スポーツ

2024年1月 2日 (火)

賑やかでも穏やかなわが家の大晦日と元旦!?

例年は筆者と同居者の2人で年を越しています。しかし、今年は大阪のコチビちゃん一家がわが家で正月を迎えてくれることになりました。予定より一日遅れでの帰省にはなりましたが賑やかな年末と正月を迎えています。

大晦日(12月31日)はコチビちゃん一家は二組に分かれて過ごすことになりました。一組は二子玉川でのショッピングに出かけ、もう一組はわが家でテレビゲーム三昧の時間を過ごしています。

筆者はいつも通りにのんびり過ごしています。居間のテレビをテレビゲーム用に開放しましたから、自室のテレビでテレビ東京(7CH)で放送される「孤独のグルメSP」と「出川哲郎の充電させてもらえませんか?」(説明:いずれも再放送番組を収録した特別番組ですから観たことがあるものがほとんど)、続いて午後4時からは「お大晦日に歌い継ぎたい100曲」(説明:テレビ東京の年末恒例番組、録画を中心に構成したテレ東開局60周年特別企画)を他ごとをしながらの「ながら視聴」が続きました。

一方、同居者は来訪者への食事サポートでいつもより忙しくしていますが、いつも以上に楽しそうです。そして、外出したグループが帰宅した午後7時過ぎに大勢で賑やかな夕食を楽しみました。

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ヒレカツが並んでいますが、筆者は年越しそばに少しだけ添えていただきました。何れも同居者のお手製です。

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二子玉川から帰ってきたばかりの孫娘が 『紅白歌合戦を観ても良い?』 と意外なことを言います。筆者は 『もちろん良いよ!!』 と応えながらテレビのチャンネルを"7CH"から"1CH"へと切り替えました。午後7時20分に開始する「紅白歌合戦」が丁度始まるところでした。舞台の袖からテレビカメラが司会者たちとともにステージへ入って行きます。以前のオープニングとは大きく変わった演出でした。

「紅白歌合戦」の展開に興味を持った筆者はテレビ画面を写真撮影することに。ドミノ倒しの準備が別会場で進められています。

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出演者の名前と曲は見覚えの無いものです。

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しばらくして自室へ移動した筆者は自室のテレビで「紅白歌合戦」を鑑賞することにしました。「スーパー銭湯」出身のグループのことは筆者にも分かります。

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しばらくは"CH1"と”CH7”を行ったり来たり!

午後10時から 『孤独のグルメSP 沖縄初上陸!"探さないでください"』 が始まりました。これも大晦日恒例の特別番組です。主演の井之頭五郎さんが年末になると必ずハプニングに巻き込まれるのがお決まりです。これまでは韓国の釜山へ緊急出張したり、自分の小さな車に大きな蟹の看板を積んで東京から北海道まで移動したりしています。

今回は都会のゴタゴタから逃れて沖縄で年末を過ごすことにした五郎さんです。沖縄の美味しい料理を満喫しながら、やはりハプニングに巻き込まれてしまいます。今回は歌とダンスのグループ一行と堤防上で遭遇した五郎さんは怪我をしたグループの運転手(マネージャー?)の役目を代行することになりました。

そして、グループの引き立て役として太鼓持ちのような役まで引き受けさせられてしまいます。方法の体で一行から逃げ出しますが、安心したのはほんの僅かです。怪我を押して車で移動しようとしている一行の運転手と再遭遇。心優しい五郎さんはその代行として台湾へ大きな荷物を届けることになりました。任務を完了して、台湾料理と夜市をたっぷり楽しむ五郎さん!目出度しめでたし!!

午後11時30分からは「生放送ジルベスター 年越しカウントダウン」が続きました。カウントダウン曲を楽しみにしていましたが、孫娘からパソコンについての質問が寄せられたため、カウントダウン曲が終わるシーンを見逃してしまいました。コンサートの後半を楽しんでから午前0時30分過ぎに就寝。

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元日は午前7時ころに起床。テレビ東京では早朝から「孤独のグルメ元日!」(説明:11時間を超える再放送番組)が放送されました。しばらく観たあと、午前7時30分にはTBSテレビへチャンネルを切り替えました。毎年、元日には「ニューイヤー駅伝」の中継が放送されるのです。

午前8時ころには元旦とお節とお雑煮です。元旦の挨拶をして賑やかな朝食が始まりました。

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同居者が手作りしたヒレカツが大晦日に続いて食卓に並んでいます。元旦の朝食も賑やかです。

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今年のお雑煮はいつもと違います。入っている具や餅がはっきりとは確認できないのです。

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確認すると切り餅が二切れと鶏肉、キノコ、青菜などでした。新しいメニューを作ったようです。

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お節から小皿へ少しづつ取り分けました。


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薄味で上品なお節です。今年も穏やかな年であることを願いました。

午前9時15分に「ニューイヤー駅伝」(正式名称:全日本実業団対抗駅伝競走大会)が群馬県庁前でスタートしました。1区は混戦でしたが、2区で抜け出したトヨタ自動車が終始安定した走りで首位を守りました。午後2時過ぎ、2位以下に2分余りの差を付けてトヨタ自動車(2・5・6区で区間賞を獲得)が優勝、2位はHonda、3位は旭化成でした。

トヨタ自動車とHondaと並んで優勝候補とされた富士通は後半追い上げましたが1区の出遅れが響いて9位と低調な成績です。4位の黒崎播磨と5位の三菱重工が検討したことが目立ちましたが、概ね順当な結果だったと思われます。なお、今夜7時から「ウイーンフィルニューイヤーコンサート2024年」が始まり、明日の午前8時には「箱根駅伝」がスタートします。賑やかな正月はまだ続きます。

テレビが空いたと思った同居者はNHK BSP4Kで放送中の「街角ピアノ スペシャル:ハラミちゃん パリを行く」を観始めました。筆者が心積もりしていた午後2時30分から日本テレビで放送される「元日から夜ふかし 村上&マツコと大爆笑2024」(予告編)は自室のテレビで看ることに。

午後4時過ぎに筆者のスマホンに常時インストールしている「地震予報」の警報音が鳴りました。北陸の能登地域で大型の地震が発生したようです。その後も頻繁に余震が発生したことで、テレビ放送は地震関連のニュース一色になりました。津波警報も続いています。注釈:主要テレビ局のなかでテレビ東京だけは通常番組にテロップを流すだけにしたのは、いかにも同社らしい合理的な対応です。

午後6時半頃になっても津波警報が出たままで、被害状況がほとんど報じられません。久しぶりに集まった家族で食卓を囲むことにしました。次の写真は第2弾(大人数用)のお節料理です。ただし、左上の大皿は同居者のお手製。

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午後7時になっても地震の情報を伝えるテレビ放送(Eテレ)の状況は変わりません。暫(しばら)くすると 『「ウインフィルニューイヤーコンサート」の放送は1月6日(土)午後2時からに延期する』 旨のテロップが流されました。北陸地方でかなりの被害が発生していることが報じられ始めました。

そして、報道内容に大きな変化が無くなった午後9時ごろにはほとんどのテレビ局が通常の番組(テロップニュース付)に戻りました。注釈:NHKとTBSを除く

ところで、明日開催される予定の第100回を迎える「箱根駅伝」(正式名称:東京箱根間往復大学駅伝競走)は予定通りに開催されるのでしょうか。もし開催されるとしても生中継による放送は・・。なお、過去に発生した大地震では直後のスポーツ大会が中止された例があるようです。

今年こそ穏やかな新年を迎えたと思っていましたが・・。◇

2022年1月 4日 (火)

正月の三が日も引き続きテレビ中継観戦(箱根駅伝復路)

1月3日も午前7時から日本テレビで「第98回箱根駅伝」が中継されました。天気は前日と同じ晴れ、気温は-1.2C。富士山は中腹に靄(もや)が漂っています。テレビ放送ではトピックスの紹介の後、午前8時に復路がスタートしました。往路の時間差に合わせて各チームのスタート時間が調整されます。たださ、トップとの時間差が10分を超えたチームは10分後に一斉スタートです。

【6区】
往路1位の青山学院に続いて同2位の帝京大学、3位の駒沢大学が次々とスタートしました。5校が一斉スタートですが、東京大手町のゴールを目指します。なお、10分以上遅れたチームはその差が復路の時間に加算調整されるのです。

6区の山下りはスピード区間ですが、まず最高地点までの上り坂を上手く登る必要があります。5チームが一斉スタートした午前810分にはトップの青山学院は芦ノ湖畔から上り坂に入っていました。最高地点を過ぎた5km地点では2位帝京大学は253秒差、3位駒沢大学は336秒差で、青山学院が10秒前後差を拡げています。

