新型コロナウイルス禍の第10波が到来か?
元日の午後4時ころに発生した能登半島地震と2日の午後5時過ぎに羽田空港で起こったJAL旅客機と海上保安庁小型機の衝突事故、さらには政党における政治資金の違法処理、芸能界のスキャンダル等々のニュースが連日報道されています。この惨事やスキャンダルに世論の関心事が集まったことで影が薄くなっている重大事があります。
それはインフルエンザの流行がピークを迎える一方で、「新型コロナウイルス禍」の感染者数が昨年末から今年の1月にかけて急増している事態です。このように両者が同時に流行することは実質的に初めてのことだと思います。
今回の流行は変異ウイルスの”JN.1"がその主要因(世界の主流株)のようです。特徴としては、「感染しやすい」「何度もかかる」「感染状態が長引く」「感染から発症まで3日間を要する」などがあります。
これまで「新型コロナウイルスワクチン」を接種した人だけではなく、「新型コロナウイル」に感染した人もこの変異種に感染する可能性はあります。感染後の症状は人によるようですが、重症化するリスクは従来並みんで概ね軽症であることが多いようです。発熱・頭痛・咳などの症状は共通すると言われます。
我われはどのように対応したら良いのでしょうか? 「新型コロナウイルスワクチンの接種は7回目!」と「インフルエンザの予防接種を受けました」の記事で対応策についてあれこれ述べています。しかし、2つの感染症が同時進行で我々を襲うのは初めてのことですから、従来にました感染防止策(二重の備え)が必要かもしれません。
参考情報です。
1.新型コロナウイルス感染者数の推移 (出典)科学技術振興機構 Science Portal 2024.01.24
2023年5月8日に「新型コロナウイルス」が「5類感染症」に移行されたことで、従来の全数把握から全国約5000の定点医療機関による定点
把握に変更されたため、門外漢には感染動向が分かり難くなったように感じます。そこで、専門家の解説を引用させていただくことにしまし
た。テレビや新聞などのマスコミは毎日伝えていた感染者数に触れなくなったことも影響しているようです。
引用したレポートによると、『厚労省によると、定点把握の感染者数は移行後も増え続け、昨年8月末から9月上旬には1医療機関当たり約
20人になり流行の「第9波」のピークに達した。その後11月中旬に底になったものの、同月下旬から再び増加傾向を見せていた。今年1月
8日から14日までの1週間の1医療機関当たりの平均感染者数は約9人で前週比約1.3倍となり、8週連続で増加している。』と最近の増加傾
向が明らかになっています。
「新型コロナウイルス」の感染者数が増加しているだけではなく、「新型コロナウイルス感染症入院患者」もほぼ同様の増加傾向にありま
す。「第10波」と読んでも良い感染者数の増加傾向が確認されているのです。インフルエンザの流行もあって咳止め薬などの処方薬が不足
する状況が続いているそうです。
2.世界における最近(202312.10-2024.1.10)の流行株とその流行国 出典:東京都健康安全研究センター(2024.1.29)
〇2023年12月18に「注目すべき変異株」に追加された「JN.1株」が最も多い国
アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、スウェーデン、スペイン、オーストラリア、オランダ、イタリア、アイルランド、イスラエル、
ベルギー、オーストリア、スイス、ポーランド、インドネシア、インド、スロベニア、マレーシア
〇203年11月以降に流行したHK.3/HK.3.2が最も多い国 (注)JN.1が2番目あるいは3番目に多い国、欧米諸国に比べて流行にタイムラグ
がある
韓国、日本、中国
3.ワクチンについて
2023年秋からは従来の「2価ワクチン」に代わって「オミクロンXBB.1.5対応1価ワクチン」を使用することが基本となっていますから、
しばらくはこの「1価ワクチン」が使用されるとみられます。ただし、ウイルスの変異株への対応力は万能ではないようですから、新しい
ワクチンが登場するかもしれません。
接種は2024年3月末までは接種履歴が条件に合っていれば無償(全額公費)で接種をうけることができます。4月以降においては原則有償
となります。
以上、「新型コロナウイルス禍」について、雑駁(ざっぱく)ですが、最近の情報をまとめてみました。ご参考になれば幸いです。◇
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