーティマーの妹夫婦を殺したことで、モーティマーは復讐のためにインディオを追っていたのだ。

インディオは不意を突いてモーティマーを殺そうとするが、モンコに阻(はば)まれてしまう。二人はモンコが立ち会って一騎打ちを行うことになり、モーティマーの妹の写真が入るペンダント型オルゴールが鳴りやんだ時、モーティマーは瞬時の差でインディオを射殺した。復讐を果たしたモーティマーは全ての成果をモンコに譲(ゆず)るという。モーティマーが立ち去った後、モンコは賞金首であるインディオ一味たちの死体(2万7千ドル相当)を数えながら荷馬車に載せて、モーティマーが事前に盗み出しておいたインディオ一味が奪った金が入るサドルバッグと共に、静かに去って行くシーンでこの映画は終わる。

〈視聴後記〉 「荒野の用心棒」は上記したように黒沢作品をコピーしたものであり、舞台をアメリカに置き換えていますが、ストーリー展開は原作とほぼ同じ。独特(策士的)な性格を持つ主人公をクリント・イーストウッドが好演しました。

一方、この「夕陽のガンマン」での主人公はあくまで冷静沈着(クール)な一匹狼であり、その役はクリント・イーストウッドにとって嵌(は)まり役でしょう。

ちなみに、彼が制作と監督に加えて主演した映画「ファイヤーフォックス」(1982年制作、ソ連の最新鋭戦闘機ミグ31を盗み出す話で、離陸(Take off)ドッグファイト/空中戦は大迫力、映画としての評価は分かれたが興行的に大成功)、出演・監督を担当した映画「ミリオンダラー・ベイビー」(2004年制作、監督も兼任、女性ボクサーの生と死を扱うシリアスな内容、2004年のアカデミー賞で作品賞・監督賞・主演女優賞と3部門のオスカーを獲得)は秀作だと思います。◇

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