下り坂に強い選手を配した青山学院はさらに差を拡げて、小涌園前(9.1km地点)で2位帝京大学は236秒差、駒沢大学は32秒差といずれもトップを追い上げます。

2位帝京大学との差は宮下で234秒、大平台で2位駒沢大学とは259秒。上位が大きく変化しています。芦ノ湖をスタートした時には245秒でしたから青山学院が10秒余り詰められたことになります。2位争いに順天堂大学も加わって三つ巴状態になりましたが、函嶺洞門の手前で順天堂大学が前に出ました。函嶺トップの青山学院は湯本駅前を通過。

小田原中継所の順位は1位青山学院、318秒差の2位は駒沢大学、323秒差の3位は順天堂大学、4位帝京大学。中央大学が6位から5位へ順位を上げています。

【7区】
6区では2位以下が目紛(めまぐる)しく順位を入れ変えましたが青山学院は2位との差を広げて7区に入りました。テレビ中継は2位以下のレース展開に注目するため青山学院の姿は映りません。日テレのサイト「速報マップ」でトップの場所を確認。全チームが中継所を通過したところで快速する青山学院が映りました。

中盤10km地点を過ぎたところで順天堂大学が駒沢大学を捉(とら)えて2位に上がりました。二宮(11.8km地点)の松並木では2位順天堂大学は337秒差、3位駒沢大学は340秒差と小田原中継所の通過時より20秒前後も差を広げます。2位以降19位までは僅差で並んでいますから順位が入れ変わる可能性がありまし。20位の日体大が少し遅れました。19km地点で駒沢大学が順天堂大学を抜き去り2位に順位をアップ。

平塚中継所の通過順位は1位青山学院(区間賞)、451秒差の2位が駒沢大学、4分 52秒差の3位順天堂大学、以下 帝京大学、中央大学、東京国際大学の順です。

【8区】
8区は戸塚中継所までの難しい上り坂の区間ですが、まず湘南海岸線を走ります。2位の駒沢大学と3位の順天堂大学が7kmほど並走。茅ヶ崎(6.9km地点)では並走した2位と3位がトップと441秒差で通過し、平塚中継所の通過時より10秒短縮しました。636秒差の4位は創価大学と帝京大学。

青山学院は藤沢市の中心部へ向かう上り坂に差し掛かりました。湘南海岸線では東京国際大学が追い上げて順位を帝京大学と創価大学を追い抜き4位に、中央大学は帝京大学を抜いて6位、順天堂大学が駒沢大学を抜いて2位と、上位グループの動きがありました。青山学院は藤沢橋を越えて遊行寺坂(15.9km地点)を上ります。戸塚中継所まで5kmです。

順天堂大学がトップを追い上げます。遊行寺坂では2位順天堂大学は431秒差、3位駒沢大学は515秒差です。順天堂大学は茅ヶ崎通過時よりトップとの差を10秒短縮。2人抜きの中央大学が3位に順位を上げました。

戸塚中継所の通過順位は1位青山学院、432秒差の2位は順天堂大学、726秒差の3位は中央大学、以下 東京国際大学、創価大学、駒沢大学、帝京大学、東海大学の順です。

【9区】
レースは9区に移りました。テレビ画面に青山学院は映りません。「速報マップ」を確認すると順調に戸塚の街を走っているようです。それを順天堂大学が3分差で追い、少し遅れた3位以下は団子状態です。テレビ画面に映った青山学院のデータから安定したペースで走っていることが分かりました。

青山学院は権太坂を順調に通過。3位争いが東京国際、中央大学、創価大学の3チームで始まりましたが創価大学は後退し、駒沢大学が追い上げます。権太坂の通過順位は521秒差の2位順天堂大学、755秒差の3位は中央大学、以下東京国際、創価大学、駒沢大学。

青山学院が横浜駅前(14.7km地点)を通過。鶴見中継所まで8.4kmです。3位争いの東京国際と中央大学は中央大学がスパートして一気に差を付けました。通過順は2位順天堂大学は(621秒差)、3位中央大学、4位東京国際、5位駒沢大学。

鶴見中継所で青山学院が襷(たすき)を渡しました。1時間715秒の区間新記録です。2位は756秒差の順天堂大学、3位は843秒差の中央大学、以下 駒沢大学、国学院大学、東京国際、東洋大学、東海大学。

【10区】
10区は青山学院が2位に8分近い差をつけたことで首位争いは無風(波乱のない)状態になりました。一方、今回もシード権(10位以内)争いに関心が集まりました。2位の順天堂大学が六郷橋を渡るころにはトップの青山学院は京急蒲田駅前を通過。次いで大森海岸駅、立会川駅、鮫洲駅、青物横丁駅、新馬場駅、北品川駅など京急の各駅の近くを通過すると品川駅に近い新八つ山橋です。

新八つ山橋の通過順位は1位青山学院、857秒差の2位は順天堂大学、109秒差の3位中央大学、次いで駒沢大学、東京国際、東洋大学、東海大学。

青山学院は田町を通過して日比谷通りに入り、皇居のお濠端を北上した馬場先門を右折して中央通りへ向かいました。その頃、3位争いで駒沢大学が中央大学を追い抜くと、中央大学が抜き返します。青山学院は東京駅八重洲口前を通過。駒沢大学が中央大学を再度追い抜きました。

いよいよレースがフィナーレを迎えます。青山学院が日本橋北詰交差点を左折して大手町へ向かいました。ゴールは目の前です。青山学院が大会新記録で総合優勝。2020年に自チームが樹立した開会新記録を141秒も縮めた素晴らしいレースでした。

2位は1051秒差の順天堂大学、3位は1115秒差の駒沢大学、4位は東洋大学、5位は東京国際、次いで中央大学、創価大学、国学院大学、帝京大学でした。以上の9校と10位の法政大学がシード権を獲得しました。

今回はレース全体を通して青山学院の強さを示した大会でした。また、箱根駅伝の名門である中央大学の復活も朗報です。◇

2022年1月 3日 (月)

正月の三が日も引き続きテレビ中継観戦(箱根駅伝往路)

1月2日は午前7時から日本テレビで「第98回箱根駅伝」が中継されました。トピックスの紹介を行なった1時間後の午前8時にレースがスタート。

【1区】
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区は前年のスローペースとは異なりハイペースのレースになりました。トップグリープを引っ張っていた中央大学が中盤でスパートして独走態勢のまま六郷橋を超えて鶴見中継所で襷(たすき)を渡しました。見事に区間新記録を達成。2位駒沢大学には39秒差。

【2区】
2区では横浜駅付近でトップ中央大学を追い抜いた駒沢大学が素晴らしい走りを見せてトップに踊り出ると権太坂で2位青山学院に49秒さをキープ。東京国際大学は117秒差の3位。そのまま戸塚中継所へ。2位の青山学院に12秒の差をつけました。

【3区】
3区は青山学院と東京国際大学がトップの駒沢大学を追い上げて茅ヶ崎付近で駒沢大学を捉えて追い抜いた青山学院と東京国際大学がしばらく並走しました。平塚中継所の3k手前で青山学院がスパート。タイミングが少し早いと思われましたが12秒差で青山学院がトップで平塚中継所を通過。東京国際大学(12秒差)と帝京大学が続きました。

【4区】
4区はそのまま大磯を通過しましたが、國學院大学が帝京大学を捉えて3位に上がりました。トップの青山学院はスムーズな走りで2位との差を広げ、9.1km地点の二宮では11秒になりました。青山学院は東海道の松並木を順調に走ります。ほぼ無風状態も幸いしているようです。酒匂橋を越えても上位の順位は変わりません。注釈:日テレのサイトにある「速報サイト」でリアルタイムで順位を確認

小田原中継所は市街地から少し登った蒲鉾の「鈴広」にあります。市街地を抜けるところで創価大学が帝京大学を追い抜きました。区間を通して2位との差を広げ続けた青山学院がトップて小田原中継所を通過。2位は137秒差の東京国際大学、3位は146秒差の国学院大学、4位は250秒差の帝京大学、5位は252秒差の創価大学でした。

【5区】
5区の山登り区間の序盤で国学院大学が2位に上がりました。これに東京国際大学と帝京が続きます。大平台での通過タイムは青山学院が差を広げたことで、2位国学院大学が158秒差、3位東京国際大学が224秒差、4位帝京大学と駒沢大学が237秒差。

宮下を過ぎたところで帝京大学が東京国際大学と国学院大学を追い抜いて2位に上がり、中央大学が順天堂大学を抜いて5位に上がりました。駒沢大学が国学院大学を抜いて3位に。

国道1号線の最高地点(874m)を過ぎて下り坂に入りました。芦ノ湯では2位との差は256秒。強い風が選手に吹きつけます。青山学院は坂を下り終えて芦ノ湖畔に出ました。

元箱の往路ゴールに青山学院大学がトップで入りました。237秒差の2位が帝京大学、328秒差の3位が駒沢大学、4位が国学院大学、5位が順天堂大学、6位中央大学でした。

青山学院大学と帝京大学が終始安定したレース展開をしたことが印象に残ります。復路の展開についても楽しみです。(続く)

2021年9月 6日 (月)

鳥人間コンテスト2021を観る

昨年は中止された「鳥人間コントスト」が今年はこれまでと同じ滋賀県彦根市の松原水泳場で7月31日と8月1日の両日にわたって無観客で開催され、その記録映像が92日午後7時から読売テレビ(日本テレビ系)の特別番組「鳥人間コンテスト2021」(33回目)として放送されました。

人力プロペラ機部門では飛行距離が年々伸びて2019年に60㎞と最高記録が更新されたことで、開催が中止された昨年(2020年)を経て、今回(2021年)はこれまでにないルールが設定されました。それはプラットフォームから2つの目標ポイントを往復する長距離ルートの設定です。

具体的には、一つ目のポイントである竹生島までの往復距離が35km、もう一つは琵琶湖の南エリアに置かれたポイントを往復する35km、計70kmのコースになったのです。

ここからは実況中継風にコンテストの経過と結果を説明します。

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11機が参加した人力プロペラ機部門から番組が始まりました。1番目のチームである大阪工大のプロペラ機はギアに異常をきたして異音を発しながら高度を下げ、3kmを過ぎたところで着水。直前に『ギアが空回りしている!』 とのパイロットの悲鳴。4,234.68mの記録でした。

2番目は自宅が作業場である個人が登場。学生サークルに属していた昨年は大会が中止になったため、今年はパイロットと二人体制で参加。安定した飛行を続けます。風に機体を揺さぶられて不安定な飛行になり着水。記録は1,226.88m

3番目は名古屋大学。離陸直後に風にあおられてバランスを崩したことで記録はわずか99.18m。次いで早稲田大学も同様に59.25m。5番目の京都大学は243.93m

大阪府立大学は1kmを超えたものの1,249.93m。北海道大学は1,9027m。風の影響なのでしょうか、ここまでの出場7チームはいずれも風の影響を受けたことで思うような記録を出せません。

ここで工学院大学が登場。練習フライト時の録画では若きパイロットの熱き想いが明かされます。スピッツのヒット歌まで話題に。フライトは順調であり、前途は明るいと思われましたが、突然でしたが尾翼が揺れ始め、記録は418.90mと予想外の結果

救出されたゴムボート上でパイロットの男性はリーダーの女性に告白。女性の答えは『嬉しいが、自分は代表であるから受け入れられない。でも君がいなかったら駄目だった。私も泣きそう。』と大人の言葉でした。

東京都立大学のパイロットは父親の夢を叶えることになるのでしょうか。今回では初めての安定した飛行を続けますが岸に近づき過ぎてしまう。しかし、冷静に舵を切って4kmを通過。高度が下がり始めてハラハラさせながら5kmを通過して記録は5,221.04m

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ここでプロペラなどの動力を持たない滑空機部門(12機が参加)に入りました。都立産技高専の記録は163.27m。続いた上智大学の女性パイロットは東京の老舗蕎麦店の看板娘。記録は78.39mと残念な結果でした。Iwataniクリーンエネルギーチームはスムーズなフライトで距離を伸ばして275.92mを達成。

歌手で滋賀ふるさと観光大使の西川貴教(たかのり)さんが、昨年来の熱き想いを語り、フライト人間の先輩(2人)から機体作りを教えてもらう。4時間で垂直尾翼を完成。次はグライダーの飛行訓練。とは言っても後部座席でしたが。西川貴教が作った尾翼を使う機体で機体製作を指導した女性が操縦しました。安定した状態で目標の300mには届かない199.98m

台湾生まれの女性パイロットの記録は46.51m。湘南工科大学はプラットフォームに接触して記録は測定不能。安定した飛行を見せた愛知総合工科高校の記録は153.73m。八幡浜工業高校のパイロットは退職した同校の元教師。記録は64.01m

徳島大学は女性2人で立ち上げたチーム。昨年は大会が中止されたため今年は最後のチャンス。目標は100m。記録は66.67m

学生強豪3チームが登場。東京都立大学は女性パイロット。美しいフライトでどんどん距離を伸ばしました。記録は451.12m3つの記録を更新しました。九州大学は鋭いスタートでしたが記録は161.54mと大方の予想と違って平凡なもの。

最後は最長記録を持つ日本大学です。元サッカー部のパイロットはその体力を活かせたのでしょうか。理想的なスタートをして湖面スレスレを飛行しましたが記録は265.47mと振るいませんでした。

優勝したのは451.12mを飛んだ東京都立大学の女性パイロットでした。女性パイロットとしては初の優勝です。2位はIwatani クリーンエネルギーチーム、3位は日本大学でした。

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人力プロペラ機部門に戻りました。伝説のチーム、チームエアロセプシーは大きくそれた進路を修正する中、高度調整に失敗して機体が大破したため、4,650.97mに終わりました。

2連覇中のBIRDMAN HOUSE 伊賀は素晴らしいスタートを見せました。追走するボートを振り切って快調にフライト。第一ポイントを転回してプラットフォームへ向かいます。しかし、南方向へ進路が逸れてしまったため、軌道を修正しながらプラットフォームを目指します。

必死の形相のパイロットは順調に判定ラインに到着しましたが、ここで旋回するのではなく着水することに。しかし、何ということでしょうか、そこは飛行禁止区域であったため無念の失格。

優勝は飛行距離が5,221.04mの東京都立大学でした。2位はチームエアロセプシー、3位は大阪工大。いずれも5,000m前後の記録で、予想外の低調な結果です。

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<視聴後の感想> 参加チームの熱い思いと強い風がフライトへ及ぼす影響が目立った「鳥人間コンテスト2021」(人力プロペラ機部門)でした。筆者は一ファンとして、次回(来年)のコンテストにはどのような改善策が織り込まれるかを期待しながら1年後を待ちたいと思います。

2021年7月24日 (土)

オリンピック東京大会の開催式が7月23日に波乱含みの中で行われました!

筆者にとっては1964年に開催された前回のオリンピック東京大会(18回オリンピック大会)は長い人生で思い出に残るイベントの一つです。日本が敗戦後に復興したことを世界に示す絶好の機会でした。ただし、多くの国民は東京大会への関心が高かったとは言えなかったようです。

その雰囲気の中でも、国立競技場を始めとする競技会場の新設・整備は勿論のこと、当時、世界最速の高速鉄道であった東海道新幹線は東京大会が1010日に開幕される直前の101日に開通。首都高速道路の整備と東京モノレールの開通などのインフラが突貫工事で完成したのです。

そして、開催式の前日まで台風の影響で荒天であったのが、開催式の当時は快晴(秋晴れ)に恵まれ、式典は滞りなく開催されました。地方に在住していた筆者は土曜日午後の開催式をテレビ中継で観ることができました。そのテレビ映像は通信衛星で世界各国にも中継され、本格的なテレビ・オリンピック大会の走りと言えるものでした。また、賛否の論拠を呼んだ記録映画(市川崑監督)も制作されました。

こうして盛り上がりを見せた東京大会の閉会式では各国の選手団が入り混じって閉会式場に入場したことで最高潮に達しました。これは関係者にも想定外のことだったようです。

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さて、今回のオリンピック東京大会の四方山話(よもやまばなし)です。正式名称は「第 32 回オリンピック競技大会(2020/東京) 」、またパラリンピックの方は「東京 2020 パラリンピック競技大会」とのこと。ニュース報道では「東京2020オリンピック競技大会」(略称:TOKYO 2020)と東京の名前を強調する名称になっています。

新型コロナウイルス禍の世界的な蔓延により2020年の開催が断念され、2021年開催と1年の延期が2020324日に発表されました。それに先立ちオリンピック開催に当たっての複数のトラブルが発生しました。

その代表格は新国立競技場のデザイン・コンテストで一旦は選ばれたザハ・ハディド氏のデザインを総工費が予算の1.5倍以上になることが判明したため白紙撤回されました。次いで東京大会のエンブレムは某劇場のロゴとの類似疑惑が持ち上がってこれも再募集することになりました。

2019年には東京大会の誘致に関してIOC委員に約2.5億円の賄賂を送ったとしてJOC会長がフランス当局の取り調べを受けたそうです。会長は辞任。20212月には大会組織委員会(以下、組織委員会と表記)の会長が性差別発言で辞任。その直後には大会の開閉会式の演出を統括するクリエイティブ・ディレクターが女性タレントを対象とした不適切な演出案を出したことで辞任。

今月には開催式のオープニング用楽曲を担当する音楽家が犯罪とも言える過去の不祥事で辞任。このように今年だけでも東京大会を推進する重要人物の辞任ラッシュが続いています。いずれも一旦は擁護(ようご)する意見が出た後の辞任(実質的な解任)でした。組織委員会の武藤事務総長は前言を撤回して解任するとともに、この音楽家が担当した4分間の楽曲を使わないと発表しました。

そして、開会式の前日である7月22日には、開閉会式でショーの演出総合統括(ショー・ディレクター)を務める元お笑い芸人が解任されました。過去にお笑いグループとして活動していた時にコントの中で「ユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)」を揶揄(やゆ)するとみられるシーンの動画(注釈:1988年に発売されたビデオとみられる)がネットワークに拡散して、SNS上で問題になっていました。7月21にはアメリカのユダヤ人権団体からも非難声明が出されていました。

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こうして振り返ってみると、いずれも組織委員会の責任者に関わるもので、人権意識の無さはオリンピックの理念「あらゆる差別の禁止、多様性と調和」に反するものばかりです。「復興五輪」を旗印にして誘致した「東京大会」でしたが、開催が決まると「東北の復興」や「小さな東京大会」の考えは跡形もなく消えてしまいました。

その結果、外部の意見に耳を傾けながら「東京大会」の開催を裏方として支えるはずの「組織委員会」は、主役である選手とそれを応援する観客に代わって、悪い意味で中心となる「東京大会」へと変質してしまい、「オリンピックの精神」を蔑(ないがし)ろにしてしまった感があります。

それにも拘(かかわ)らず組織委員会の幹部は、自身が問題の当事者であった森前会長以外、誰ひとりとして責任を取ってはいません。これは最近の日本における長期政権と同じ"3S"手法、つまり「説明しない」「説得しない」「責任をとらない」を組織委員会も踏襲しているのです。

7月22日、橋本会長はお詫(わ)びの言葉を述べました。しかし、開催式のショーを担当する2名の責任者が解任されたことで、4分間のオープニング音楽だけではなく、連日練習が行われていた開催式のショー全体が実行できるかどうか危ぶまれる事態に実行委員会は追い込まれました。前回の東京大会と同様に入場行進と聖火点灯を中心とするシンプルな開催式にするべきであるとの意見が出たようです。

前日に対応を判断せざるを得なかった実行委員会は、『ショーの演出が当該の責任者単独で行われた部分はない』 として、開会式は当初の予定通りの内容で7月23日午後8時から実施されました。かなり苦しいん説明だと思います。次々と明らかになるトラブルに組織委員会の幹部は薄氷を踏む思いだったのでしょう。あるいは祈る思いだったのかもしれません。

組織委員会の枚挙に暇(いとま)がないお粗末(そまつ)さの数々はいずれも海外メディでも報じられて、組織委員会が美辞麗句で開催意義を語った「東京大会2020」のイメージを著しく貶(おとし)めたことは世界が知るところとなりました。

以上、列挙してみると、まるで倒産直前の不良企業のゴタゴタを見るようです。つまり、責任体制と管理機能に不全状態が起きているのです。この状況に対し東京大会に距離を置くことを経済三団体と東京大会の主要スポンサーでもある大企業のトップが相次いで意志表明(説明:開催式への不参加とオリンピック関連のテレビCMの取り止め/差し替え)しました。これまでに無かった極めて異常な事態だと思います。

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7月23日午後8時から開会式(Opening Ceremony)が始まりました。式次第を簡単に紹介します。オープニングはダンス・パフォーマンスと五輪の輪を木材で作るシーン、東京大会の50競技を記号で示す動くピクトグラムなどで始まりました。国旗掲揚と歌手MISIAさんの国歌斉唱に続いて各国選手が「あいうえお順」で入場するシーンが長時間(約2時間)続いたあとは橋本組織委員会会長(6分半)とIOCバッハ会長(13分)の長い挨拶があり、午後11時13分ころに天皇陛下が開催を宣言されました。

会場内の聖火リレーは金メダリストの吉田沙保里さんと同じく野村忠宏さん、プロ野球のレジェンドである長嶋・王・松井の3氏、医療従事者(医師と看護師)、パラリンピックのトライアスロンに参加予定の土田和歌子選手、被災地である宮城・岩手・福島の子供たち、そして最終ランナーはテニスの大阪なおみ選手。

両会長の長い挨拶があったため予定より遅い午後11時45分頃、大阪選手は富士山を模した聖火台の階段を上がり、太陽をモチーフとした聖火灯点火しました。聖火台は世界的なデザイナーの佐藤オオキさんのデザインで、点火時には花のように開きました。聖火を灯す燃料はオリンピックで初めて使用された水素ガスで脱酸素社会を象徴するものです。

開会式を観た感想です。個々の演目は完成度が高かったのですが、開会式としては何かが足りない(欠けている)ように思われました。先ず、東京大会の理念が上手く表現できていないこと、そして各演目間にストーリー性がなくてバラバラの印象を受けました。会場内の聖火リレーも日本人以外には分かりにくかったでしょう。兎にも角にも、ほぼ4時間に近い開会式が終了しました。ただし、最終的に完成しないジグソー・パズルのようでモヤモヤ感が残りました。

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話は前後しますが、そんな歓迎されないムードの中で7月23日の開催式を待たずに一部の競技が7月21日に始まりました。その先駆けとなったのは女子ソフトボールです。強豪のオーストリアを8-1と大差をつけて日本がコールド勝ち、幸先の良いスタート。『日本人選手が金メダルを2-3個獲得すれば雰囲気が大幅に好転するはずだ』 との見方を述べる人が一部にはいますが・・。

最大の課題である新型コロナウイルス対策として国際大会で実績がある「バブル方式」(選手・関係者を外部から隔離し、移動制限するとともにPCR検査を頻繁に行う手法)が採用されましたが、移動制限と違反外出管理の不徹底がすでに明らかになっています。

また、これまで不具合が発生した状況から見て、バブル内に入った後にPCR検査で陽性が判明(注釈:南アフリカ、チェコ、オランダの各チームで確認)した人物の扱いと濃厚接触者の特定などが課題として残っていると言われています。

国際大会で実績がある方式とは言っても、それらはほとんどが単一種目の競技会でした。一方、夏季オリンピックの東京大会には1万人を超える選手・関係者が海外から来日しますから、「バブル方式」の管理を徹底することは容易ではなさそうです。ちなみに、入国時にPCR検査で陽性と判断された人数は720日現在で27人、この他に国内在住の関係者の感染者が40人、計67人に上ることが専門家会議で確認されたそうです。

国民の8割近くが東京大会の開催に反対しているなか、菅首相は国民の意識を斟酌(しんしゃく)せず 『(東京大会を)やめることは一番簡単なこと、楽なことだ。挑戦するのが政府の役割だ。感染者数なども海外と比べると1桁以上と言ってもいいぐらい少ない。ワクチン(接種)も進んで、感染対策を厳しくやっているので、環境はそろっている』と楽観的すぎるとも思える発言(インタビュー記事)が721日付けの米WSJ紙(日本語版)に掲載されました。

この発言から分かるように、見切り発車の形で開催式を迎えた「東京2020オリンピック競技大会」です。「安心・安全」の言葉だけではなく、大会の感染予防とセキュリティについては実のある「アンダー・コントロール!」の状態が「オリンピック・パラリンピック東京大会」の期間中だけでも維持されることを願っています。◇

2021年1月 4日 (月)

箱根駅伝(復路)

箱根駅伝の2日目(13日)は前日と打って変わった曇天で、芦ノ湖越しに冠雪した富士山を望むことはできません。しかも、早朝の元箱根は気温が0度とやや低めです。ただし、路面は乾燥していますから、転倒のリスクはないだろうと思いなが、選手にトラブルがないことを願いました。ちなみに、わが家付近は晴天で、ベランダでは午前7時の気温が元箱根と同じ0度です。

定刻の午前8時に往路優勝の創価大学が元箱根をスタートしました、次いで、往路にゴールした時間差に応じて2位以下の各チームが時差スタート。ただし、往路のタイムがトップから10分以上遅れた18-20位の4チーム、山梨学院大学、中央大学、専修大学、関東学生連合が繰り上げスタートで午前810分に走り始めました。往路優勝で気力が充実している創価大学の選手は軽やかなストライド走法で元箱根から芦之湯までの急坂を登って行きます。これを往路2位の東洋大学と3位駒澤大学および4位帝京大学がトップと2分強のタイム差で追走します。

4km付近で駒澤大学が東洋大学を、東海大学が帝京大学を追い抜いてそれぞれ2位と4位へと順位を上げました。山降りコースである6区は山登りコースの5区と同様、順位の大きな変動が予想されますが、6.5km地点付近で早稲田大学が帝京大学を追い抜いきました。そして、9km地点の小涌園前では駒澤大学がトップと158秒差の2位、そして3位東洋大学と4位東海大学が続きます。また、早稲田大学と青山学院大学も順位を上げました。大平台のヘアピンカーブでは2位の駒澤大学がトップの創価大学を144秒差まで追い上げました。3位は33秒差の東洋大学。函嶺洞門では駒澤大学が創価大学との差を129秒差に縮め、東海大学が3位に浮上。

細かく順位が入れ替わったことで、小田原中継所での1位は創価大学、19秒差の2位が駒澤大学、323秒差の3位が東海大学、4位東洋大学、5位順天堂大学、6位神奈川大学。なお、青山学院大学は順位を二つ上げて10位。ちなみに、区間賞は駒澤大学の花崎悠紀選手。

7区は平塚中継所までの21.3kmのコースで、往路4区の20.9kmより約400m長くなっています。この理由は以前の関連記事に紹介したように平塚中継所付近でコースが往路と異なるためです。二宮付近で旧東海道の松並木が残る坂道(国道1号線)を抜けることは同じ。さて、トップを維持する創価大学は順調に走行して海岸沿いの道から少し内陸寄りにそれました。2位の駒澤大学は少し広がった117秒差で二宮を通過。冷たい北風が選手を苦しめそうです。338秒差の3位は東海大学。快調に走る青山学院大学は順位を3つ上げて7位へ上昇しました。

大磯の松並木を抜けた平塚中継所でのトップは7区で2位との差を広げた創価大学、152秒差の2位は駒澤大学、3位東海大学、4位東洋大学、5位東京国際大学、6位順天堂大学。区間賞は東京国際大学の佐伯涼選手。

戸塚中継所までの8区(21.4km)は富士山を背に湘南海岸沿いのコース(国道134号線)から茅ヶ崎市で内陸部へそれると、後半に高低差30mの遊行寺坂(ゆぎょうじざか)が控えています。前半は創価大学の快走が続く一方、駒澤大学が猛追してトップとの差を20秒ほど縮めますが、2位以下の順位に大きな変動はありません。その中、青山学院大学は、順位を3つ上げた6区と2つ上げた7区と同様の快走で、7位から5位まで順位をさらに2つ上げたことは特筆できます。

いよいよ遊行寺坂です。創価大学は急な坂でペースが少し落ちる一方で、これを追走する駒澤大学の選手は登り坂を得意とするようでハイペースで急坂を駆け上がって行き、遊行寺坂のポイントでは124秒差に迫りました。3位東洋大学、4位東海大学、5位青山学院大学、6位順天堂大学。アップダウンが続8区の終盤のレース展開は9区と10区で予想されるデッドヒートに備える上で重要でしょう。戸塚中継所では遊行寺坂での順位のまま、1位創価大学、129秒差の2位が駒澤大学、3位東洋大学、4位東海大学、5位青山学院大学、6位順天堂大学でした。ちなみに、区間賞は明治大学の大保海士選手。

9区は鶴見中継所までの23.1kmと長い区間です。前半は緩(ゆる)やかな降り坂の後に権太坂の急な降り坂があり、後半はほぼ平坦になりますから、スピード争いになると思われます。6km地点を過ぎたところで青山学院大学が東海大学を捉(とら)え、6.8km地点で追い抜いて4位に上がりました。また、シード権争いも熾烈(しれつ)です。7位の東京国際大学、8位の早稲田大学・帝京大学・國學院大学、11位明治大学、12位神奈川大学までの6大学が4つの枠を争う構図になりました。

トップの創価大学は区間新記録に手が届きそうなハイペースで横浜駅前を通過。これを26秒差の駒澤大学が追います。3位東洋大学、4位を青山学院大学と東海大学が争い、長い併走の結果、青山学院大学が鶴見中継所の直前で競り勝ちました。

鶴見中継所でも上位チームの順位に大きな変動はありません。上位の10チームはトップの創価大学、次いで駒澤大学、東洋大学、青山学院大学、東海大学、帝京大学、早稲田大学、順天堂大学、國學院大学、東京国際の順です。区間賞は創価大学の石津佳晃選手。

2位の駒澤大学に319秒の大差をつけた創価大学のアンカーは落ち着いたペースで走り始めました。しかし、2位の駒澤大学が猛追して蒲田では245秒にまで差を詰めました。新八ツ山橋では157秒差。そして、20km地点でトップの創価大学を捉えた駒澤大学のアンカー石川拓馬選手が残り2kmの地点で一気に抜き去りました。小野寺選手の体調不良(脱水症?)が原因でしょう。日本橋中央通りを駒澤大学のアンカーが激走して復路のゴールを目指します。

日本橋を過ぎて三越の角を左折すればゴールは目前です。和かな表情の石川選手がゴールのテープを切りました。総合タイムは10時間5604秒。次いで創価大学のアンカーが必死の表情でゴール。区間20位のタイムに沈みましたが、トップとの差はわずか52秒でした。3位争いは追い縋(すが)る青山学院大学を振り切った東洋大学が獲得しました。復路で猛烈な追い上げを続けた青山学院大学は合計8つ順位を上げて4位でゴール。

以下、5位は東海大学、6位早稲田大学、7位順天堂大学、8位帝京大学、9位國學院大学、10位東京国際大学。残念ながら明治大学は11位でシード権には届きませんでした。区間賞は素晴らしい走りを見せた駒澤大学の石川拓慎選手。

今回の箱根駅伝は、往路優勝が創価大学、復路優勝が青山学院大学、総合優勝は駒澤大学と珍しい結果になりました。途中棄権がなかったことは幸いです。筆者は2日間にわたるスリリングなレースを大いに楽しむことができました。(終)

2021年1月 3日 (日)

箱根駅伝(往路)

1月2日の朝は箱根駅伝です。午前7時からテレビ中継が行われていましたが、起床したのは午前7時半過ぎです。気温が2度と低い中、ウォーミングアップをする選手たちの様子がテレビ画面を通して伝えられています。午前8時のスタートに備えて2分前にはスタートラインに21人の選手達(含オープン参加)が集合し、定刻に一斉スタート。日比谷通りを横に広がった一団がゆっくり南下します。例年にないスローペースです。

3分が経過したところでやっと通常のペースになりました。東海大学と青山学院大学、そして帝京大学などが一団を牽引します。三田で国道15号線(旧東海道)に出ても選手間の駆け引きから変化は見られません。品川の新八重山橋あるいは多摩川の六郷橋がポイントになりそうです。しかし、新八重山橋ではまったく変化はありませんでした。そして、9kmを過ぎた大井付近で一団はそれまでの縦長から横長に形が変わり牽引者が存在しない膠着状態になりました。10km地点の通過タイムが30分を上回るスローペースが続いています。

11km地点付近から縦長になって國學院大学が先頭に立ちましたが一団の形が崩れることはありません。予想通り、六郷橋の登り坂で一気にペースが上がり、トップ集団は14チームほどに絞られました。降り坂では法政大学が飛び出し、東海大学、早稲田大学、青山学院大学が懸命に追う展開に。東海大学に追いつかれた法政大学はあと1km地点でスパートして鶴見中継所へ向かいます。法政大学、東海大学、創価大学、神奈川大学、早稲田大学、青山学院大学の順に襷を繋ぎました。

2区は外国人選手も出場する高速区間です。国士舘大学のヴィンセント選手がハイペースで18位から追い上げます。トップに立った東海大学は想定通りのレース展開に持ち込んだようです。しかし、権太坂では東京国際大学が1位通過、次いで2位が創価大学、東海大学は予想外(?)の不調に陥り26秒差の3位に後退しました。ディフェンディングチャンピオンの青山学院大学は12位に沈んだことは意外です。一方、東京国際大学のヴィンセントは14人抜きで区間新記録を成就。国士舘大学のヴィンセント選手は6人抜きの12位まで順位を上げました。区間2位のタイムを記録。戸塚中継所では1位東京国際大学、59秒差の2位創価大学、3位東海大学まで11秒差。

3区に入ると東海大学が創価大学を抜いて東京国際大学を追い上げました。これに順位を4つ上げた駒澤大学と東洋大学が続きます。青山学院大学は2人を抜いて11位。平塚中継所では1位東海大学、2位創価大学、3位駒澤大学が各々34秒と22秒の差で襷を繋ぎ、アップダウンが続く4区へ入りました。ちなみに、青山学院大学は11位を維持。区間賞は東海大学の石原翔太郎選手。

4区の5.5km地点で創価大学が東海大学を捉えて首位に立ちました。二宮のポイントでの両大学は34秒差。東京国際大学と駒澤大学がこれを35秒差で追います。酒匂橋で創価大学は駒澤大学に118秒と差を広げました。13km地点で駒澤大学が東海大学を捉えて2位に上がりました。目まぐるしいレース展開です。16.4km地点で東海大学が駒澤大学を抜き去りますが、東海大学も負けじと抜き返します。創価大学の快速が続きました。小田原中継所では創価大学がリードを維持して1位で通過、142秒差の2位は駒澤大学、21秒差の3位は早稲田大学、4秒差の4位は東京国際大学、5位東洋大学、首位から222秒差の6位東海大学。青山学院大学は10位へ順位を上げました。

いよいよ往路の最終区間である5区の山登りです。波乱が起きる区間でもあります。序盤は創価大学が確かな走りを見せたことで、函嶺洞門脇を通過する地点では2位の駒澤大学との差を6秒広げました。東洋大学が順位を3位に上げました。山登りの名手で「新・山の神」と呼ばれた柏原竜ニ選手の跡を継いた宮下選手は2位の駒澤大学を追い上げて6.3km地点で一気に前に出ました。大平台のヘアピンカーブでは154秒差で2位の東洋大学が通過、3位駒澤大学、4位東海大学、5位東京国際大学、6位早稲田大学と続きます。

11.9km地点の小涌園前では首位の創価大学と2位グループの東洋大学と駒澤大学は153秒差のままです。4位東海大学と帝京大学、6位東京国際大学。芦之湯を通過すると一旦降り坂になりますが、もう一度短い登り坂があり、ここを乗り切れば長い降り坂が待っています。ギアを巧みに切り替えながら走行する必要があるのでしょう。青山学院大学の選手は脚が攣る状態が23度と発生して大ピンチに陥りました。

いよいよ元箱根のゴールが近づきました。創価大学は見事な走りを見せてトップでゴールしました。直後に倒れ込む選手。2位争いは東洋大学が制しました。首位とは214秒差。3位は221秒差の駒澤大学、4位帝京大学、5位東海大学、6位は358秒差の東京国際大学。ちなみに、ディフェンディングチャンピオンの青山学院大学は12位と振るいませんでした。

今年の往路は各チームの実力が伯仲していたことで順位が目まぐるしく変動しました。このため1位と2位は2分強と差が開きましたが、2位以降は僅差であり、19位までのタイムは繰り上げスタートとなる15分を大きく下回る119秒差でした。トップと10分以上の差があった18位-20位の山梨学院大学、中央大学、専修大学、オープン参加の関東学生連合の4チームは残念ながら復路が繰り上げスタートになります。翌日の復路においてもドラマが生まれそうです。(復路へ続く)

2021年1月 2日 (土)

今回の年越しも例年と変わりなく!

川崎大師に参拝したことで心静かに年を越すことができそうです。しかし、東京都における新型コロナウィルス感染者数が12月31日に1,337名と飛躍的に増加したことが気に掛かります。

さて、日頃はテレビを長時間続けて観ることがない筆者ですが、大晦日から正月の三が日だけはほとんどテレビ漬けで過ごすのが恒例です。大晦日(おおみそか)は前日に録画しておいた「孤独のグルメ イッキ見スペシャル」(2012年1月5日に放送されたSeason1第1話をはじめとする特集編、6時間半)を観たあとは、筆者の好きな「にしん蕎麦」を年越蕎麦として食べながら、リアルタイムでテレビ東京の歌番組「年忘れ日本の歌」、グルメ番組の「孤独のグルメ 大晦日SP 孤独の花火大作戦」、カウントダウンの「ジルベスターコンサート」を楽しみました。

「ジルベスターコンサート」のカウントダウンが新年を告げると、NHK総合テレビの「ゆく年くる年」にチャンネルを変えると、深大寺の除夜の鐘、幸運を授ける横浜中華街の獅子舞、北海道・足寄町の牛牧場での出産、比叡山延暦寺の灯火、熱海市の来宮神社、前橋市で練習する南スーダン選手団、東日本大震災の被災地石巻市から新年の様子が中継されました。

元旦は朝寝坊して午前8時に起床。例年通りに和服に着替えました。TBSで「ニューイヤー駅伝」のチーム紹介を観ながら「お雑煮」を美味しく食べました。

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後は長丁場の駅伝を楽しむことになります。第一区は気温が5度と低く向かい風であるためか、各チームは慎重なレースを展開しましたが、9.5kmを過ぎたところで前に出るチームが次々に現れてペースが徐々に上がり、11kmを過ぎて縦に長くなり始めた先頭集団から脱落するチームが現れました。高崎中継所が近づいたところて富士通が抜け出し、これを旭化成とトヨタ自動車が追う展開で襷を2区の選手に繋ぎました。

外国人選手が認められる第二区でも三強の争いが続きましたが3km地点を過ぎたところで三菱重工(旧三菱日立パワーシステムズ/MHPS)がスパートして先頭に立ってレースを引っ張ります。6kmを過ぎるとトヨタ自動車と日立物流がトップに追いつきトップに踊り出ますが、ペースを上げたヤクルトと日立物流がトップグループを構成し、そのまま前橋中継所を通過しました。

3区ではヤクルトが快走して2位グループとの差を広げます。4.5km地点で2位グループに追いついた富士通の坂東選手がトップのヤクルトを追い上げてトップに立ちました。が、後方から追い上げた旭化成の大六野選手がトップ集団を一気追い抜きます。2年連続2回目の出場となるGMOインターネットグループが旭化成の背中に付き、5秒差で富士通が追走。満を辞したGMOが旭化成を追い抜きトップで伊勢崎中継所を通過しました。2位旭化成、3位富士通。

花の4区(最長の22.4km)は各チームのエースが登場しました。GMOは一色選手、旭化成は鎧坂選手、富士通は中村選手、三菱重工は井上選手、トヨタ自動車は選手。誰が勝っても不思議ではありません。最初からハイペースのレース展開です。追風から向い風に変わり、しかも上り坂になる4区最後の3.5kmが勝負のポイントでしょう。GMOの一色選手が素晴らしい走りを見せて2位グループの三菱重工、富士通、旭化成、トヨタ自動車の追走を許しません。中間点で7秒差を守ります。

しかし、12.3km地点で2位グループの三菱重工、富士通、旭化成がトップのGMOを一気に抜き去り、そして差を広げました。トヨタ自動車は10秒差の4位。区間記録が期待されます。コースが北方向へ左折するポイント( 交差点)直前にレース展開に波乱が起きました。富士通の中村選手がスパートして独走体制に入り、太田中継所では18秒差を付けました。東京オリンピックのマラソン代表選手に選ばれた選手らしい見事な快走です。ちなみに、区間賞はSGホールディングスグループの佐藤悠基選手。

元旦に届いた年賀状を一枚ずつ読みながら友人・知人・恩人の近況をお得意の妄想を交えて想像を膨らませました。ただ、今年も年賀状を辞めると宣言する方が4名もありました。ちょっと寂し気分に。

5区は桐生中継所までの15.8kmは強い向い風と登り坂が続く難コースです。富士通の塩尻選手は淡々と走るため速さを感じさせませんが、2位グループの姿は見えなくなりました。2位グループを走るトヨタ自動車の服部選手はもう一人の東京オリンピックのマラソン競技に選ばれた選手です。10.5km付近のチェックポイントでは1位富士通と32秒差に広がりました。

静かなレース展開が続く中、桐生中継所では36秒差で富士通がトップ通過。2位旭化成、3位トヨタ自動車、4位三菱重工、217秒差な5位はホンダ、6位日立物流、7位ヤクルト、8JR東日本が入賞圏内で続きました。ちなみに、区間賞はトヨタ自動車の服部勇馬選手。

優勝を決めると言われる6区(12.1km)は桐生中継所の先が曲がりくねったアップダウンがある難コースです。5区と同様の静かなレース展開が続き、伊勢崎中継所を富士通がトップで通過。40秒差の2位は同タイムの旭化成とトヨタ自動車です。4位三菱重工、5JR東日本、6位ホンダ、7位日立物流、8SGホールディングス。区間賞は富士通の鈴木健吾選手。

向い風が強い最終の7区に入りました。前橋市の群馬県庁までの15.5kmはほぼ直線のコースで中間地点が一番低くなっていますから、後半の登り坂での勝負になるでしょう。富士通のアンカーは國學院大学出身で箱根でも活躍したルーキーの浦野選手。

そのまま4時間4852秒でゴールした富士通は2位のトヨタ自動車に13秒の差をつけて優勝しました。3位は旭化成、4位日立物流、5位ホンダ、6位三菱重工、7JR東日本8位ヤクルトの結果になりました。

富士通の12年降り3度目の優勝はチームにおける選手層の厚さと巧みなレース展開で完勝と言えるでしょう。昨年出場出来なかった悔しさがこね完勝を精神的に支えたのかも知れません。事実、優勝インタビューではほぼ全員が昨年の悔しさを口にしていました。

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駅伝の後は小休止です。ちょうどチビスケくんとちびえちゃんの一家が年始の挨拶にきてくれました。そこで少し早めの夕食を摂ることに。

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午後7時からNHK Eテレで「ウィーンフィルニューイヤーコンサート2021」が始まりました。ウィーン楽友協会大ホールからの生中継です。今年はリッカルド・ムーティ氏が3年ぶりにウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮します。同氏にとっては2018年に続いて6回目となるニューイヤーコンサートです。ちなみに、今年は新型コロナウィルス禍のため無観客の演奏会になりました。午後10時までの3時間、ヨハン・シュトラウスの曲を中心に楽しみました。

アンコール曲の「美しく青きドナウ」と「ラデツキー行進曲」ではムーティ―氏らしさを遺憾なく発揮し、ダイナミックでありながら上品さを兼ね備えたウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の楽曲でした。

2020年1月 3日 (金)

箱根駅伝を応援する!(復路編)

前日に続いて2日目も好天で、絶好のコンディションです、定刻の午前8時に往路1位の青山学院大学が芦ノ湖畔の元箱根をスタート。続いて往路のゴール時間差に応じて2位以下のチームが1チームずつスタートし、繰り上げスタートとなった13位以降は一斉スタートとなりました。復路(全長109.6km)は往路より少し長くなっています。これは2つの区間(1区/10区、4区/7区)でコース長が異なるためです。前者は復路(10区)が中央通りの京橋と日本橋を経由)ため1.3km長く、後者も復路(7区)の平塚中継所-大磯間が山寄りの迂回ルートになっているため0.4kmだけ長くなっているのです。
 
さて、山下りの6区(20.8km)は芦ノ湖畔の元箱根をスタートして最初の4.5kmの坂を上り切ると、標高差840mを利用して100mを14秒台のハイスピードで下るタフな区間です。特に、勾配(こうばい)が緩(ゆる)くなる残り3kmはまるで上り坂であるかのように感じられて脚力を奪うと言われます。つまり、5区の上り坂とは異なる難コースなのですが、上手く走れば好記録を期待できるそうです。
 
トップでスタートした青山学院大学の谷野航平(やのこうへい)選手は最初の上り坂を難なくクリアして、約15分後には最高地点を通過し、本人が得意とするという下り坂に入りました。2位スタートの國學院大学と4位スタートで順位を3位に上げた東海大学がその後を追うデッドヒートが展開されそうです。芦ノ湯では東海大学が3分以上あったトップとの差を約1分詰めました。小涌園前では2位の國學院大学はトップと1分25秒差、東海大学はトップと2分24秒差と、いずれもトップの青山学院大学をじりじりと追い上げます。
 
宮下(みやのした)では上位3チームに大きな変化はありません。4位で通過したのは東京国際大学、5位は明治大学、6位駒澤大学です。大平台と函嶺洞門(残り3km)でも上位3チームは小涌園前での間隔を維持したまま通過。湯本駅から並走し始めた青山学院大学の原晋(すすむ)監督が乗る運営管理車から谷野航平選手へ撃(げき、注釈:現在はがんばれと励ますことも意味する)が飛びました。小田原中継所では1位の青山学院大学に続いて2位の國學院大学と3位の東海大学が順に襷(たすき)を渡しました。東海大学はトップ青山学院大学との差を約40秒縮めて2位の國學院大学に5秒差に迫ります。4位は東京国際大学、5位明治大学、6位駒澤大学、7位東洋大学、8位帝京大学です。なお、東海大学の館澤亨次選手が57分17秒、東洋大学の今西選手は57分34秒で、いずれも見事な区間新記録を達成。
 
7区(21.3km)の約2km地点で東海大学が國學院大学を捉えて2位グループを構成し、国府津(こうづ)ICと国府津駅前を過ぎても並走が続きます。トップの青山学院大学は2位グループとの差を維持しながらアップダウンがあるコースを二宮の松並木へ向かいました。その二宮では青山学院大学が2位グループとの差を10秒余り広げ、11km地点を過ぎると東海大学が國學院大学を振り切って単独2位になり、いよいよ青山学院大学と東海大学との一騎打ちです。その後方では明治大学が東京国際大学を抜いて4位へ上りました。
 
青山学院大学は、東海大学に2分差まで詰められながら、大磯の松並木を懸命に抜けて行きます。國學院大学も先行する2チームを追い、明治大学は区間新記録のペースで続きます。平塚中継所では1位の青山学院大学を2位の東海大学が2分1秒差で、2位の國學院大学も3分23秒差で襷を繋(つな)ぎました。明治大学の阿部弘輝選手は歴代1位となる1時間1分40秒の区間新記録。4位は明治大学、5位東京国際大学、6位駒澤大学、7位東洋大学、8位帝京大学です。9位は12位から一気に順位を上げてシード権を狙う早稲田大学。
 
8区(21.4km)は相模川を越える青山学院大学を東海大学が追います。序盤は青山学院大学のペースで進み、茅ヶ崎では東海大学との差を1分10秒とやや広げました。ちなみに、3位の國學院大学はトップと4分13秒差。
 
今回から日本テレビの箱根駅伝関連hpにある様々なデータ・サービスに加えて、「速報マップ」が提供されました。走行する全選手の現在位置がGPSを使ってリアルタイで地図上に表示される優れモノです。テレビの中継画面と併用することでレース展開を立体的に楽しむことができます。
 
湘南道路から県道30号線(湘南新道、戸塚茅ヶ崎線)に入り、東海道本線の高架橋を越え、藤沢バイパス出口交差点から国道1号線の遊行寺(ゆぎょうじ)の坂を上って戸塚中継所を目指します。遊行寺坂では1位の青山学院大学を2位の東海大学が2分55秒差、3位の國學院大学は4分42秒差。4位明治大学、5位東京国際大学、6位グループは駒澤大学と帝京大学です。戸塚中継所では1位が青山学院大学、2位の東海大学は1位と2分丁度の差、3位國學院大学は5分9秒差。4位明治大学、5位東京国際大学、6位帝京大学、7位東洋大学、8位中央学院大学、9位早稲田大学、10位中央学院大学の順に襷を渡しました。そして、創価大学は7秒差の11位。
 
復路最長の9区(23.1km)は緩やかな下りが続き、東海大学が青山学院大学を徐々に追い上げます。しかし、権太坂では1位の青山学院大学とは2分23秒に差へと少し広がり、アップダウンが続く前半のレース展開は膠着(こうちゃく)状態となりました。保土ヶ谷では東海大学の松尾淳之介選手が区間記録に並ぶペースで追い上げますが、青山学院大学の神林勇太選手もほぼ同じペースで快走。横浜駅前(残り8.3km)では2分35秒差と10秒余り差を広げました。鶴見川を渡った川崎市川崎区にある鶴見中継所では1位の青山学院大学(上林勇太選手)が区間記録に近い1時間8分13秒(区間賞)でトップを維持、2位は3分42秒差の東海大学、3位は8分21秒差の東京国際大学、4位明治大学、5位國學院大学、6位帝京大学、7位東洋大学と順位の入れ替わりがあり、早稲田大学が9位から8位へと順位を上げました。そして、9位駒澤大学、10位中央学院大学も次々に襷を渡しました。
 
最終10区(23.0km)は川崎市から多摩川に架かる六郷橋を渡って都内に入り、大手町の読売新聞社前まで続く長丁場ですが、青山学院大学が後続チームを引き離して独走態勢に入りました。前回も10区を走って東海大学の初優勝に貢献した郡司陽大選手が4分近く先行する青山学院大学の湯原慶吾選手(2年生)を懸命に追います。4位の明治大学が3位の東京国際大学を捉(とら)えました。京急蒲田駅前を通過し、大森海岸駅前・鮫洲駅前・品川駅前(残り約9km)を過ぎても青山学院大学の快走は続き、2位との差が僅かですが広がったようです。3位は東京国際大学・明治大学・國學院大学の3チームが競い、6位の帝京大学もこれらチームを追走。
 
田町駅前の三田交差点から都道409号線(日比谷芝浦線、通称:日比谷通り)に入って芝公園前と御成門交差点を通過すると日比谷公園はすぐ近くです。日比谷通りの日比谷交差点を過ぎた馬場先門交差点を右折して、都道406号線を東進し、京橋交差点を左折して中央通りを北上します。
 
芝公園前で3位争いに帝京大学が加わりました。青山学院大学の湯原慶吾選手は中央通りを区間記録に迫るペースで走り、日本橋北詰交差点を左折して大手町・読売新聞社東京本社前のゴールへと直走(ひたはし)ります。そして、湯原慶吾選手は青山学院大学の選手たちが待つゴールのテープを切りました。大会新記録(10時間35分51秒)での総合優勝です。2位は3分2秒差の東海大学(復路新記録、総合新記録)、3位は4チームの争いを制した國學院大学、4位帝京大学、5位東京国際大学、6位明治大学の順にゴール。
 
少し離れた7位 は早稲田大学、1秒差の駒澤大学8位。激しいシード権争いを展開した創価大学が9位と大健闘、10位東洋大学までシード権を確保しました。ちなみに、創価大学の嶋津雄大(ゆうだい)選手は区間新記録(1時間8分40秒)を達成して区間賞を獲得。
 
今回の箱根駅伝は好天と選手のレベルアップが重なって好記録が続出し、レース展開も大いに楽しむことができました。襷が途絶えた3チームの無念さがテレビ画面から伝わります。ただし、怪我による棄権がなかったことは選手の体調管理が行き届いていることを感じさせるとともに、次回の箱根駅伝への期待が膨(ふく)らみました。□

2020年1月 2日 (木)

箱根駅伝を応援する!(往路編)

元日の夜は午後7時からNHKのEテレビで放送された「ウィーン・フィルハーモニーのニューイヤーコンサート」を楽しみました。今回の指揮者は新進気鋭のアンドリス・ネルソンス。ボストン交響楽団とライプチィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の音楽監督を務め、2010年からウィーン・フィルハーモニーとも繋がりがある人です。今回も楽しいコンサートでしたが、印象に残ることが少ないため、その内容と感想を投稿することは控えました。

翌日(1月2日)は午前7時から第96回箱根駅伝が日本テレビで中継されました。前回優勝した東海大学と準優勝の青山学院大学を含む20チームが紹介され、1時間後の午前8時には東京・大手町の読売新聞東京本社前を予定通りスタートしました。この日は往路5区間107・5キロのコースでオープン参加の関東学生連合を入れた21チームが往路優勝を競います。
 

1区(21.3km)の序盤では大きな波乱がなくレースが展開しましたが、先頭集団から脱落するチームが現れ始め、21.3kmの半分を過ぎたところで10チームが先頭を競う状況になりました。意外なことに、前評判が高かった東海大学がペースを落とし、さらに駒沢大学も先頭集団から遅れ始めて、8人に絞られた先頭集団は1区の山場である多摩川に架かる六郷橋に差し掛かりました。上り坂で早稲田大学が少し遅れ始め、下り坂では国学院大学がトップに立ち、2km先の鶴見中継所へ向かいました。青山学院大学は早稲田大学に抜かれ、先頭集団は長くのびるなか、國學院大学の藤木宏太選手を創価大学の米満伶選手が追い抜き、鶴見中継所では創価大学が1位で襷(たすき)を渡しました。2位は5秒差の國學院大学、3位は8秒差の日本体育大学、4位は10秒差の東海大学、5位は15秒差の中央学院大学、6位は17秒差の早稲田大学。何と、青山学院大学は18秒差の7位と大きく出遅れ、1区は波乱模様のレースになりました。
 
2区(23.1km)は国学院大学が飛び出してレースを引っ張り、創価大学、青山学院大学、日本体育大学、東海大学が追うなか、横浜駅前を過ぎると國學院大学、創価大学・中央学院大学・東海大学・早稲田大学・青山学院大学が先頭集団を構成しました。難所である権太坂の上り坂に差し掛かると先頭集団(6チーム)から先ず中央学院大学が、続いて創価大学が遅れ始め、先頭集団は4チーム(早大・國學院大・東海大・青山大)に絞られました。戸塚中継所の手前にある急坂でも先頭集団に変化はなく、最後の1kmでトップ争いです。
 
青山学院大学がラストスパートして先頭に立ち、早稲田大学・東海大学・國學院大学が続いて襷(たすき)を渡しました。青山学院大学のルーキー岸本大紀(ひろのり)選手が18秒差をひっくり返す6人抜きの1時間7分5秒と見事な走りでしたが、その直後には東洋大学の相澤晃選手が1時間5分57秒の大記録(区間新)を、東京国際大学の伊藤達彦選手と拓殖大学のレメティキ選手が1時間6分18秒、国士舘大学のヴィンセント選手が1時間6分46秒の好タイムを続々と記録。気温が上昇しなかったことが幸いしたようです。
 
3区(21.4km)は国道1号線から神奈川県道40号線にそれて相模湾沿いの国道134号線(湘南道路)で平塚中継所まで走る21.4km。青山学院大学と早稲田大学がトップ集団を構成しました。しかし、直後には青山学院大学が大きくリードし、2位グループが東京国際大学と國學院大学、4位グループが早稲田大学・東海大学・帝京大学と、先頭集団が大きくばらける中、実力で勝る東京国際大学1年生のヴィンセント選手(ケニア出身)が青山学院大学を急速に追い上げてトップに立ちました。藤沢から相模湾沿いの直線コースでは東京国際大学が大きくリードして、2位集団に青山学院大学・國學院大学・帝京大学・東海大学が僅差で並び、6位集団の早稲田大学・駒沢大学・創価大学・東洋大学などが続きます。相模川に架かる湘南大橋を過ぎて平塚市に入ると、平塚中継所まで3km。國學院大学が青山学院大学を追い上げて「抜きつ抜かれつ」の展開になりました。東京国際大学のヴィンセント選手が59分25秒の区間新記録を達成。2位は1分21秒差の青山学院大学、3位國學院大学、4位帝京大学、5位東海大学、追い上げが急であった駒沢大学が6位。
 
4区は小田原中継所まで国道1号線に戻って松並木を見ながら走る20.9kmです。先行する東京国際大学を青山学院大学・國學院大学・帝京大学・東海大学か追い上げるレース展開になりました。1万mの記録が出場選手の中でベストである青山学院大学の吉田裕也選手が快走して14km地点の手前で東京国際大学を捉えて首位に躍り出ました。1区は7位と出遅れ、2区では1位へ躍進、3区は2位に後退、そして小田原中継所では1位に大差を付けてトップで襷(たすき)を渡しました。区間新記録の1時間0分30秒でした。2位は1分2秒差の東京国際大学、3位は國學院大学、4位東海大学、5位帝京大学、6位駒沢大学、7位創価大学、8位早稲田大学。
 
箱根山へ上る5区(20.8km)は、往路優勝だけではなく、総合優勝にも大きな影響を与える最重要区間です。と言うのも5区は順位が大きく入れ替わるリスクがあるのです。函嶺洞門(かんれいどうもん)までの序盤は青山学院大学とほぼ同じペースで走った國學院大学が東京国際大学を追い抜き、東海大学と帝京大学が上位2チームを追います。大平台ではそのままの順位。前回の5区で区間新記録を達成した國學院大学の浦野雄平選手は快調に上り登りますが、青山学院大学の飯田貴之選手もほぼ同じペースで上って行くため、両者の差はほとんど変わりません。
 
宮下(みやのした)の手前で東海大学が東京国際大学を追い抜きました。宮下の街並みに入ると國學院大学がペースを上げたようで、小涌園(こわきえん)前では青山学院大学との差を小田原中継所の襷リレー時より20秒ほど縮めました。しかし、芦ノ湯近くの最高地点(残り5km)を過ぎて下り坂になると、青山学院大学はスピードをアップさせ、2位の國學院大学との差を広げました。
 
青山学院大学は芦ノ湖畔の元箱根にある往路ゴールに到達。区間新記録(1時間10分40秒)と往路新記録(5時間21分16秒)を樹立して往路優勝を遂げました。2位は1分33秒差の区間新記録(1時間10分45秒)の國學院大学、3位は3分17秒差の東京国際大学、4位東海大学、5位明治大学、6位帝京大学、7位創価大学、8位駒沢大学、9位早稲田大学、10位拓殖大学の順でゴール。なお、東洋大学の浦野選手は先に区間新記録を達成した2選手を上回る1時間10分25秒の驚異的な区間新記録をマークしました。
 
明日の復路は往路で1位との差が10分を越えた13位以下は繰(く)り上げスタートになります。今日と同じ好天となり、素晴らしいレースを観られることを期待したいと思います。□

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